劇場公開日 1965年11月27日

「広島・長崎の被爆経験があったにも関わらず、ガメラへの核攻撃を依頼する設定には…」大怪獣ガメラ KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0広島・長崎の被爆経験があったにも関わらず、ガメラへの核攻撃を依頼する設定には…

2025年5月7日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

約10万人都市の私の故郷に、
現在はただの1館の映画館も存在しない
のだけれども、私の子供の頃は、
かつては5館もあったし、
大映専門の映画館も存在する位に
映画は大きなウエイトを占める娯楽だった。

その大映専門の映画館で、
旧ガメラ3部作を子供料金50円で観たのが、
私のガメラ映画との最初の出会いだったと
記憶している。
今回はそれ以来の約半世紀ぶりの鑑賞だが、
子供の頃は、東宝のゴジラシリーズと共に、
ただただその特撮に目を見張って
観ていたのだろう。

子供心には、ゴジラシリーズでも
そんな認識は無かったと思うが、
核の影響でゴジラもガメラも目を覚まし
国土を破壊するとの設定は、
改めて、広島・長崎の被爆を経験した
当時の日本人にとっての核に対する恐怖心を
背景としたものであったものと想像された
ものの、国内でのガメラに対する核攻撃を
米軍に依頼しようとする
アンバランスな筋立てには疑問を抱いた。

また、冒頭での米国戦闘機による
某東側盟主国のものとしか想像出来ない
核爆弾搭載機撃墜は、
当時の東西冷戦の匂いを強く漂わせる一方、
最後の対ガメラ作戦では、何故か
米ソを含む科学者の協力シーンが出て来て、
ここでも一貫性の欠如を感じた。

しかし、あるいは、
この軍事的強大国家同士が手を握る設定は、
怪獣や異星人の侵略という
地球規模の危機があった時には
あり得て欲しいという微かな期待のシーン
だったのだろうか。

KENZO一級建築士事務所
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