「“SAW IV”と書かれた文字が、“SAW TV”に見えたのには意味があるのか?」ソウ4 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
“SAW IV”と書かれた文字が、“SAW TV”に見えたのには意味があるのか?
とりあえずの三部作を通して見ると、ゴードンとアダムの密室心理劇が面白かった『1』は単なる序章にすぎず、『2』では時間と空間を捻じ曲げるサスペンスと前作との密接な繋がり、特にアマンダという第二のジグソウが誕生する面白さがあった。そして、『3』では復讐の連鎖を断ち切って“赦す”ことができるかというテストが行われ、“ゲームにはルール”があることを力説するジグソウが後継者に試練を与える物語だった。
『3』のラストではみんな死んでしまったような雰囲気だったのに、続きは出来るのかと心配してたのに・・・アマンダのように後継者を密かに育てているのか、模倣犯のような犯人が登場するかどちらかだと思っていました。それでも前3作に隠されているかもしれない伏線を読み取るために復習を・・・すると、復習したほうが混乱してしまうのだ。
ここまでストーリーも登場人物もリンクしていると何度も復習しなければわからなくなりそうです。刑事もどんどん死んでいくのですが、気になる人物の生死がどうなったのかモヤモヤとしていたら、次回作でそれが明かされたり、中心となる刑事が前作でもしっかり登場していたりするので、まるで映画界のマルチ商法のようです。今作で犯人に翻弄されるリッグ刑事(リリク・ベント)やホフマン刑事(コスタス・マンディロア)も『3』を再チェックしてみると、しっかりと意味深な表情をしていたりする。
ジョン・クレイマー(トビン・ベル)の元妻ジル(ベッツィ・ラッセル)の回想シーンにより、ジグソウがシリアルキラーになった理由もわかるし、もちろん彼がまともな人間だったこともわかる。彼のこれまでの殺人を考えると、残酷な拷問機器を使用する異常性は許されないけど、悪人に裁きを与えるキラと同じなのかもしれません。むしろアマンダの赦すことをしない、キレやすい性格のほうが怖いくらい。
ネタバレ
終盤には『3』の終盤シーンがリンクして登場する。映画のオープニングは死んだジョン・クレイマー=ジグソウのグロい解剖シーンからで、ホフマン刑事が胃の中から取り出されたテープを聴くことによって事件が始まる(しかし、このテープはホフマンによるトリックのような気もする)。しかし、終盤でジェフが登場することによって『3』とのリンク状況を見ると、これは時系列では最後に当たるハズ。つまり、『4』は『3』でのストーリーと同時進行しているのだと思われます。
で、改めて『ソウ3』を調べてみると、ケリー(ディナ・メイヤー)を死に至らしめたのがアマンダやジョンであるなどとは言っていないのだ・・・チラリと映った服はアマンダと一緒だけど、実行犯かどうかはわからない。つじつま合わせというか、後からどうにでもできる作り方は上手いとしか言いようがない。今回は新たなる序章といった雰囲気だったし、次回作ではホフマンが後継者となった経緯も楽しむことができるのかもしれませんね。それと、どうなったのか気になる人物がいっぱい・・・ストラムFBI捜査官、リッグ刑事(多分死亡)、ジェフ、ジェフの娘、エリックの息子ダニエル、そしてそして外科医ゴードン!
XJAPANのエンディングテーマ曲はちょっと・・・と思ったけど、毎回こんな感じの曲ですし・・・
【2007年11月映画館にて】