王立宇宙軍 オネアミスの翼のレビュー・感想・評価
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“軍”だけど軍隊じゃない
てっきり宇宙軍が何者かと戦う内容だと思っていたら、『ファースト・マン』(2018)のように人類初の宇宙ロケットを発射する清々しい物語だった。
独創的な世界観。音楽的(坂本龍一)にはアラビア半島風のクライマックス。どこの国をイメージしているのか考えながら観てましたが、風刺も交えつつ完全な異世界を表現していた。史上初の有人ロケット計画。成功されては困る国がいっぱいあって、結局は軍事目的に利用しようとしている思惑が隠れていた。オネアミス国でも軍隊はあるが、宇宙軍とは名ばかりで、まじめに宇宙ロケットの開発をしている団体。戦闘機は各国保有しているみたいだし、人工衛星はちゃんと打ち上げられてるという世界観だ。
とにかくゆるい宇宙軍。宗教少女と仲良くなった主人公シロツグは一人乗り宇宙戦艦乗組員に立候補する。戦艦といっても武器など何もない、普通のロケットだ。世の中にはそれほど関心のなかったシロツグだったが、貧困層の人たちにも目を向けるようになったり、宗教、戦争の歴史でもある人類史についてとか、成長していく過程も面白い。果たして彼は異世界のアームストロングになることができるのか?!
作り手の意思をビシビシ感じる意欲作!
架空の王国「オネアミス」を舞台に、史上初の宇宙飛行に挑む若者たちの挑戦を描く。
作画監督を務めたのは、アニメーターとして活躍していた若き日の天才・庵野秀明。
今やアニメ界を牽引する存在になったクリエイターたちが、まだ20代の頃に作った作品。
宇宙飛行に挑もうとする登場人物たちは、コネも実績も経験もないが、情熱に溢れるアニメの作り手そのものを表しているようで、非常にパワーを感じる作品です。
物語は単調で少々退屈なところもありますが、作画の美しさ、丁寧さにどんどん引き込まれます。
特に若き庵野秀明監督が手がけたという爆発や破片の作画の凄さは今の基準から考えても世界トップクラスだと思います!
声優陣もベテランが揃っており流石の演技力!
森本レオさんはアニメっぽい演技ではないですが、主人公シロツグにバッチリ合っています^_^
クライマックスシーンのシロツグの目つきがたまりません!
俺たちにも宇宙映画は作れるんじゃぁぁぁ!!!
戦争アニメが観たくなったので、タイトルが戦争っぽいという理由で観た・・・全然違うじゃねぇか!でもね。めちゃくちゃ面白かったよ・・・。てゆーかこの映画凄くね?
世界観の作り込みが凄い。ジェミニ計画あたり(?)の宇宙開発を描きたいというのは明白。しかし、軍隊すらない日本で、アメリカやソ連の宇宙開発映画を作っても滑稽なだけじゃん?だから異世界の話にしちゃった・・・にしてはよく出来てるんですよ。
この異世界は、技術レベル、風俗、思想、政治状況、全て1960年代の現実世界の模倣となっていて、それが観ていてとても面白い。そして、その徹底ぶりがすごい。現実世界に存在するものが一切出てこない。例えば、主人公が本を読むシーンがあるんだけど、この異世界の本は、現実世界の本とは微妙に違う。そんな細かい小道具まで・・・。アニメ製作者達の宇宙に掛ける気持ちに泣けました。
そう。このアニメはリアルなんですよ。確かに異世界に話を置き換えている。でも、その根底にある情熱はリアルなんだよ。
とにかく、宇宙好きなら物凄い熱量を感じられる映画です。
旧ヲタク達の発表会 良かれ悪かれ
背景 作画はやはり凄い 労力と情熱の賜物か
職人気質と言えば聞こえは良いが
もはや狂気のさただろう。
しかも1987年だ。
後々のアニメにも影響を与えただろうし、プロペラ始動の描きかたとロケット発射の描写には感動した。
だが、ストーリーだ・・
旧世代のヲタらしい悪い癖が悪い方向に出てるとしか言いようがない
無気力な主人公が宇宙飛行士の自負を持つ過程、宗教に傾倒していく理由、
死を覚悟してまで打ち上げに執着するクルー達の意気込み、全てにおいて理解への決定打にかける。
