銀河鉄道999のレビュー・感想・評価
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今、万感の想いを込めて・・・
初めて「映画のノベライズ」というものを買ったのが本作だ。
コバルト文庫の若桜木虔版だが、これがかなり秀逸だったように思う。
映画館に連れて行ってもらえず、クラス中が「映画999」の話題で盛り上がっている中、ついていけなかった記憶は忘れられないが、数年後にこの書籍を小遣いで買えた時は嬉しかったものだ。
映画を忠実に再現し、かつ、映画では駆け足のところの心理描写も丁寧に描いてくれている。
更には、映画ではわからない「エメラルダスとトチロー」の最も重要なストーリーまで載っていたので、本作鑑賞前に小説を読んで、かえって良かったかもしれない。何故エメラルダスまでが鉄郎を助けにきてくれるのか正当な理由付けに納得出来る。
(エメラルダスの独白で「私は久しぶりに自分が女であった事を思い出し」というのがありまして。その一文のみで「エメラルダスとトチローが結ばれた」という事が、わかる読者にだけはわかるようになっている。(子供向け小説だからね)小学生の自分には赤面モノのドキドキ感でありましたw)
という訳で、初めて本作を観た時は感動であった。まだ原作は完結していなかったから「アンドロメダにあるという機械の体をくれる星」を映像で見られる事には非常に価値があった。
しかも小説で先に感銘を受け、内容理解も充分出来てしまっていたから適正な評価ではないかもしれないが、当時の感動のまま星をつけたい。
(また、当時発売されていた巻数までの原作コミックスはすべて何度も、それこそ穴が開くほど繰り返し読んでいた。その下地がある上で「ダイジェスト版」としての本作を観ているので、これまた「映画のみに対する純粋な評価」では無い事も補足しておく。)
少年が、母親の庇護下から脱し、母親の幻影に淡い初恋にも似た想いを抱きながら成長し、やがて「幼き日の母親とは決別する」
メーテルは「少年の日々」の象徴であり、幻影。
だから、鉄郎が「男」になったならば、もう共にある事は出来ないのだ・・・。
今、万感の想いを込めて汽笛が鳴る。
今、万感の想いを込めて汽車が行く。
さらば、少年の日よ・・・。
小学生の自分には、来(きた)るべき、大人への通過儀礼を想い、しみじみとした感慨を覚えたものだ。
大切な事を999からたくさん教わった。
時代は変わっても、子供達に読み継いで欲しい作品だと思う。
※この映画が何故傑作との評価が高いか知りたい方は是非バリカタさんのレビューをお読み頂きたい。
「こうなの!こーゆー事なの!」という当時の「本来のターゲット層」の想いが伝わる熱きレビューです♪
懐かしい…
これが噂の銀河鉄道なのか
1979公開って考えるとすごい
999って独特の暗さがあって、単純に子供がとっつきやすいものではない、と個人的には思う。エピソードは悲しく淋しいものも多いし、色味も明るくはない。なのでアニメって、ほとんど見たことがないが、大人になって漫画全巻を読んでみたりはした。
で、これは原作をぎゅっとまとめて、さらにアレンジしたって感じでしょうか。やっぱり、いろんな特徴のある星々に停車して一話とする、あの感じのほうがはまる作品なんだろうな。
鉄郎がずんぐりむっくりではない。あと車掌もちょいスマート。
1979公開って考えるとすごいけど。。
小さな男の子が本作を観る年齢になるのが待ち遠しい
ラストは、映画史の殿堂入り間違いなしの名シーンです。
機械化人間になるために銀河鉄道に乗り込む鉄郎とメーテルの物語。
人気TVアニメの総集編的映画になりますが、まったく違和感がありませんでした。
TV版はアクションもありましたが、鉄郎の人間性に影響を与える小さなドラマが積み上げられていました。そのエピソードの数々をばっさりと切ってしまい、冒険活劇に特化したことは映画としては大成功だったように思います。
鉄郎の年齢設定が10歳から15歳になったことも、「冒険活劇・銀河鉄道999」が成功した要因だと思います。
メーテルと別れるラストシーンは勿論、クレアとのシーンも秀逸で何回観ても涙腺を刺激されます。
ただ、当たり前ですが、人間ドラマを削ったことは物語の深みを損なっているのも事実です。特に「機械化人間になる」という鉄郎の夢は、母親の死が起因しているものですから、その放棄するにはエピソード不足を感じます。また、機械化母星を倒すっていうのも、機械化人間=悪の説明が不足していて、良く考えたら道理に合っていないように感じました。
そんなところを気が気になり、少しだけ私的評価を下げさせてもらいました。
ゴダイゴ
リアルタイムで観たことがない世代ですが…
男前になってしまった星野鉄郎
TVシリーズよりも大人の顔つきで、ちょっとだけ男前になってしまった星野鉄郎の顔だったけど、始まってみると違和感もなく、恋するという設定にも無理がないような気がする。もちろん劇場での鑑賞だったけど、アニメの劇場版としては当時一番良かったと思う。
母親を殺されたことで機械伯爵への復讐といったテーマは薄くなり、メーテルと旅することによって成長する主人公の物語。途中知り合う海賊や、エメラルダス、キャプテン・ハーロック。そしてエメラルダスの恋人トチローの存在がなんとも豪華。トチローなんて存在は作者そのものだろう?などと思われるけど、どことなく西部劇チックだ。
劇場版を初めて観たときに最も驚いたのはもちろん惑星メーテル。TVシリーズも最終目的地へは行ってない頃だったので、この衝撃度はでかかったものです。少年が大人の女性に憧れる多感な時代。男ならば必ず泣けるような・・・そんな映画でした。
松本零士作品の最高峰
少年の旅立ち・試練そして帰還 秀逸な青春映画
初めての鑑賞は小学校中学年の時に劇場で、その後も何度かテレビ放送やDVDで見て、この度中年になって改めてDVDで見直した。この映画は、何度見ても飽きない。何度見ても面白い。傑作の必須条件である。小学校中学年で初めて見た時は、主人公の鉄郎に自らを重ね合わせて、これから始まるであろう自分の青春に心を馳せた。この物語は、よく神話の主人公が踏襲する旅立ち・試練・帰還で構成されている。それは正に人が青春にさしかかって経験する人生のステップであり、観客は非常に感情移入しやすい。それから物語の舞台は、近未来の遥かなる未知の宇宙で、自ずから観客は主人公同様冒険心を掻き立てられる。作品のテーマも重い。命は有限であるからこそ、人は懸命に生きるし、命は有限であるからこそ、そこに愛惜が生まれ、思いやりや優しさも生まれるという普遍的なメッセージが込められている。内容も心踊る冒険活劇であり、少年時の淡い恋心も描かれていて、秀逸な青春映画に仕上がっている。これからも何度も見たい映画であり、是非多くの若者に見て欲しい映画である。
大冒険活劇!
ドリパス「銀河鉄道999」
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