「どまんなかアニメ映画祭にて見てきました」機動警察パトレイバー2 the Movie はて1984さんの映画レビュー(感想・評価)
どまんなかアニメ映画祭にて見てきました
名古屋で行われた、どまんなかアニメ映画祭にて久々に見てきました。映画以外の情報が嫌いな方はここからは読まないで下さい。
見始めてすぐにサウンドリニューアル版と分かりがっかり。私はオリジナル音声派なので。採点のー1はこの分です。
映画自体はもう何も言う必要が無いくらいに超名作です。これをサリン事件や911の前に作ったというのが信じられない。(でも、後だとさすがにあれやこれやのシーンは作れないでしょうけどね。)
リアルロボット物の究極にして最後の1作だと思っています。オーバーテクノロジーや魔法を使わない、現代の技術の延長という意味でのリアルロボットでは、墓標のような映画かと思います。(純粋に軍事的に考えると巨大戦闘ロボはナンセンスという意味で。)
映画の後のトークショー(メカデザの出渕さんと脚本の伊藤さんという超豪華なお二人!!)で、出渕監督が「リアルとリアリティは違うんだよ」とおっしゃっていたのが印象的でした。作り手はみんな分かった上で、何とか本物らしさを出そうと頑張っているんですね。
トークショーの話はめちゃくちゃ面白かったのですが、(主に人間関係の)やばそうな話が多くて、これ以上はやめておきます。
最後に、柘植がテロを起こした動機は「戦争という空間を作って見せたかったから」。誰に見せるのか?東京都民か、日本国民か、なんて昔は考えていましたが、柘植という男はすなわち押井監督で、見せたかったのは、視聴者だったんですね。「僕らが謳歌している平和は、外国の戦争の上に成り立ってんだよ」と。その上でこの国がどうなるのか、「もう少し見ていたい」と語っていた。あれから30年・・・、幸いな事に911のような血の代償を払う事なくゆっくりと老衰しつつあるこの国の姿は、押井監督の目にはどう映っているんでしょう。それともまだ成就していない予言なんでしょうか。