愛と死の記録のレビュー・感想・評価
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ストーリー展開が雑
映画としてはいまいち。ストーリー展開が全体的に雑に感じました。 急速に惹かれ合い過ぎて、お互い顔に惹かれただけの薄っぺらい愛に感じてしまう。日にちがどういう風に過ぎているのか分からないので、二人に感情移入出来ませんでした。 バイクでの初デートも幸雄は酷すぎる。和江は「私が悪かった」と言ってましたが、全く何が起こって幸雄が起こったのかさっぱり分かりませんでした。 よかった点は、悲劇って起こった直後だけが辛いのではない。その何十年後になっても続いていくということ。また、それが連鎖していってるということ。 日常が送れるようになっても、悲劇が強く関わっている人と関わりが少ない人の差が出てくるのは、何に対しても同じだなと思いました。 和江に対するみんなの慰めも心がなくて、追い詰めてるなと感じました。私たちは寄り添い方や立ち直り方など、いろんな事を悲しい経験から学ばせてもらってるんだなと思いました。 祖父母世代の若い頃を観るのは新鮮でおもしろかったです。いつの時代も若い子は元気で楽しそう。 実話が元になってるとレビューで知りましたが、脚本が残念だなと思いました。でも、お医者さんの言葉は一部を除いてはよかったなと思います。どうしたら、幸せな選択かは神様しか分からない、と。こればっかりは何十年経っても一緒だなと思いました。
原爆の悲惨さを扱った映画の最高峰のひとつだと思います そしてまた本作は、吉永小百合、渡哲也の日本を代表する大スターの悲恋物語のスタート地点でもあったのです
吉永小百合の主演映画で、良く似た題名の作品が有ります 1964年の作品「愛と死を見つめて」と、1966年の「愛と死の記録」です 有名なのは前者の作品ですが、本作は後者の方です 前者の作品では吉永小百合が不治の病になり、相手役の浜田光夫との文通と長距離電話での励ましの末に死別するという悲恋の物語 本作は、相手役の渡哲也が不治の病になり、吉永小百合が献身的な看病をするという内容で外形は似ていると言えば似ています ですから、その前者の第二弾というか、何か二番煎じのような適当に作られた映画の様に思う人がいるかも知れません 全く違います 本作の方が圧倒的に優れており、感動して心を揺さぶられることと思います 本作の英語題名「The Heart Of Hiroshima」の方が遥かに本作の内容を的確に表しています 吉永小百合の演技を心から素晴らしいと絶賛出来る映画だと思います 終盤の「幸夫!」と叫ぶシーンの感動は彼女のベストアクトだと思います 今日に至るまで彼女のこれを超える演技は無いと思います 原爆の悲惨さを扱った映画の最高峰のひとつだと思います 幸夫が彼女を遠ざけていた理由を打ち明けようとする時、その背景に見える石碑は峠三吉詩碑です その碑文が画面で読めるように撮影されていますから、是非読んで下さい 原爆ドームの内部に入るはその次のシーンです そして、吉永小百合が「幸夫!」と絶叫する時に見上げる黒い人型の像は原爆の子の像です ヒロインの和江が住む家は原爆スラムにあります あの2007年の映画「夕凪の街 桜の国」のあの場所です 彼女の家に向かう救急車が走る大通りの向こう側に見える大きな高床式のビルは広島平和記念資料館本館です 「資料館の中を見たか?(中略)どんなに恐ろしいことか、放射能がどんなものか君には分からん!」 そう幸夫が和江に話した建物です この物語だけで十分に傑作で星5つです 撮影、照明、脚本、演出も、配役、脇役陣の演技もみな優れており見応えがあります しかし本作にはその映画自体の価値を超えた伝説が秘められています 本作はいつも通り相手役を浜田光男を予定していたそうです しかし彼が不慮の怪我で出演できなくなり、初めて渡哲也が彼女の相手役となったのです 渡哲也25歳、吉永小百合22歳 撮影中に誰が見ても二人は相思相愛の仲になったといいます 1966年8月の1ヵ月間の広島ロケ しかもこのような魂を震わせる原爆の悲惨な物語を現地で演じることは、若い男女を深く結びつけてしまうことは当然かも知れません 本作の二人には演技や演出を超えた、男女のケミストリーが立ちのぼっているのが分かります それが迫真さになっているのです この後、この二人は白鳥、青春の海と共演が続き、2年半程付き合い結婚をしようという所まで行ったのです しかし、吉永小百合の父の猛反対 渡哲也の両親が彼女に専業主婦になって欲しいとの意向が障害となりました こんな吉永小百合の肉声を伝える記事が有りました 「両親を説得できなかったんです。だから(渡哲也に)直接会って、『あなたとは結婚できません』と伝えました。涙が止まりませんでした。それで別れたんです」 引き離された恋ほど深くなるものはありません その後渡哲也が一般女性と結婚してしまうと、彼女は泣き通して、ついには離婚歴のある20も歳上のテレビ局の男性と突然結婚してしまうのです しかしそれで終わるような生易しい恋ではなかったのです 本作の、カットされてしまったという、原爆ドームでのラブシーンのことを、彼女は後に自著のエッセイに切々と綴り、その幻のシーンの写真を大きく載せるなど、渡哲也との愛が始まった本作をいつまでも大切な思い出としていたのです 彼女が原爆の読み語りをするようになるのも、本作の深い思い出が、反原爆への思いと分かちがたく結びついているのだと思います そして、この二人がふたたび共演を果たすことになるのは 1998年の「時雨の記」まで有りません 二人が別れてから30年も後の事です この映画は吉永小百が長年暖めてきた持ち込み企画といいます そしてその内容は熟年男女の不倫の物語なのです 本作はそのような、吉永小百合、渡哲也の日本を代表する大スターの悲恋物語のスタート地点でもあったのです そのようなことも頭に入れて本作を観れば、感動もより大きなものになり、感慨も深くなるとことと思います 傑作中の傑作です
