女の賭場
劇場公開日:1966年11月26日
解説
青山光二の原案を、「ごんたくれ」の直居欽哉と服部佳が共同でシナリオ化し、「若親分あばれ飛車」の田中重雄が監督したやくざもの。撮影は「赤い天使」の小林節雄。
1966年製作/84分/日本
配給:大映
劇場公開日:1966年11月26日
ストーリー
関東一円の親分衆を集めた盛大な手本引き花会で、名人と言われる沢井辰造が胴師をつとめたが、香取組代貸立花鉄次にイカサマを見破られ、自殺した。辰造の娘アキは、それを聞いて、自分も父の血を引いて胴師としては一人前の腕を持っていたのだが、二度と花札は手にすまいと決心した。アキには堅気の恋人守屋俊夫がいたし、父の残した小料理屋があった。一方、立花は押しの強い性格もあって、次第に頭角を現わし、立花組を組織し、勢力範囲も広がる一方だったが、彼はアキの美しさに惹かれて、自分の賭場の胴師になるように誘った。アキは、勿論、きっぱりと拒絶した。だが、アキのそんな心を知らないかのように弟の広志はやくざの世界に憧れ、毎日のように立花組に出入りしている。ところが、広志はそのうちに、父辰造のイカサマは、立花が辰造の相棒塚田に仕組ませた罠だったことを知った。秘密を知られた立花は塚田を殺し、広志をも狙ったが、広志はようやくのことで逃げ帰るとアキに知らせた。その日から、アキは辰造の子分だった政吉を相手に厳しい花札の稽古を始めた。父辰造の仇は賭場で討とうというのである。折りも折り、鎌倉の寺で侠勇会初代追善法要の花会で、アキが胴師をつとめることになった。やがて、その花会の日、多勢の親分衆の前で勝負が進んでいく。アキの指の動きを立花が食い入るように見つめている。アキの目が誘うようにきらりと光った時、“待った!”の声が立花からかかった。しかし、改められた札には何のイカサマもなかった。アキは立花に“父と同じように責任をとって頂きましょう”と言い放つと、山門を出た。そこには、総てを知って駆けつけた守屋がいた。