北の螢

劇場公開日:

解説

明治時代、北海道開拓の先兵として強制労働を強いられた囚人たちと彼らを収容する樺戸集治監の管理者たちとの血で血を洗う葛藤、そこに集まってきた女たちの愛憎を描く。監督は「陽暉楼」の五社英雄。脚本も同作の高田宏治、撮影は「序の舞」の森田富士郎が各々担当。また、阿久悠がスーパーバイザーとして企画の段階から総合的アドバイスをしている。

1984年製作/125分/日本
原題または英題:Fireflies in the North
配給:東映
劇場公開日:1984年9月1日

あらすじ

明治十六年、開拓途上にあった北海道の道路建設のための労働力は、全国から集められた囚人によってまかなわれ、石狩平野に設けられた樺戸集治監(刑務所)では、月潟剛史が典獄(刑務所長)として君臨していた。囚人を虫けら同然に扱い“鬼の典獄”と異名をとる月潟の前にゆうという女が現われた。ゆうは、月潟の情婦・すまが女将をしている料理店にあずけられた。内務省の開拓副長官石倉が、部下の湯原、別所などを連れて視察に現われた。知事の座を狙う月潟は賄賂を包み、石倉お気に入りのゆうをその寝所に向かわせた。その見返りとしてゆうは、国事犯として捕えられている男鹿孝之進の赦免を月潟に要求した。京の祇園で芸妓をしていたとき、ゆうは政府から追われている男鹿をかくまい、やがて二人の間に愛が芽ばえたのだった。元・津軽藩士で政府に激しく抵抗する男鹿は、接見したゆうに月潟殺しを命じた。それから数日後、月潟は刺客に襲われた。看守として集治監にもぐり込んでいた元新選組副長の永倉新八らで、月潟は一命はとりとめたものの重傷を負った。内務省の命をうけて湯原が新典獄として着任した。多くの囚人を犠牲にしたことで月潟の更迭が決定したのだ。最後の仕事にと、月潟は建設中の道路の完成を急ぎ、囚人たちに更に苛酷な労働を強いた。月潟の非情なやり方に、ゆうは小刀を抜いて迫ったが、「お前に惚れた」との月潟のひと言に、上げた刀をおろすことができなかった。月潟の心がゆうに移ってしまったと知ったすまは、女衒の丸徳を道連れに石狩を離れる決心をしたが、金を盗もうとしていた酌婦の浜菊との争いで命をおとした。月潟の片腕、木藤も身受けしたせつに殺された。せつはその足で建設現場に向かい、愛する男・弥吉やその仲間たちを救出、囚人たちは視察に来た月潟とゆうを人質に脱走を図った。途中無人の農家で一夜を明かすことになった。弥吉とせつの狂ったような情事に、他の囚人のギラついたような眼はゆうに向けられた。そのとき、農家を巨大な羆が襲い、ゆうと月潟、男鹿、弥吉とせつは海をめざした。ところが、一行が海と見たのは、樺戸集治監だった。絶望から、男鹿は死んでいった。弥吉とせつは吹雪の中に消えていった。月潟は湯原を倒し次々と獄舎の扉をあけ、囚人たちを逃がした。誰もいなくなった集治監、凍りついてゆく月潟とゆうのまわりを、白い雪が螢のように舞っていた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第8回 日本アカデミー賞(1985年)

ノミネート

助演女優賞 夏木マリ
音楽賞 佐藤勝
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映画レビュー

1.0五社英雄って言えば、女の喧嘩くらいしか印象が無い。かなぁ。

2025年5月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

2.0シャイニング

2025年2月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

雪に閉ざされた閉鎖空間における人間の狂気
「es」や「パピヨン」看守よりも何でも有りの絶対的権力を持った典獄の狂乱ぶりに振り回される様を観続ける、ヘンテコリンな作品。
女優を魅せる五社作品でありながら映像が寒すぎて
岩下志麻、早乙女愛、夏木マリの美しさも半減⤵︎
豪雪の中、薄着で歩き回るリアリティの無さ
カオスな脚本、変な熊、ラストシーンも支離滅裂?
自分には理解不能なのでした。

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映爺

3.0北海道開拓模様。いろいろあったのね。 話が決定的に面白くない。とに...

2025年1月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

北海道開拓模様。いろいろあったのね。
話が決定的に面白くない。とにかくあまりに寒そう、俳優陣がお気の毒。
「太陽」以外の山さんを初めて見たかも。三田村どこに出てた?
お待ちかねシーンも今ひとつ(笑)
BS松竹東急ノーカット

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はむひろみ

3.5北海道開拓

2025年1月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

興奮

明治初期、政府は北海道開拓のために囚人を送り込んだ。
刑務所の所長(仲代達矢)は過酷で熾烈、規律を守るためには血も涙もなかった。
そこへ囚人を追いかけて女(岩下志麻)がやってくる。
雪のシーンが多く、大変だったと思うが、どれも見事だった。
森進一の「北の螢」をフルコーラスで聞くことができる。

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いやよセブン