きさらぎ無双剣

劇場公開日:

解説

五味康祐原作・京都新聞連載「如月剣士」より「旗本退屈男 謎の珊瑚屋敷」の結束信二が脚色、「地獄の底をぶち破れ」の佐々木康が監督した剣豪篇。撮影は「ひばりのおしゃれ狂女」の鷲尾元也。

1962年製作/93分/日本
配給:東映
劇場公開日:1962年4月8日

ストーリー

尾張藩江戸上屋敷では尾張大納言継友を中心に、家老大道寺駿河守、作事奉行柳沢備後守らが材木商備前屋藤兵衛の寮で開かれる一通の書状を囲んで密議をこらしていた。それには尾張を中心とする将軍家覆滅に加担する幕閣のお歴々の名が記されてあった。その密議を盗み聞きした女中の志乃は捕えられ檻禁された。柳沢は背後関係を狙って志乃の養父源兵衛の店に刺客を送った。だがその店の居候で道楽旗本の高田左近に追っ払われてしまった。その頃、大岡越前守の特命をうけて神田の悠之吉は、竜胆月之介を迎えに江戸を旅発った。月之介とは、将軍吉宗の親友で、播州三日月城主森安芸守である。二人の江戸への道中をつける一人の男、剣鬼蒲生鉄閑の姿があった。江戸では、老中大和守を中心に越前守、立花隼人正が、尾張藩の野望を阻止せんとしていた。いよいよ備前屋の寮での会合の日、陰謀派の中に越前守、隼人正が忍びこんだ。尾張藩の用心棒として雇われた蒲生鉄閑がこれを見破り、激しい立廻りが展開された。この時、お志乃を救助した月之介と悠之吉が現われ五人はこの過中から無事逃れ去った。志乃とは月之介の密命を帯びた隠密だった。尾張と手を組んでいる老中和泉守は、剣客達や浪人どもを、小伝馬町牢内へ囚人としてぞくぞくと送りこんだ。暴動を起させ、江戸市中を混乱に落し入れてから別働隊が江戸城を襲うという計画である。それを知った越前守、月之介、左近、隼人正らは、江戸の要所と、小伝馬町に輩下を散らした。だが、暴動は予定の時刻に持上った。各所で戦が展開された。しかし、この決戦も正義の刃を振るう、月之介達の勝利に終った。鉄閑も月之介のきさらぎ剣に倒れた。暴動は僅少の被害のうちに収められ、一味は全員捕えられた。それから数日後、平和な江戸を後にする月之介の後姿があった。

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