劇場公開日 1969年8月27日

「子供のまま大人になった暑苦しい問題児」男はつらいよ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5子供のまま大人になった暑苦しい問題児

2013年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

幸せ

総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:80点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )

 邦画の中でも特に有名な作品なのに、渥美清の暑苦しい雰囲気にあまり気のりがしなくてずっと避けていた。だが第一作がBSで放送されるということで、やはり一度くらいは見ておこうかと遂に見ることにした。

 見てみるとやはり暑苦しい。彼は下品で無礼で自分勝手で周囲の人々を不快にするただの問題児でしかない。この時代ならではというのもあるのかもしれないが、お見合いの場面など見ている私も不快になった。やっぱり好きではないなと思った。
 ところがしばらく見ていると、だんだんと印象が変わってくる。少年のまま大人になったようなとても際立った人物であり、その素直な生き方と周囲を巻き込む賑やかさがうまく物語に取り入れられていたし、それを演じた渥美清は上手かった。自分とは考え方も性格も価値観も違いすぎて、こんな人が近くにいると嫌だし暑苦しいという評価は変わらない。だから何度もこんな暑苦しさを見たいとも思わない。でも一度くらいはこんな暑苦しさを体験するのは悪くないかと思った。

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Cape God