エスパイ
劇場公開日:1974年12月28日
解説
「エスパイ」とは、人並はずれた超能力を持った人間“エスパー”たちによって組織された国際秘密機構で、どの国家にも属さず、利益を追わず、権力をも求めず破壊者の手から世界平和を守る正義の〈力〉である。このエスパイたちと、正体不明の姿なき殺人者との超能力を駆使しての対決を描いたアクション映画。原作は小松左京の同名SF小説。脚本は「血を吸う薔薇」の小川英、監督は「ゴジラ対メカゴジラ」の福田純、撮影は「急げ! 若者」の上田正治がそれぞれ担当。
1974年製作/94分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1974年12月28日
ストーリー
世界各地でVIPの暗殺事件が続発した。エスパイのニューヨーク本部では、事件の背後には宿敵、逆エスパイの魔手があると知って、その対策に苦慮していた。その頃エスパイの日本支部長・法条は、部下の田村とマリアを使って、超能力を持ったテスト・ドライバーの三木をスカウト、彼をエスパイの一員としてトレーニングしていた。ある日、イスタンブールから、ボールという男が重大情報を握っているとの知らせが入った。田村とマリアは、イスタンブールへ飛び、ボールから逆エスパイがバルトニア首相暗殺を計画していることを知らされた。しかし、現在その首相はサンモリッツとパリにいる。どちらかが替え玉なのだ。だが殺し屋・巽がボールを殺し、マリアをさらった。追跡していた田村も捕われた。さらに目前でマリアを助けようと全超能力を出し切ってしまった田村は、超能力が消えてしまい、エスパーによる世界征服を企てる逆エスパイの首領ウルロフによって地中海に放り込まれた。溺死寸前の田村を救ったのはソ連の潜水艦だった。中には法条の他にインドの予言者サラバッド老師が乗っており、一行はサンモリッツのバルトニア首相護衛に向かう途中だった。首相別邸に乗り込んだエスパイたちは、敵の撹乱戦術に苦戦し、首相は殺されたが、まもなく替え玉であることがわかった。数日後に首相は日本へ親善旅行へ出かけた。首相専用機には田村とマリアとサラバッドが護衛のため乗り込んでいた。機がアラスカ上空にさしかかった時、突然、操縦不可能になったが、サラバッドの死を賭けた念動力で無事に危険を脱した。東京。超能力に懐疑的になっている三木は、ウルロフの手下ジュリェッタの催眠術に陥り、殺されそうになる。田村は三木を救うが反対に激しい銃弾にさらされ、時限爆弾が仕掛けられた車の中に閉じ込められた。一方、首相歓迎のレセプションの会場では、ウルロフの起こした大地震などの幻覚のため大混乱になった。混乱に乗じ、破壊銃をかかえた巽がテレポートで送り込まれて来た。その時、エスパイの間では伝説とされていたテレポーテイション(遠隔移動)で田村がその場に出現した。マリアの愛により、田村から今まで以上の超能力がひき出されたのだ。巽は無数の銃弾を叩きこまれて死んだ。エスパイたちはウルロフの本拠を襲った。凄絶な戦いの末、彼らはウルロフを遂に倒した。しかし、燃え上がる怪人の死体からは正体不明の黒い影が抜け出し、宇宙の彼方へ飛び去って行った。