劇場公開日 1991年3月16日

「最初から映画として作るべきだった」機動戦士ガンダムF91 バラージさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 最初から映画として作るべきだった

2025年9月12日
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鑑賞方法:映画館

難しい

劇場公開時に友人といっしょに観たんだが、つまらなかったという意見で一致した。同時上映の『SDガンダム』目当てで親に連れてきてもらったと思しき子供たちが途中で飽きたのか「つまんな~い」と言い出し親に注意されてたのを記憶しているが、普段ならイラッとする僕も「そうだね。つまんないね」と心の中で同意していた。

前作『逆襲のシャア』でファーストガンダムからの流れに区切りをつけて新たな物語を創出した作品だが、設定も人物もメカも全部1から覚え直しになるのが意外に結構大変だったような記憶がある。もともとはテレビシリーズとして製作する予定だったらしく、途中から映画に方針転換されて当初のテレビ第1クール13話分を圧縮した物語となったらしい。そのためか登場人物が2時間の映画にしては多すぎ、はっきり言って余計な登場人物が多い。主人公の仲間の子供たちなどはほとんどがいらない登場人物で、アニメというのは「絵」だけに出てきた当初は誰が重要で誰が重要じゃないのかがわからず、全員を一応一通り覚えなきゃならないのが難儀だった。また話を縮めたためかヒロインであるセシリーの行動があまりに唐突で、やたらあっちに行ったりこっちに来たりするのも説得力に欠ける。

映画としては失敗作としか言いようがなく、富野監督もおそらく自覚してたのではないか? だからこそ次作ではこの物語も捨て去り、またも全てを一新したテレビシリーズ『機動戦士Vガンダム』を作ったんではないかと思う(本作の興行成績が悪かったという製作会社側の事情もあるんだろうが)。富野監督のテレビ総集編ではない映画オリジナル作品は『逆襲のシャア』と本作のみであり、本作ももとはテレビシリーズの予定だったことを考えると、富野自身も映画には向いてないと思っているのかもしれない。大量の人物を登場させる群像劇的で長大な物語を作る富野監督はやはり映画よりテレビシリーズのほうが向いてるんだろう。

なお本作はやたらメディアミックスが仕掛けられた作品でもあり、模型企画『機動戦士ガンダムF90』『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』、ファミコンゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』などが当時出ていたが、肝心の映画自体の興行成績が悪く評判も芳しくなかったため全て不発に終わっている。

ビデオスルーの『完全版』も観たが、大型モビルアーマー・ラフレシアが発進するシーン以外はどこが足されたのかよくわからなかったし、評価は特に変わらない。

バラージ
バラージさんのコメント
2025年9月15日

テレビシリーズの予定から、第1クールに該当する部分を映画にして続きをテレビでやる方針に変更したらしいですが、映画がコケたためその企画も無くなったようですね。漫画『クロスボーン・ガンダム』は僕も読みました。冨野氏の手を離れた後も、『スカルハート』『鋼鉄の七人』までは読みましたね。

バラージ
Blackonikisuさんのコメント
2025年9月15日

映画はTVシリーズのプロローグだと聞きました
映画の続きをTVでやる筈だったとか
「クロスボーンガンダム(無印)」(以下クロボン)と「F91」の間の話ですね、なのでクロボンにポシャった設定が活かされてます
クロボン(無印)までは監督が関わってますが、以降のシリーズは漫画家の長谷川先生のオリジナル作品となってますね

Blackonikisu
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