栄光と狂気
劇場公開日:1996年8月24日
解説
モスクワ・オリンピックのボイコットに泣いたボート競技のアメリカ代表選手たちが、4年後のロサンゼルスを目標に栄光への凄まじい執念を見せる姿を、実話を基に描いたヒューマン・ドラマ。海外マーケットへの進出を積極的に推し進める「RAMPO」の奥山和由がエグゼクティヴ・プロデューサーをつとめ、“Team Okuyama”として日=米=カナダ合作で製作。監督は「トラブルシューター」の原田眞人で、「ペインテッド・デザート」に続く英語圏映画となる。製作は「Keiko」のクロード・ガニオンとユリ・ヨシムラ・ガニオンの夫婦コンビ。原作はピューリッツァー賞作家デイヴィッド・ハルバースタムのスポーツ・ノンフィクションで、これを原田とウィル・エイトケンが脚色。撮影はシルヴェイン・ブロールト、美術はパトリシア・クリスティがそれぞれつとめ、原田作品には欠かせない存在の川崎真弘が音楽を担当している。主演はモントリオールの舞台で活躍する新人コリン・ファーガソン。共演に「トーク・レディオ」のレスリー・ホープ、「レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い」のケネス・ウェルシュ、「花嫁のパパ」のピーター・マーニック、「ハスラー2」のヘレン・シェイヴァーら。日本からは「美味しんぼ」の羽田美智子がトレーナー役で出演している。
1996年製作/116分/日本・アメリカ・カナダ合作
原題または英題:Rowing Through
配給:松竹=松竹富士
劇場公開日:1996年8月24日
ストーリー
13歳の時から人生のすべてをボートに注ぎ込んできたティフ・ウッド(コリン・ファーガソン)は、仲間たちが実社会へと散っていく中、オリンピック出場を目指して練習を続けていた。80年、ティフはアメリカ代表チームの主将に選ばれていたが、カーター大統領はソ連のアフガニスタン侵攻を理由にモスクワ・オリンピックのボイコットを宣言。4年後を目標に再び練習に明け暮れるティフは、偶然出会ったジョン・ビグロー(ピーター・マーニック)という若者と意気投合し、練習を共にする。大学時代からティフに思いを寄せているパブの女主人・スリム(ヘレン・シェイヴァー)は、彼がボート選手としては年を取りすぎてしまったのではないかと心配し、ティフ自身もピークを過ぎた自分の選手生命への焦りを強めていた。84年、ロスオリンピック代表の座を狙う選手たちが、ティフの恩師でもあるハリー・パーカー(ケネス・ウェルシュ)の元に続々と集まった。ティフ、ビグローをはじめ、ジョー・ブースカレン(クリストファー・ジェイコブス)、日本人トレーナーのタキ(羽田美智子)を伴った“ポーラーベアー”ネルソン(ジェームズ・ハインドマン)など、そうそうたる顔触れ。大学時代のティフのチームメイトで、今はスポーツライターとして活躍するケイト・ボーデロー(レスリー・ホープ)も取材のため合宿に合流した。ハリーも心中ではティフがシングル代表に選ばれることを願っていたが、オリンピック代表選考レースを制したのはビグローだった。ティフはダブルに照準を変えポールとペアを組むが、根っからのシングル・プレイヤーであるティフはなかなか息が合わせられず、ポールが腕を負傷して合宿を離れてしまう。合宿チームからのダブル代表にはブースカレンとクルーズのペアが選ばれたが、ティフを尊敬するビグローは、ティフとのコンビでダブルの練習を繰り返していた。チームメイトやハリーの怒りを買った二人は合宿を出ることを決意し、ティフはネルソンとペアを組んでダブルの代表選考レースに挑戦する。腕の負傷を克服したポールも独自にペアを見つけて出場し、この二組が激しいデッドヒートを演じた末、ティフたちは一歩及ばず、勝ったのはポールのペアだった。ティフは、ビグローに敗れたレースはでゴールした時に余力があったが、ダブルでは完全燃焼し、敗れたことにも悔いはないと、その思いをケイトに打ち明けるのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- 原田眞人
- 脚本
- 原田眞人
- ウィル・エイトケン
- 原作
- デイヴィッド・ハルバースタム
- 製作総指揮
- 奥山和由
- 製作
- クロード・ガニオン
- ユリ・ヨシムラ=ガニオン
- 共同製作
- 中川好久
- Kaoru Nishiyama Wood
- 撮影
- シルヴァン・ブロウル
- 美術
- パトリシア・クリスティ
- 音楽
- 川崎真弘
- 録音
- Louis Marion
- 編集
- Jean-Guy Montpetit
- 字幕
- 原田眞人