純愛を貫いた二人
実直な若い二人の姿が初々しく、中盤からの展開に一層やるせない気持ちになりました。
幸雄(渡哲也さん)の病が治ると信じ、献身的に尽くす和江(吉永小百合さん)の姿が切ない。
モノクロの広島の街の映像に、時の流れを感じました。実話なんですね。
吉永小百合さん、可憐でした。
NHK - BSを録画にて鑑賞
違うラストにして欲しかった
被爆にまつわる悲しい純愛物語なんだけど、ヒロインの自殺はないな。観客にみせるべきは、悲しみを乗り越えて生きようとする健気で逞しい姿ではないか? これではあまりにも悲しすぎるでしょ。
ドキュメンタリータッチの姫田真佐久カメラワークと、吉永小百合の自然な若者らしい演技が良いと思っていたから残念な終わり方だった。この作品の吉永小百合はいつもの押しつけがまさを抑えて良かった。浜川智子も魅力的だった。
1965年ごろの広島、平和公園には市民球場があった。原爆ドームの敷地内に入れたのは撮影だったからだろうか? 下からドームを仰ぐカットは衝撃的だった。
題名から楽しい映画ではないと思っていたが、予想以上に悲しい結末
・題名から、幸男(渡哲也)は病死するだろうとは思ってた。
・それが最後の4分、妙に救急車のサイレンが長い
→ 「もしかしたら」と思ったら、思った通り、和江(吉永小百合)が服毒自殺
→ 和江が、担架に乗せられる前に、腕が乱れない様に、
両手を縛られる場面が、特に悲しい → 泣けた
・鬱になりそうな位、悲しい結末 → 「何故こんな結末にしたのだ」
と思い、調べてみたら、「実話をモデルにした映画」とのこと
・大江健三郎:著、「ヒロシマ・ノート」1965.6月発行、にも記載あり
・実話では、婚約者のK江さん(20才)は、「こうすることが私の一番幸せな道です。
骨は、K原さんと一緒に埋めてください」の遺書を残して後追い自殺
・来春4月には、結婚の日取りも決まっていた、とのこと
・最後の4分がなければ、なんてことのない映画だが、インパクトの強い映画だった
・なお、この共演をキッカケに、吉永小百合と渡哲也は、私生活で交際開始とのこと
観念的台詞の感情の葛藤から生まれた、朗読劇の真剣さ
日活青春ロマン作品とは一線を画す、原爆後遺症の苦しみを真正面から描いた力作。主人公和江と幸雄が、お互いの友人の策略で再会して交際が始まるプロローグがいい。日常の些細な出来事から極普通の若い男女の付き合いが描かれて、主題である被爆者の青春悲劇への転調がより切実さを増す構成に、作者の誠実な制作姿勢を感じさせる。平和記念公園のロケ撮影も、舞台背景というより二人の心象風景の映像として独特なカメラアングルと前衛的なカメラワークで統一されている。観念的な台詞のやり取りで男女の感情を交差させる、広島を舞台にした朗読劇の趣があって、映画の世界に引き込まれる。 吉永小百合、渡哲也共に好演。芦川いづみの二回目の登場シーンが無言ながら、映画としては雄弁な表現。幸雄の主治医に対のバンビの置物が贈られるシーンも、和江の心理を難なく想像させる。それはまた、医学の進歩に願いを託す彼女の遺言とも取れる。 蔵原惟繕監督の真摯な映画文体に魅せられる日活映画だった。タイトルバックの地上に取り残された二羽の鳩は、何故飛び立とうとしなかったのか。広島の地に止まる鳩が、いつまでも平和への願いの象徴でありますように。
前半は純愛路線。ノーヘル、土砂降りでのバイクデートが危険すぎる。二...
前半は純愛路線。ノーヘル、土砂降りでのバイクデートが危険すぎる。二人の愛の確かめ方がなんかイラつく(笑) 後半は一転、原爆症の重い話。私はてっきり小百合様が病気になるのかと。しかし、小百合様はやっぱりヤバイ役でした。終盤少しだけ登場の芦川いづみが美しすぎる。小百合様から乗り替えようか(笑) 20年後に現れる放射能の恐怖。本当に怖ろしい、人生ボロボロです。これ、今の原発も同じですよね。平気で存在し続けていることに背筋が寒くなります。
原爆症について
場所は広島。ダブルデートでいきなりケンカ?帰り際、雨の中道端に置いてけぼり・・・そんな激しい場面から始まったが、もう結婚の約束を・・・しかし、幸雄の体は病魔が蝕んでいたのだ。いい縁談があるとかで幸雄の兄代わりの岩井(佐野浅夫)が和江にとって最初の難関だった。
幸雄は4歳の時、被爆して両親を亡くした。いつそれを和江に告げようかと悩んでいたにちがいない。告白されても和江の愛の強さは変わらず、懸命に看病に努めるのだ。しかし、看病も空しく幸雄は白血病で亡くなってしまう。
単なる泣かせるドラマじゃない。というより、泣かせ方は下手な構成・脚本。それが逆に原爆症で次々と人が亡くなっていく現実を訴えてくる。平和式典の映像なども盛り込んで、なんだかドキュメンタリーとして見るほうがいいのかもしれない。
恋人の死をも克服して元気に立ち直る姿を描くものだと思っていたのに、最後には和江も後追い自殺・・・重々しさがすごい。
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