設定資料等を見たら納得の行く設定があるのかも知れない。だが、あるかどうかも分からない設定資料の中身まで想像して鑑みなければ理解できない作品ならば、やはりストーリー(見せ方)において実力不足としか言いようがない。
端的に言えば かの映画は退屈で偏屈すぎる作りだ。
『僕たちは真のヲタクだから、ニワカが喜ぶような物は作らないんだよ。このこだわりが分かる?アハハ』というスタンスが滲み出ている。
そういう思考が作品の質を上げることもあるが、この映画の場合は逆効果だった。
譲れない表現への衝動が先か
マウント欲求が先か その違いだろう。
しかしながら、この映画は若いスタッフ達が持ち寄った腕とアイデアで凌ぎを削りながら作り上げたであろう情熱を感じるのは否定できない。
クリエイター職の人間が見れば畑は違えど初心を思い起こさせるエネルギーがある。
しかしモノズキな映画好きの視点から見て
美しい作品であるけれど
メッセージ性や作品の奥深さは感じられない
退屈な映画という印象が強い
はーりぼーてーはーりぼて
人間ドラマの部分も良いのだが、細部までこだわりを持って作られたこの世界が素晴らしい。こんなに熱量高い作品は他にはないだろうと思う。
思想の押し付け
バブル絶頂期に作られた本作
贅沢に作画と時間が使われており、色々考えさせられます。
作画は素晴らしく、圧巻です。
しかし、ストーリーと脚本は絶望的です。
ぼくのわたしの考えた、少し不思議な世界観を作画で表現するために作られたストーリー
かっこいい台詞をどうにか言わせようとする脚本
結局、この頃のアニメはモラトリアムとルサンチマンの思想から生まれた俗物に見える
セル画の美しさを見るだけならおススメです。
良いものは良い
ここのところ
何で映画みるんだろ?
というくらい何だかシラケてしまっていて
そこに映画があるからさ、などとなーんか登山家のわかったようなわかんないようなセリフを当てはめてもなーんか乗れない。
こういうことは波があるから、いずれまた
ウヒョー♪みてえ映画ばかりで困ってしまうぜえ♪
という時期がくるかもしれないが
それでウヒョー♪映画サイコー!な時期にみた映画のひとつがこれだった。
無邪気にワクワクと劇場に行ってたわけです。無邪気言うても高校生だったけどもうわたくしは
今も劇場オリジナルアニメ映画では私のなかではかなり上位に食い込んでくるんですが、この映画はほんと評価の触れ幅が大きいみたい
酷評する人のなかにはイライラするほどつまらない、なんて言うのをきいたけど…そんなにダメかなあ。
森本レオの声についても、素晴らしいと思いますけどあと音楽ね。むかしは坂本龍一が全部書いたと勘違いしてたけど、でも良いね。
異世界という設定だが、例えば戦争というものについて
そのなかで生きてやりたいことをやりとげることについて
宗教に救いを求めることについて
結構深いと思いますが
というか理屈じゃないんだよな。シロツグたち宇宙軍の連中のやりとりも面白い
シロツグとリイクニがその後どうなったのか、それはご想像におまかせしますというところでしょうか、ラストの雪が降り始める場面でなぜか感動する。
むかしは映画館の音響が悪くて、日本映画はなにいってんだかよくききとれなかった。それでも二回続けてみた気がする。
何年もの間。
この映画が何年もの間、愛され続けるのは世界観やキャラクター・ストーリー。小物類に至るまで、画面の端々から滲み出ているフレッシュさとこだわりのおかげだと思います。
メッセージからヒロインから何から何まで魅力的な映画です。
ガイナックス最高傑作
ガイナックス作品をすべて見ているわけでもないので悪しからず。それでも、最高と言い切れるのは、才能、活力、潜在能力、すべてを詰め込んだ作品だからだ。
山賀博之、岡田斗司夫、庵野秀明、赤井孝美、樋口真嗣、貞本義行ら、当時20代半ばだった彼らが、時代に一石を投じた作品。
作り込まれた世界観と狂気とも言えるラストシーン。
ストーリーとしては、静かに迎えるクライマックス、作画は手書きアニメーションの最高峰としてえげつないレベルに達している。破片1つひとつに演技させる庵野秀明のすごさ。
