「公開からもう30年経ちますが、全く色褪せない特撮映画を超えた日本映画の傑作ですね。」ガメラ 大怪獣空中決戦 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
公開からもう30年経ちますが、全く色褪せない特撮映画を超えた日本映画の傑作ですね。
新文芸坐さんにて「新春平成ガメラ4Kまつり三部作一挙上映!」『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』(1999)を3作品連続鑑賞。
『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)
幼少期に鑑賞した『宇宙怪獣ガメラ』(1980)が過去のアーカイブを使用したかなりお子様向け作品だったため、本作の製作が決定した際も過度な期待は無かったのですが、予告編を観てあまりの出来の良さに度肝を抜かれ劇場に駆け込んだ記憶がありますね。
平成ゴジラシリーズも『vsビオランテ』(1989)のリアリティ路線から軌道修正、大仰なSF要素がより濃くなった時期で、ギャオスとガメラが文明の発達したアトランティス大陸の古代人が生み出した人工生命体という設定が、高速回転で空を飛んでも説得力十分で大人の鑑賞に堪える怪獣映画に昇華、『うる星やつら』『機動警察パトレイバー』でも才能を発揮した伊藤和典氏の脚本が秀逸でしたね。
本編パートの演出も特に日本テレビの現役キャスター、アナウンサーが実在のニュース同様に原稿を読み上げる様が真実味をおびて良く、特撮パートも屋外のオープンセットで撮影しているのでアオリでの巨大感や、自然光を取り入れて抜けのいい空気感が『ゴジラ』シリーズと比べて新鮮な驚きでしたね。
公開からもう30年経ちますが、全く色褪せない特撮映画を超えた日本映画の傑作ですね。
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