「もうすぐお別れの映画館にて」銀河鉄道999 弁明発射記録さんの映画レビュー(感想・評価)
もうすぐお別れの映画館にて
だいぶ昔に観たはずなんだがラストシーン以外ほとんど忘れていた。
メーテルとの出会い
999に乗って旅立ち車掌登場
タイタンにてトチローの母に出会い帽子と銃得る
山賊と会い人間判定装置
冥王星の墓
エメラルダスと会う
トレーダー分岐で酒場とギター姉さんからのトチローと会う展開入れて
ハーロックと会い
時間城で機械伯爵と戦い
機械化母星にたどり着き真相知り
惑星が壊れてハーロックの船が応戦してくれるさなかに脱出
ラストはメーテルとの別れ
ここまでをよく2時間にまとめたと思う。
ダイジェストのはずなんだが映画の構成があまりにうまく余計な場面も冗長な箇所もない。これは本当に傑作だったんだなとあらためて理解した。
そもそも宇宙空間にSLが走っている絵にロマンがあるし。機械の体で永遠の命を得ることが本当に幸せなのかという哲学的なテーマを絡めつつ、ガンアクション、巨大建造物が崩れていく描写まで入れてエンターテイメント作品てして仕上げているその手腕。どれをとってもすごい。45年前でこれをやっていたのだと。
過去の記憶を映像で見せる装置、出番少なくてかわいそうな序盤のジェットスケボーなどのガジェットも面白い。
ラストシーンのインパクトが強過ぎて散々色々なテレビ番組でも取り上げられていることもあり、どうしてもこの場面の印象が強くなるが。ここに至るまでの流れも無駄がなくすごい。
長編をまとめるとダイジェスト感が出て残念になることもあるが今作は1本の映画としてしっかりまとまっている。
まあ都合いいタイミングで鉄郎を助けてくれる人が現れすぎな感もあるはあるがそれを言い出したらきりがない。鉄郎が優れているのは意思の強さであり、この意思の強さゆえに協力してくれる人も増えていく、ということなんだろう。
エンドロールで流れるゴダイゴの主題歌がまた素晴らしくこの時代から優れたアニソンはあったんだなとあらためて知らされた。
上映後に自然と拍手が起きたことが今作の色褪せない魅力を物語っている。
さよなら丸の内東映に今作が選ばれたのも嬉しいし、もうすぐお別れの映画館で別れの名作を観れたというのはいい経験になった。