彼らの生き方と後の分裂を考えると、奇跡的な結集が生んだ稀有な作品といえるのではないか。そういった面も含めて、最大限の評価をしたい。
87年当時にこれが作られたというのはすごい
すごい作品で、作画や演出、構成、世界観に圧倒されます。
しかし、ストーリーが地味、キャラクターが弱いのとヒロインがあんまり可愛くないということもあり、面白いかといえば微妙でした。
深読みすれば宇宙軍という鼻つまみ者たちを山賀監督あるいはガイナックスの製作スタッフになぞらえ、そいつらがロケットを飛ばすという意欲的で野心的な物語にも見えて、以降のナディア・トップをねらえ・エヴァンゲリオンになっていったと考えると違った見え方ができて面白いと思いました。
大いなる自虐
宇宙軍という世間から軽んじて見られる集団はアニメ業界のことであり、自分たちのことを期待していない社会でいかにアイデンティティーを証明するかの葛藤を描いているのでしょう。
作り方も細部に至るまで見事です。
BSアニメ夜話で知りましたが、登場している食器などの小物のデザインも、現実の身の回りのものは全て違う人がデザインしたものなんだから、アニメだからって統一感を出す必要がないから敢えてバラバラのデザインにしたんだとか。
とても20代前半の若者たちが作ったとは思えない出来です。
80年代アニメの到達点
表題通りの作品であり、日本のアニメ界が生んだ最高傑作の一つ。あのAKIRA の1年前の作品でありながら、作画レベル、ストーリ、演出、どれをとっても世代が一つ違う完成度を誇っている。王立宇宙軍以前と以降で分類できるほどのエポックメーキング的な作品なので、アニメ好きにはお勧めです。
抑揚のない物語、達成感もカタルシスもない
2015/10/04、DVDで鑑賞。
この作品については全然知りませんでした。なぜ知ったかというと岡田斗司夫がレコーディングセックスを流出させ、話題になった時に彼について調べたから。そして堀江貴文と制作しようとしているアニメがこれの続編だというので、調べてみると評価が高い。なら観てみるかなと。
当方、アニメの技術には疎く、映像の凄さにおいても今基準でしか見れないのであしからず。
まず、主人公に魅力がない。終始ヌボーっとした感じで、なぜあの少女に惹かれてあそこまでやる気になったのかいまいち伝わってこない。変に宗教にはまってて可愛いとも言えず、心の綺麗さに触れたようなシーンもなかった。ロケット打ち上げ成功でもヌボーっとしててお祈りなんか始めるので、達成感やカタルシスをまるで感じず、感動も何もない。森本レオの声がどうも不自然。合っていないと思う。この声の影響もだいぶ大きいように思う。
宗教と科学技術の発展の対比や国家の陰謀に振り回される下々の人たちといったことをメッセージとして伝えたかったのかもしれないけど、それをするのに異次元の世界を舞台にする必要があったのかな?
これの続編の話、参加者に1万円払わせた声優オーディション以来、続報聞かないけど作る気あるのかね?興味ないけど。作らないならオーディション受けた人はムカつくわな。
おそらく山賀の最高傑作。
話は若者がロケットを飛ばすというだけのストーリー。
直線的な話だが、この時代にあってはありえない位のクオリティで作られたと言っていいと思う。
庵野のやったロケットが飛ぶシーンに700枚だか使ったというのも素晴らしいクオリティだ。
そして今思えば、これはガイナックスの誕生劇なのだと感じる。
アニメを描くという事のめんどくささ、難しさ、そしてそれが完成するというその一部始終をロケットを飛ばすという形でメタ的に描いた。
途中で出てくるグノーム博士という人物は、宮崎駿だという話があるが、実際のところはよくわからない。
将軍は宮崎駿に見えないこともない。
色々考えると面白い作品だと思う。
最初に何も知らずビデオを買った。
私のアニメーションの入口と言っても過言ではない作品。
1988年ごろだろうか。
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