「旧ヲタク達の発表会 良かれ悪かれ」王立宇宙軍 オネアミスの翼 たまねぎ なきおさんの映画レビュー(感想・評価)
旧ヲタク達の発表会 良かれ悪かれ
背景 作画はやはり凄い 労力と情熱の賜物か
職人気質と言えば聞こえは良いが
もはや狂気のさただろう。
しかも1987年だ。
後々のアニメにも影響を与えただろうし、プロペラ始動の描きかたとロケット発射の描写には感動した。
だが、ストーリーだ・・
旧世代のヲタらしい悪い癖が悪い方向に出てるとしか言いようがない
無気力な主人公が宇宙飛行士の自負を持つ過程、宗教に傾倒していく理由、
死を覚悟してまで打ち上げに執着するクルー達の意気込み、全てにおいて理解への決定打にかける。
設定資料等を見たら納得の行く設定があるのかも知れない。だが、あるかどうかも分からない設定資料の中身まで想像して鑑みなければ理解できない作品ならば、やはりストーリー(見せ方)において実力不足としか言いようがない。
端的に言えば かの映画は退屈で偏屈すぎる作りだ。
『僕たちは真のヲタクだから、ニワカが喜ぶような物は作らないんだよ。このこだわりが分かる?アハハ』というスタンスが滲み出ている。
そういう思考が作品の質を上げることもあるが、この映画の場合は逆効果だった。
譲れない表現への衝動が先か
マウント欲求が先か その違いだろう。
しかしながら、この映画は若いスタッフ達が持ち寄った腕とアイデアで凌ぎを削りながら作り上げたであろう情熱を感じるのは否定できない。
クリエイター職の人間が見れば畑は違えど初心を思い起こさせるエネルギーがある。
しかしモノズキな映画好きの視点から見て
美しい作品であるけれど
メッセージ性や作品の奥深さは感じられない
退屈な映画という印象が強い
コメントする