菊次郎の夏

劇場公開日:

解説

遊び人の中年男と母親を探す小学生、不釣り合いなふたりが繰り広げる一夏の冒険を描いたロードムービー。監督・脚本は「HANAーBI」の北野武。撮影を柳島克己が担当している。主演は、「残侠」のビートたけしと映画初出演の子役・関口雄介。99年度カンヌ国際映画祭正式出品作品。

1999年製作/121分/日本
配給:日本ヘラルド=オフィス北野
劇場公開日:1999年6月5日

ストーリー

幼い頃に父親を亡くし、今はおばあちゃんとふたりで浅草に暮らしている小学校3年生の正男にとって、夏休みはそんなに楽しいものではなかった。学校の友達はみんな家族で旅行に出かけてしまうし、サッカークラブもお休み、おばあちゃんも仕事で昼間は家にいないのだ。そんな時、彼は遠くの町にいるお母さんに会いに行く決心をする。絵日記と宿題と僅かな小遣いをリュックに詰めて、家を飛び出した正男。そんな彼の気持ちを知った近所のおばさんが、夫で遊び人の菊次郎を同行させることにした。目指すは愛知県豊橋市。ところが、根っからの遊び人の菊次郎は競輪場に寄り道したり、タクシーを盗んだり、トラックの運ちゃんとトラブルを起こしたり、ホテルの人たちに迷惑をかけたりと、行き当たりばったりの旅を展開。それでも、ふたりは漸く正男の母親の住む家を見つけだすのだった。しかし、正男の母親は既にそこで違う家庭を築いていた。幸せそうな母親一家を見て落ち込む正男。そんな彼に、菊次郎は二人組のバイカーから奪い取った天使の鈴を渡し、「お母さんはもう別のところに引っ越してしまい、正男が来たらこれを渡してくれと言っていた」と精一杯慰めるのであった。さて、東京へ帰ることになった菊次郎と正男。ふたりはその道々、知り合ったバイカーたちや作家志望の青年とキャンプをして、楽しい時間を過ごすことにした。大人であることを忘れてはしゃぎ回る菊次郎。だが、そんな彼にもひとつ気になることがあった。それは、近くの老人ホームに入院している母親のことだった。ホームをこっそり訪ねる菊次郎。しかし、彼は老いた母親に声をかけられなかった_。夏も終わりが近づき、菊次郎と正男は浅草に帰ってきた。別れ際、菊次郎は「またお母さんを探しに行こう」と正男と約束する。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第23回 日本アカデミー賞(2000年)

受賞

助演女優賞 岸本加世子
音楽賞 久石譲

ノミネート

作品賞  

第52回 カンヌ国際映画祭(1999年)

出品

コンペティション部門
出品作品 北野武
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映画レビュー

3.0『正男の夏』ではなく、『菊次郎の夏』。

2024年11月10日
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鑑賞方法:DVD/BD
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すっかん

4.0あの曲って菊次郎の夏のテーマ曲だってこと忘れてた

2024年7月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

悲しい

楽しい

監督と脚本は『その男、凶暴につき』『3-4x10月』『あの夏、いちばん静かな海』『ソナチネ』『みんな~やってるか!』の北野武

1999年カンヌ出品作品
少し悲しいコメディー映画
映画.comではオールタイムベストに選ばれていないがそのなかでの北野作品ではわりと好きな方

粗筋
母に会うため東京から豊橋まで旅をする少年正男と保護者として付き添う赤の他人の中年男性菊次郎のロードムービー
妻から5万円を渡され新幹線で行けばいいのに競輪でスってしまう菊次郎
なんやかんやでヒッチハイクで豊橋を目指すハメに
なんとか着いてはみたが正男の母は前夫の死別後に正男を祖母に預け豊橋で再婚し娘がいた
正男は母に捨てられたのだった

絵日記風に
おばあちゃんの友達
こわいおじさん
へんなおじさん
だめだった
天使の鈴
おじちゃんが遊んでくれた
階段から落ちたおじちゃん
タコ男
サヨナラ
の構成

好きな場面
妻にディスられ菊次郎がVサインするシーン
菊次郎が少年たちからカツアゲし始め妻に叱られるシーン
かなづちの菊次郎がプールで佐清の如く溺れるシーン
バス停のビートきよし
大型トラックとピックアップトラックのロングショット
細川ふみえのジャグリング
井手らっきょのスイカ2号

ちょっとした隠し芸大会の雰囲気も

母と悲しい出会いと別れ
その後は縁日でハッスルしすぎてヤクザにボコボコにされる菊次郎
今回はマシンガンをぶっ放したりするバイオレンス映画ではない

小説家志望の男のアドバイスでサマーキャンプをすることに
暇なデブとハゲも加わりコント要素高まる
これは好みが分かれるところ
自分は好き
裸芸は笑いの原点であり引きこもった天照大神を外に出し闇から光の世界に戻すことに貢献したアメノウズメの生まれ変わりが井手らっきょ氏ではなかろうか
人を笑わせる仕事は素晴らしい
テレビで苦虫を潰して政治を語る評論家よりよっぽど必要性が高い少なくとも自分にとっては

麿赤兒がずいぶん酷い扱い
夢の中では本領発揮

配役
不良中年の菊次郎にビートたけし
菊次郎と一緒に豊橋に住む母に会いに行く正男に関口雄介
正男の祖母と親しい菊次郎の妻に岸本加世子
バイクの男にグレート義太夫
バイクの男の友人に井手らっきょ
怖いおじさんに麿赤兒
正男の母に大家由祐子
車のカップルの女に細川ふみえ
車のカップルの男に黒須洋壬
ヤクザの幹部に関根大学
ヤクザに田中要次
ヤクザに稲宮誠
ヤクザに村澤寿彦
小説家志望の男に今村ねずみ
バス停の男にビートキヨシ
テキ屋(射的)に諏訪太朗
テキ屋(金魚すくい)に江端英久
グランドの管理人に徳永邦治
喫茶店でタップダンスをする店員に舘形比呂
喫茶店でタップダンスをする店員に瀬下尚人
ホテルの支配人に右近良之
天狗に橋本拓也
天狗に石坂勇
ホステスに小島可奈子
ホステスに永田杏子
ホステスにつかもと友希
ホステスに小林恵美
ホステスに大葉ふゆ
ホステスに安井祐子
正男の友達に荒井賢太
正男の祖母に吉行和子

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野川新栄

3.5よかった

2024年6月24日
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吉泉知彦

5.0映画というのは映像ですね

2024年2月19日
PCから投稿

伊丹十三以来寅次郎以外の邦画は全く観ていませんでしたが、あの有名なピアノ曲の映画だと知ったので観てみたところちょっとビックリしました。

ビート君はManzai以来40年以上の付き合いですが、本当に彼が作った映画ですか?
セリフが極端に少なく専ら映像だけで抒情を体感させる表現力は天才的としか言いようがありません。

体を張ったネタの数々は風雲城や元気が出るTV辺りを懐かしく思い出させますが、一つ一つのギャグが浮いてしまうことなく作品全体によく馴染み且つ情感を盛り上げてさえいます。

映画は、ストーリー性やテーマ性より映像が優先されるべき、と改めて感じ入りました。

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越後屋

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