劇場公開日 1971年1月15日

「【寅さんの王道パターンに故郷の大切さを盛り込んだ作品。若き宮本信子さんや森繁久彌さんの登場も嬉しき作品である。ラスト、さくらがプラットフォームで見送る中、寅さんが電車で帰るシーンも良き作品である。】」男はつらいよ 純情篇 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【寅さんの王道パターンに故郷の大切さを盛り込んだ作品。若き宮本信子さんや森繁久彌さんの登場も嬉しき作品である。ラスト、さくらがプラットフォームで見送る中、寅さんが電車で帰るシーンも良き作品である。】

2024年5月15日
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■五島列島で男と駆け落ちしながらも、故郷に帰って来た絹代(宮本信子)を優しく宿に泊める寅さん。そして絹代の実家の父(森繁久彌)の娘への叱責。”何時までも故郷があると思うな!”と言う言葉を聞く寅。
 躊躇いながら柴又へ帰ってきた寅次郎は、とらやに下宿中のおばちゃんの遠い親戚・夕子(若尾文子)に魅せられる。
 そんな折、彼はさくらの夫・博から仕事の独立の相談を受けるが、博の独立を止めたい梅太郎社長との板挟みになってしまう。

◆感想

・今作もいつものパターンで物語は構成されるが、巧いのは冒頭の若き宮本信子さん演じる絹代が故郷に幼き子を連れて帰るシーンである。
 娘が戻って嬉しい筈なのに森繁久彌さん演じる父が、娘に対し”お前が俺の反対を押し切って一緒になった男だ。何処か、良い所がある筈だ。お前は帰れ‼”と叱責する言葉は心に響く。
ー 序でに寅さんも、神妙にしている。変わらず、脚本が絶妙に良いのである。-

・寅さんが、柴又に帰ってからはマドンナの若尾文子さん演じる夕子に、寅さんがのぼせて・・、と言う所にさくらの夫・博の独立話を絡めてくるところも実に上手い。
ー タコ社長の子沢山の家庭が映されるのも嬉しい。-

<ラスト、寅さんが電車で帰るシーン。さくらが、寅さんが16歳の時に家を出た時のエピソードや、電車で帰る寅さんが何かを言いながらさくらに見送られるシーンも余韻が残る作品である。>

NOBU