「轟天号出撃せよ」海底軍艦 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
轟天号出撃せよ
DVDで3回目の鑑賞。
原作は既読。
タイトルがシンプル・イズ・ザ・ベストのカッコ良さで心底たまらない。男子の琴線を揺さぶって来る。無条件に興奮してしまうのはオタクの性である。お許しを…
轟天号のデザインもこれまた最高。小松崎茂氏は神様だ。その雄姿はまさに「人類最後の希望」に相応しい。ドリルとは男の子の永遠の浪漫なのだと改めて感じた。
神宮司大佐の存在感も出色。終戦を迎えても尚、彼の戦争は終わっていなかった。戦争に人生を狂わされた犠牲者と言えるキャラを熱演する田崎潤の演技に、心底魅せられた。
苦悩の末、滅亡の淵に立たされた人類とムウ帝国に誘拐された愛娘を救うため勇躍出撃。圧倒的指揮で敵を粉砕する。まさに武士道、葉隠の精神だ(葉隠の使い方、合っている?)。
轟天号とマンダとの戦いや、ラストのムウ帝国大爆発もすごいが、個人的に推したいのが、ムウ帝国の地震攻撃によって壊滅する東京丸の内のシーンだ。オフィス街が陥没して崩れ落ちていく様が大迫力。円谷英二特技監督による創意と工夫に満ちたシーンの数々はやはり色褪せない。
[余談1]
ムウ帝国工作隊23号の「ムウ帝国」の発音、耳にこびりつかないだろうか。独特なセンテンスの切り方と云うか、どう表現したらいいかの分からないが、なんだか変わっていた。
[余談2]
小学生の頃に原作を読んだが、ムウ帝国もマンダも、影も形も無かった。昔ながらの海洋冒険奇譚を、めちゃくちゃ脚色して完成させたことが分かり、恐れ入った。
ちなみに押川春浪は、2019年に放送のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」に登場して驚いた。まさか天狗倶楽部の一員だったとはなぁ…
[以降の鑑賞記録]
2020/10/10:Amazon Prime Video
2020/10/17:Blu-ray
※修正(2025/01/12)