一心太助 男の中の男一匹

劇場公開日:

解説

「江戸っ子判官とふり袖小僧」のコンビ鷹沢和善の脚本を沢島忠が監督した、一心太助シリーズの完結篇。撮影は「風雲児 織田信長」の坪井誠が担当した。

1959年製作/94分/日本
原題または英題:The Bravest Fishmonger
劇場公開日:1959年11月29日

ストーリー

今日は一心太助とお仲の婚礼の日である。仲人は大久保彦左衛門。長屋の連中は、太助を紋付羽織の花婿にこしらえ上げた。が、神尾主膳の賭場を荒して追われた弦太がころがりこんで来、長屋は大混乱、太助の晴着もズタズタになった。彦左と花嫁を前にした太助は、素裸の晴姿を見せた。ところが、スイートホームには次次と邪魔が入る。弦太に続いて、大久保家の用人喜内の隠し子糸吉と鯉平が居候にころがりこんだ。次に、お仲の友達お恵とお光が出て来るという始末である。その頃魚河岸には魔手がのびていた。悪商人丹波屋と結託した神尾主膳、南町奉行備前守の兄弟だ。折も折、彦左衛門が急死した。太助は悲しんでばかりもいられない。彦左の死を待っていたように、南町奉行は、魚河岸の取締役松前屋を豊臣残党の名目で捕縛し、丹波屋を新たに任命、河岸に重税を課したのだ。松前屋処刑の日が来た。町中をひきずり廻されている松前屋を見て、「殿さまッ」と叫んだ旅僧があった。松前屋こそ三十年前に失踪した弘前藩松前右近の一子五郎兵衛だった。豊臣残党の濡れ衣をはらす反証は上った。証人を連れて伊豆守のもとに急ぐ太助らの前に主膳一味が立ちふさがった。太助は暴れる。魚河岸の連中も加勢した。その間を縫って弦太が伊豆守の許に飛んだ。刑場で、松前屋の胸元に槍が合せられた瞬間、伊豆守が駈けつけた。江戸城中、将軍家光は余の近習にならぬかと言ったが、太助は「生涯魚屋で暮しとうございます」とはっきり一言し、わが家に急いだ。

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