鬼畜のレビュー・感想・評価
全25件中、21~25件目を表示
岩下志麻が怖すぎる
原作 松本清張・監督 野村芳太郎・主演 緒方拳。
平成の終わりにおもいっきり昭和な映画を見たくなり鑑賞。
いやぁこれはキツかった。子供が虐げられる話はイカン。だからこそ「鬼畜」なんだろうけど。他にやりようがあっただろうと思う展開が続く。原作は昭和32年の事件を元にしたとあり、そのくらい昔ならありえるかと思ったが、昭和50年代ではなぁ…
緒方拳の演じる竹下の気弱さと鬼嫁岩下志麻の夫婦は現代でも十分にありえるリアリティ。映画の見所はこの演技だな。
難点は音楽が前時代的すぎた。一言でいえば大げさ。淡々としたBGMの方が効果的ではないかと思った。公開時には丁度良かったのかもしれないが。
色々と昭和を感じることはできたので目的は達することはできました。
子どもは見ちゃだめ
とんでもなく恐くて凄い映画だった。人間の業そのものを描いてるというか、重くのし掛かるような。
不協和音の音楽が耳に残り、緒形拳の殺意と戸惑いに満ち満ちた表情は一度見たら忘れられない。撮影当初は渥美清が役を張る予定だったというが、緒形拳の眼光は気弱な男が鬼畜に変貌していく様を完璧に表現していた。
本作は小道具と情景が印象深い。蓋の壊れたオルゴールや畳部屋に通じる階段。東京タワー、展望台、新幹線、断崖の原っぱ、禍々しい夕日など。どれも変鉄のない日常的なものだからこそより恐ろしく記憶に残る。これは川又昂の功績とも言える。小さいときに見たらきっとトラウマになって悪夢に魘されたろうな。もっと早く見たかったけど。
子どもには絶対に見せたくない映画だが、子を持ち育てる親ならば、一度は見てほしい映画。
鬼畜にも心はあるのか
愛する子どもを捨てようとするダメ男の葛藤と後悔を描いた作品。
面倒な話をこれだけわかりやすく描けるのは凄い。
ところで、赤ちゃんの口に無理やり飯を詰め込むシーンなど、
今だったら許されないような演出が多く、時代の流れを感じた。
贖罪
印刷屋を営む夫婦がいた。
ある日、夫の愛人が幼い3人の子供を押し付ける。
激昂した妻は夫に子供を処分するよう迫り…。
“子供殺し”というショッキングな題材の問題作。
今の世なら間違いなく御法度だろう。
見ていて、恐ろしく辛く悲しく苦しいが、最後は深い感動と余韻に包まれ、贖罪が込められている。
いや、今の世だからこそ逆に見て欲しい映画。
そしてこの映画から何かを感じ取って欲しい。
「砂の器」と並ぶ、野村芳太郎監督による松本清張映画の傑作。
全25件中、21~25件目を表示