「「おい、ぼうず」から「坊や、ありがとな」」菊次郎の夏 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
「おい、ぼうず」から「坊や、ありがとな」
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映画「菊次郎の夏」(北野武監督)から。
「ばかやろう」とか「てめぇ」とか、乱暴な言葉で
相手を威嚇してきた遊び人の主人公と、母親を探す小学生、
不釣り合いなふたりが繰り広げる一夏の冒険に違いないが、
気になる台詞をメモしていて気がついたのは、
北野武さん扮する菊次郎が口にする、子どもに対する呼び方。
旅の最初から途中までは、ずっと「おい、ぼうず」。(坊主)
それが、辛く哀しい経験をしていくにつれて「坊や」に変わる。
小学生が探していた母親が、あまりに幸せそうだった場面、
「人違いだった」と嘘をつきながら、引き返すシーンや
浜辺をてをしっかり握りゆっくり歩くシーンに、涙腺は緩んだ。
そして、お祭りで悪いことをして殴られ血だらけになった主人公の顔を、
小学生が、走り回って見つけた薬屋で買ったガーゼ等で、
丁寧に拭き取るシーンでの台詞「坊や、ありがとな」で最高潮に達し、
これ以後「坊や」と呼ぶシーンが増えた気がする。
この変化、きっと意識的だろう。
主人公・菊次郎の心の変化が、こんなところに表現されているとすれば、
メモが役にたったこと喜びたい。
「おじいちゃんの名前なんていうの?」という問いに
「菊次郎だよ」の会話で「ぷっ」と吹き出し笑いするラストシーン。
何か意味がありそうだなぁ。
P.S.
「競輪で6-3配当17,660円」を当てた時だけは「坊や」だったかも。(笑)
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