菊次郎の夏のレビュー・感想・評価
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映画というのは映像ですね
伊丹十三以来寅次郎以外の邦画は全く観ていませんでしたが、あの有名なピアノ曲の映画だと知ったので観てみたところちょっとビックリしました。
ビート君はManzai以来40年以上の付き合いですが、本当に彼が作った映画ですか?
セリフが極端に少なく専ら映像だけで抒情を体感させる表現力は天才的としか言いようがありません。
体を張ったネタの数々は風雲城や元気が出るTV辺りを懐かしく思い出させますが、一つ一つのギャグが浮いてしまうことなく作品全体によく馴染み且つ情感を盛り上げてさえいます。
映画は、ストーリー性やテーマ性より映像が優先されるべき、と改めて感じ入りました。
後半はコメディ色が強すぎて、ちょっとついて行けなくなったが、ラスト...
後半はコメディ色が強すぎて、ちょっとついて行けなくなったが、ラストシーンが良かった。子供の頃の夏休みを思い出して懐かしくなった。
笑えて、ホッコリ
章仕立てになってて、それぞれにタイトルが付いてます。
毎回コントが仕込まれてて、笑いながらホッコリしながら進んでいきます。
ヒューマン・コメディって感じ。
ラスト30分前ぐらいの、グレート義太夫さん、井手らっきょさん、のコントがバラエティみたいになって、安っぽくなった…
それまでは良かったんだけど…
それで台無し…
それが無かったら、もっと評価いいです。
惜しい…
残念…
珍しくビートきよしさんが出てきたのは嬉しかった(笑)
笑えてホッコリできて、元気ない方は元気が出るような映画だと思います。
ラストのやり取りは名シーンだと思う
たけし演じる男と遠方の母に会おうとする近所の子供との旅ストーリー。何だかんだ面倒を見つつお互い傷つきながら絆を深めて行く。ぶっきらぼうながら子供のために一生懸命な男、そしてそれを見せまいとする不器用さ、そしてラストのやり取り。男なりに己の人生と向き合って行く様でした。
人気の無い物悲しい田舎風景と音楽、懐かしさを思わせる良い映画でした。
ただ確かに途中から旅の目的なくなりダレますね・・
ヤクザな中年男の優しさを視つけるロード・ムービー
夏休みにどこにも行けない一人ぼっちの少年を慰めるべく孤軍奮闘するヤクザな中年男菊次郎の優しさを視つけるロード・ムービー。単純なストーリーの大筋だけの創作動機に、即興的な演出を試みて、その積み重ねで面白さが表現できないかと出来上がったような映画。そのところどころに、北野監督の人間性が溢れ、心優しい気持ちになって観てしまう。相変わらずの、場面展開やシークエンスの切り方にある独特なタッチと決め過ぎない構図で、北野監督らしいシーンが楽しめる。残るは、そこから感動を与えられるかの最後の決めであろう。
菊次郎は形を変えて現れた救世主だったのかも知れません
処女作は他人の脚本、急遽監督として撮ったもの
第2作、3-4x 10月は、監督として撮りたいことのショーケース兼実験作
第3作、あの夏、いちばん静かだった海
第4作、ソナチネ
第5作、みんな〜やってるか!
第6作、キッズ・リターン
第7作、HANA-BI
ここまでは、第2作の3-4x 10月でやってみせたショーケース的な要素をそれぞれ展開した作品だったように思います
本作は、いよいよ北野武監督が初めて取り組む要素に挑戦している作品だと思います
子役を使って、人間性と成長の物語を自分が語れるのか、監督が自分へ挑戦をしているのだと思います
成功したと思います
久石譲の音楽をどう使うかまで最初の構想に入れて注文していたそうです
正男の見る二つの悪夢のシーンは特に心に残る素晴らしいシーンでした
麿赤兒の素晴らしい舞踏、美しい幻想的なセットと照明と撮影
ため息がでました
天狗のダンスも見事でした
正男と菊次郎の二人共に旅を終えて成長して、何かが変わっています
ロードムービーとしての本質を見事に達成していたと思います
正男の青いナップザックには天使の羽の飾りが付いています
ラストシーンで隅田川の橋を走って渡る正男の背中にあり天使が飛び立とうと走っているかのようです
旅で貰った天使の鈴が音を立てています
ちいさくとも教会の鐘です
彼の悲しい気持ち、寂しい気持ちは、救われて天上に登って行ったのです
菊次郎は形を変えて現れた救世主だったのかも知れません
素直に感動しました
おじさんと少年の“ひと夏の冒険”!
