俺は死なないぜ
劇場公開日:1961年6月25日
解説
菊村到の『夜生きるもの』を、「胸の中の火」の原源一が脚色し、「処刑前夜」の滝沢英輔が監督したアクション・ドラマ。撮影は「有難や節 あゝ有難や有難や」の岩佐一泉。
1961年製作/79分/日本
原題または英題:I Refuse to Die
配給:日活
劇場公開日:1961年6月25日
ストーリー
東京駅の中央改札口。楽器ケースをかかえこんだ数人の男がたたずでいた。彼らはエキストラ・バンドマンと呼ばれ、ここに集ってはマネジャーからその日の仕事を貰うのだ。利根洋二もその一人だった。キャバレーの仕事をもらい、仕事場に向う途中、彼は義妹の弓子から父の急死を知らされた。幼い頃母を失い、父の再婚に嫌気がさして家出していた洋二だが、やはり父の死はショックだった。父の研作は銀座のバー“ジプシー”につとめる俊子という女給と熱海に泊った夜死んだという。死因はポックリ病ということだ。洋二は熱海の黒磯亭をたずねた。番頭や女中から、父の死について口止めされている気配を彼は感じた。翌日、兄の喬一を訪ねた洋二は、かつて父の関係していた事件で、松原という男が死んだことを聞いた。その一人娘ルリ子の引越し先をたずねた洋二は、そこで俊子に会った。やがて洋二はルリ子が俊子と同一人物であるのを知った。彼は赤坂のナイトクラブで、半年前までは喬一の妻の義姉だった令子と名のるコールーガールに会った。洋二は彼女のアパートに向う途中、数人の男に襲われ、崖の上から転落した。令子はポックリ病で死んだ。崖から突落されたはずの洋二は、熱海でギターを弾いていた。数日後、ある男から俊子が星丸の女だと聞いた。星丸が元締でときどき黒磯亭に鉄火場を開き、荒稼ぎしていること、父も実は殺されたことなどであった。その男は星丸にペイ患者にさせられ、捨てられたことを恨んでいたのだ。今度、箱根の緑ホテルで鉄火場が開かれるとも聞いた。その夜、星丸の許を抜け出して俊子が来た。父を殺したのは星丸で、カモフラージュのため使われたと彼女は言った。洋二は箱根へ飛び、早射ちで星丸を倒した。その頃、“ジプシー”では洋二の帰りを待って俊子が門口にたたずんでいた。