キッズ・リターンのレビュー・感想・評価
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観るたびに、きゅーん
昭和最後の、何というかこう
昭和の悪いところをギュッとまとめて
切なく包んだ?ような映画。
何度も何度も、子供に返ってしまう。
新しく物事を初めてはすぐに飽きて。
少しうまく行っても挫折すればやめてしまう。
そして・・・
それが「キッズ・リターン」
何度も始まる。子供時代。
「俺らもう終わりなんすかね」
「バカヤロウ。まだ始まっちゃいねぇよ」
莫迦で向こう見ずで大人に呆れられていた
そんな「本当に莫迦な青春」。
それを何かこうすごく上手く描かれていると思います。
でも、、リアルすぎて少し心が痛いけど。
(暴力シーンとか)
夢と現実
残酷なラスト。
世間ではこの映画を、北野武が初めて生きる希望を描いた映画だと捉えられているようだか、私にはあれほど残酷な最後はないように思えた。
あのラストを「生きる希望」と考えるのは、日本人特有の考え方なのではないか。
一人は日本チャンピオンを目指したが、悪い先輩にそそのかされて夢破れた。
一人はヤクザの親分を目指していたが夢破れた。
積み上げてきたものが、一瞬のうちに0になったのだ。
苦しみは計り知れない。
二人のこれからの人生は、辛いものになることは想像できるが、
「若ければなんでもできる」
「ダメだとわかっていてもやるべきだ」
という日本人特有の楽観的な考え方が、この映画をハッピーエンドだと捉える遠因となっている。
映画の内容は観る側の解釈によるものだから、それも決して間違えではないのだろうが。
この二人の挫折の事実を冷静に見ると、二人の人生はどん詰まりだということは誰が見ても明らかであると思う。
そんな二人がなんの根拠もなく最後に「馬鹿野郎。まだ始まっちゃいねぇよ。」と言って笑う。
なんて、切なく、悲しく、残酷な物語であろうか。
この映画から受け取るべきメッセージは、そこにあるのではないか。
「失敗してもやり直せる!」とかいうそんなくだらないメッセージではない、
「夢を見るのにはリスクがある。」
「夢が叶う人の影には夢破れる人がいる。」
というような、よりシビアで、よりリアリティのあるメッセージこそ受け取るべきであると思う。
だからこそ、リスクを冒して夢を見るのは素晴らしい。
現代の人々は簡単に「夢を持て」とか言い過ぎる。
夢を持つのはリスクがある。リスクがある以上強制されるべきものではない。
それでも夢を持ち続けることができるかを問うべきで、リスクを語らず無条件に夢を持たせるのであればそれは夢ではない。
この映画は夢ではなく現実を描いている。
正直言って、分かりません…
初映画体験
映画によって初体験することはよくある。
でも、この作品が私の事実映画初体験だった。
それまではエンターテインメント性の強い映画しか見ていなかったのかもしれない。
キッズリターンを見た時、映画の作り方なんて何もわからなかったけれど、映像、サウンド、編集、(見ていてそんなこと意識していなかったけれど)などが強烈で、こんな表現の仕方があるんだ!と衝撃だった。
その中でも静けさの中での強さ、が私にとってはとても印象的だった。監督の言う暴力シーンを撮らずに暴力だとわからせることみたいなことだとおもう。これが10代の私には最強にかっこよくて、映画こそ私の表現方法だ!なんて前のめりました。
この作品からはじまり、人間という有様を冷静に見つめる監督の視点から学んだことは多くずっと北野ファンであります。
青春
人生甘くない。
青春、人生
この作品は、若者の成功、失敗をテンポ良く描いた作品です。まず、どうしようもない不良少年2人組の内1人が、目標をもって、ボクシングに入るが、失敗して、ヤクザになり、もう1人が、ノリで、ボクシングを始めたが、才能が、あり、兄貴を超えてしまいそのままボクサーになってしまうという、皮肉な展開になりますが、これは、実際にあると思います。こういったことを得て、2人は、成功の道を歩みますが、世の中の厳しさ、自分への甘さに負けてしまい、失敗してしまいます。しかし、この映画の最後のセリフでも、あるようにまだ、終わりでは、なく、始まりなのです。人生とは、こういった失敗を通して、初めて、大人へとなる。こう言ったことを感じさせてくれました。また、これは、主人公2人だけに、視点をおいては、だめで、映画に出てくる脇役の若者達にも注目しておくと、ますます面白いとかんじさせてくれます。様々な若者の達の成功、失敗この先待ち構えて、いる人生そういったものを感じさせてくれます。今、わたしは、高校生です、こういった、人生のほろ苦さ、苦しみを味わうかもしれません。こういった面でも人生の予行練習として、見るのも面白いかもしれないと思いました。それにしても、寺島進さんと名前は、忘れたけど、親分役の俳優さんが、よかった。
どうでもいいことですが、安藤政信さんは、映画の撮影中に鼻が曲がってしまったらしく、落ち込んでいたところ北野武監督に励まされたらしいです。
素晴らしかった
たけし映画はご本人が主演を務めているとどうしてもナルシスティックな感じがして、それほど感情移入できないので、全くの他人を演出しているこの作品は程よい距離感がある。
これまで2~3度見ていて、午後ローで久しぶりに見た。安藤政信さんが最近ほど洗練されていなくて野暮ったくもあり、そこがとても初々しくてキラキラしていた。本当にまだ始まってもないと言う感じがぴったりだった。しかし、彼と親しくするとみんなロクなことにならず、運を全部無邪気に吸い取っているようにも見えた。
ヤクザはヤクザで大変そうだった。
またしばらくしたらノーカット版も見返したい。
(追記)
DVDで見返す。金子賢がスパーリングで安藤政信に何度もダウンさせれるのがつらい。その後の屋上などの安藤政信の遣る瀬無い感じがすごく切ない。
主人公の二人の他に漫才師を目指していた二人、喫茶店でウェイトレスに恋する男などが交代交代で描かれて、物語展開がプロっぽい。これまでの作品は素人が感性で作っていてそれが天才的でもあったのだけど、手練れで職人的でもある。
安藤政信がプロテストを経ないでプロになっている。敢えて省略したのだろうか。会長たちは安藤を叱るのではなく、林を出禁にすべきだ。
良かったな~♪
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