KBS京都「新春シアタースペシャル」を録画して鑑賞。
展開が読める…言い方を変えれば王道。それ以上でも以下でも無い作品だなと思いました。特にめちゃくちゃ感動するということもありませんでした。
久石譲の音楽の力は絶大。
それと、“キタノブルー”の美しさも…。
名作なんじゃないかと錯覚させる効果がすごい(笑)
憧れる
なんともないシーンに思えるところも夏休みを思い出させてくれます。ただ面白いシーンだけを撮った映画より共感もしやすく惹かれていきます。
この映画の出来事は、普通にある事に少し特別感がプラスされていて憧れると共に心が揺さぶられます。
「正男の夏」じゃなくて、『菊次郎の夏』
ひと夏の出来事。
会ったことのない母に会いに行く。
ちゃんと祖母に確認しなくていいのか?とか、あまりにも無計画で傍若無人な旅に、あきれ、つっこみを入れつつ、ああ、ひょうきん族のノリ?要所要所で、関りになる人が、”芸”を披露してくれて、”浅草芸人”のお披露目のように見えてしまう。
そんな、ちょっと飽きてきたところに、旅の目的の場面があり、ほろっとしたところで、後半。さらにグダグダな展開が続く。
こう書くと目も当てられないような映画に見える
(実際、はまる人ははまるだろうが、万人受けする映画ではない)が、
麿氏演じる怪人が出てくる夢の部分は見事だし(うなされそう)、
トラックの運転手との乱闘は見事だし、
夜のバス停の場面はそれだけで絵になるし、
正男の母との場面、菊次郎の母との場面は、胸をきゅっとつかまれる。
そして、グダグダな(笑)が続く後半。正男の楽しそうな顔。
祖母の愛に包まれて大切に育てられていることは、着ている服とか言動からもわかるが、こんな風に自分が中心で大人たちからかまわれたことなんかないんだろうな。
触法しているだろという出来事も含めて、絶対に保護者=祖母とは経験できない”男”?のひと夏の出来事。正男にとっては決して忘れられない夏の思い出。
そんな風景が、久石氏の音楽、特に無音で包まれる。
とはいうものの、「正男の夏」ではなくて、『菊次郎の夏』。
子どものお守りを押し付けられ、何とかしてやりたいという気持ちはあるものの、子どもの扱い方を知らない菊次郎。
そんな菊次郎が、正男を通して、子どもの頃から引きずるいろいろな思いを昇華したのかな。正男以上に、菊次郎にとって忘れえぬ夏になったのだろう。
呼び方が「ボウズ」から「ぼうや」になった点が、とくにそう呼び方を変えたくなると凡人には思えないエピソード(他にそれらしい意味づけをしやすいエピソードはあるのに)なので、失礼ながら、編集・記録・脚本のミスか?とも思ってしまうが、きっとなにか意味づけはあるのだろう。
そんな風に見直すと、いろいろな場面が愛おしくなる。
妙に間延びした展開すら、夏の暑さにうだる様、畑や浜に渡る風を表しているよう。
ジャームッシュ
ロード・ムービーだけど、それぞれの構図が全く面白くない。少年正男の絵日記もそうだが、全て記念写真風な構図。これはジム・ジャームッシュ風と言えなくもないが、カンヌを意識しすぎて失敗しているとも思える。漫才師としてのタケシ色を出しすぎているせいかもしれない。まだまだ色んな作風にチャレンジする北野武監督の姿勢だけは評価できそうだ。
後半、母親を見かけてからは、井出らっきょとグレート義太夫が目立ちすぎ。海外の人は楽しめるかもしれないが、日本人が見るとどうしてもたけし軍団のバラエティ番組に見えてしまう。「正男少年のたけし軍団入門日記」と位置付けるなら、また別の映画として楽しめるかもしれないのだが・・・
ぼくとおじさんの夏休み
思い出しレビュー41本目。
『菊次郎の夏』
母親を捜す少年と彼に同行する事になった中年男のひと夏の旅。
北野武がバイオレンスを排して描く、心温まるロードムービー。
子供一人じゃ危険だからと、近所のおばちゃんが自分の旦那を付き添わせてくれたんだけど、この男の方こそ問題児。
旅費を早速競馬に使っちゃうわ、無責任だわ、元ヤクザなのかどうか分からないけど、全然優しくないし、口も悪いし。
先行き不安…。
旅はシュール。
目的の傍ら、皆で遊んでいるのだ。
少年も、男も、出会った人たちも。
それぞれ、あの日の夏休みのように。
母親の居場所が分かった。
が…。
落ち込む少年に男は同情する。
男と全く同じなのだ。男もまたそうだったのだ。
男は少年を励ます。
ちょっとバカやってしまった男を、少年が気遣う。
いつの間にか愛情が芽生えていた。
「ぼうず」とぶっきらぼうな呼び方が「坊や」に。
旅が終わって別れる際、「おばあちゃん、大事にしろよな」と抱き寄せる。
最後の最後に名前を聞かれ、はにかみながら答える菊次郎。
二人のひと夏の旅は終わってみれば、優しく、温かく、大切なものになった。
順番が問題か?
予告編を見ると、楽しく過ごし、悲しいこともあり、最後はしんみりという展開になってます。
なぜか本編は悲しいことが早めに来すぎちゃって、あとのおふざけが強く感じられちゃいました。
タケシ軍団・・・
母に会うために夏休みに旅にでる小学生と、
それに付き添う見ず知らずの大人(タケシ)とのロードムービー。
暗い境遇を持つ小学生に赤の他人がどこまで踏み込めるのか
という部分で、もう一歩踏み込んでほしかった。
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