喜劇 百点満点
劇場公開日:1976年10月2日
解説
現代社会の一つの象徴と縮図である予備校を舞台にした、笑いと涙の人生コメディ。昭和11年、芸能界に第一歩を踏み出して以来、今日まで映画、演劇、テレビ、ラジオ、レコードと幅広く活躍してきた森繁久彌の芸能生活四〇周年記念映画である。脚本は高橋玄洋と監督も兼任の松林宗恵、監督の松林宗恵は、社長シリーズなど一連の森繁喜劇を二十一本撮ったベテラン。撮影は「挽歌(1976)」の村井博がそれぞれ担当。
1976年製作/94分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1976年10月2日
ストーリー
人生意気に感ずる生き方を身上とするのがこの映画の主人公、北上大三である。彼は、東京の代々木駅にほど近いとある場所に予備校を開設して、自ら学長に納まっている。だが、彼の仕事といえば生徒の事故処理ぐらいで、どうやら実権は理事長の磯貝あきと事務局長の末春に握られているようだ。もともと、この土地は大三がスーパーマーケットを開こうと思っていた所で、いまも彼はその夢が捨てきれない。さて、その北新予備校も開校一年目を迎えて、いよいよ総決算ともいうべき大学受験のシーズンとなった。いままでは順風満帆、生徒は押すな押すなの大繁盛。今年も東大を狙う十数年浪人の西原啓作から、ハーレーを乗り廻す田舎の大金持ちの息子、原口康太郎までにぎやかな顔ぶれが揃っている。それというのも、美川講師以下、講師陣にスターを揃えた結果のようだ。しかし、大三には一抹の不安があった。それは、彼らが無理矢理集めた花形講師ばかりなので、誰ひとり親身になって講義をしていないことだった。国立一期校の合格発表の日。そんな大三の不安が現実となって現われた。現場からのトランシーバーの連絡は、「桜散る」ばかり。遂に、北新陣は全滅した。合格者の名札につける赤いバラの花が、空しく机の上に積まれたままだった。大三は意を決して、いよいよ陣頭に立って生徒たちの身上相談をすることにした。だが、どうもうまくゆかない。生徒たちからからかわれるばかりだった。大三は古い人間なのだ。彼の息子の洋平は、実は戦友の忘れ形見であった。その洋平は、生徒たちのあこがれの的のスチュワーデス、静子と婚約した。娘の宏子には、軟派の大学生、早川がとりついている。いまや大三にとって、事業と家庭の両方から大きな波が近づいている。そして、早・慶を始めとする私立大学の合格発表の日がいよいよ近づいてきた……。
スタッフ・キャスト
-
北上大三森繁久彌
-
北上信子浜木綿子
-
北上洋平黒沢年雄
-
北上宏子榊原るみ
-
磯貝あき淡島千景
-
磯貝末春フランキー堺
-
美川講師西村晃
-
大杉老人小鹿番
-
須川久夫石見栄
-
浅田峰子永野裕紀子
-
松原荒木将久
-
石岡藤村有弘
-
戸成牟田悌三
-
太田谷村昌彦
-
原口康太郎草刈正雄
-
原口康衛門伴淳三郎
-
原口さと春川ますみ
-
西原啓作三木のり平
-
西原静子坂口良子
-
早川良夫堀内正美
-
青木律子池上季実子
-
末永朝倉隆
-
吉川若井俊治
-
赤石今村広則
-
津田伊藤敏孝
-
倉田岡本信人
-
林三木のり一
-
河口時子研ナオコ
-
学生堺正章
-
福島幸三藤岡琢也
-
福島秋子和田アキ子
-
鈴木一小島三児
-
東田かおり瞳順子
-
染子赤木美絵
-
本屋主人高橋玄洋
-
女房赤木春恵
-
警察官三上真一郎
-
看護婦山岡久乃
-
病院の医者竹脇無我
-
料亭の仲居前沢保美
-
岡山左とん平
-
熊平巡査松山英太郎
-
佐木和子栗原小巻
-
絹代新珠三千代
-
杖の老人有島一郎
-
野口暢雄小林桂樹