「この映画の幸せな結末について」あの夏、いちばん静かな海。 たまねぎ なきおさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画の幸せな結末について
この映画の 幸せな結末と捉えるか
不幸な結末と見るか
当時のたけし監督が伝えたかった人生観はここにあると思いました。
ラジオで
3歳くらいで病気でなくなった子と80歳で老衰で亡くなった老人はどちらが幸せかという話で
タケシ監督はどちらも同じだと考えると言っていました
不幸な出来事は確かにある
だが人は生きる過程で喜びや快楽を得るが、その倍、不平不満や怒り妬み孤独のような負の感情も味わう
子供の短い一生はそういった人間の嫌な部分を経験せずに行けるという点では圧倒的幸福とも取れる
つまりトータルでの幸福度というのは全人類 一定なんじゃないか?
という話をしていました
一般的に短命の子供がいた場合、それをこちら側(私側)から見れば不幸で最悪な事でしかないのだけれど
果たして当事者が自分は最低最悪で不幸しかない人生だったと感じているのだろうか?
と考えさせられた事があります。
また、障害者のハンディに配慮することは有りだが
優遇/保護することは相手を「障害者」という人間とは別の者のして扱うことになるという話もしていた記憶があります。
手助けしたくもない嫌な態度の障害者であれば助ける義務も義理もない
ここで「この人は障害者なのだから助けなければいけない」としてしまうと、もはや人と人の関係ではなく
「保護生物」になってしまう。
障害者側からすれば 健常者側から完全に「あなたを人として扱いません」と線引きされているのと同じなのだ。
この映画に主人公はただの人であり
幸せを見失わなずに人生を享受できた人のありさまを描いた
タケシ監督の理想像を描いたのではないでしょうか。
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