犯人に告ぐのレビュー・感想・評価
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普通の刑事ドラマだったけど面白かった
刑事を主人公にした、ミステリー、サスペンス、要は刑事ドラマだ。
この手の作品でよくある、過去の事件、警察内部の権力争いも漏れなく付いてくるが、他の作品と本作が違うのは現在のBADMAN事件捜査にちゃんと絡んでくることにある。
もちろん劇場型捜査も見所の一つだ。
あまり効果を発揮しなかったがミスリードを誘う仕掛けもしっかりしていたし、ストーリーはかなり練り込まれて良くできている。
アクションはもちろん、スピード感があるシーンもないので少々パンチに欠け、地味でねっとりしているのが弱点と言えば弱点だろう。しかし変にドンパチし過ぎる刑事モノよりは地味目な、派手なフルーツケーキより豆大福が好きな私のようなものにはこれでいい。
ラストシーンについて、あれは違和感を出したかったと監督が言っているが、ちょっと失敗したのではないかと思う。
その直前までの感覚が鈍るし、そもそも意味不明で本編と関係無さすぎなことも問題だ。
せっかくの豆大福にシシャモのせたみたいになった。シシャモは美味しいけど、豆大福にのせてはダメよ。
なにか、こう。
観ている間飽きることもなく面白く観た。
なのになんだか観終わってあんまり感想が残っていないのはなぜなんだろう。
う~ん。
劇場型連続殺人と刑事、の図式があまり新鮮味がなかったせいだろうか。
過去に一度失敗した刑事というのは面白いと思ったんだけど。
全体的にソツないように思う。
小沢がちょっと、キラリと光っていました。
全ての面で破綻しています
まず、本筋と犯人は関連がほとんどありません。
犯人になりすまして声明してるのは神奈川県警本部長。
主人公の子供を誘拐するのは、昔の被害者の親。
犯人は知恵の足りない変質者でした、とさ。
じゃ、物語は何も意味ないと、そういうことで。
割と好き。
あまり知られてないような気がするけど、
僕は割と好きな作品。
当時不気味に思ってた青年が柄本佑で、
なるほど道理て記憶に残ってるはずだなと思いました。
トヨエツの冷静だけど熱い演技がリアルで
惹きつけられます。
脇を固める役者さん達も渋くて個性的、
キャラが立っててとても良い。
特に小澤征爾の息子。
最後まで憎たらしくて素晴らしい。
ラストの犯人逮捕はもう少し盛り上げてくれても
良かったなと思いました。
続編ずっと待ってます。
いいか、よく聞け、BADMAN
いいか、よく聞け、BADMAN。小澤征悦はニュースキャスターの色香に迷い、悪徳警官の道へと一気呵成に沈んでいくんだ!・・・って、関係ないやん・・・でも震えてるぞ!
コメディもシリアスドラマもこなしてみせる豊川悦司は日本のジム・キャリーか?とも思える説得力のある演技。ヤクザ映画でもないのに、「今夜は震えて眠れ!」という捨て台詞が妙に決まってしまう男なのです。『理由』と同じくWOWOWでテレビ先行放映していたなんて気付かずにもったいないことをしたものだと、こちらも震えてしまいますよ・・・
さすがに先行放映するだけあって全体的にTV向けの映像でしたが、ストーリーや演技重視の作品なのでスクリーンに釘付けとなってしまいました。サスペンスではあるけれど、主人公巻島を中心とした刑事物語。6年前に犯人を取り逃がした上、誘拐された少年を殺されてしまうという失態の名誉挽回の含みもあり、捜査責任者がテレビに直接出演するという前代未聞の“劇場型捜査”にて犯人を追いつめていくストーリーです。
難事件を捜査するという単純な本線に、主人公にも犯人に狙われる対象となる息子がいたり、6年前の未解決事件や、ボンボンの二世刑事(小澤征悦)の嫌味な行動や、巻島を信頼していると見えて実は保身のためだけに行動する上司(石橋凌)の存在という、警察の恥部とも思える伏線が効いている。そして、マスコミと警察の互いの自己利益のための取引というのも見どころの一つと言えるかもしれません。また、マニアックな映画ファンならば、片桐礼子の白い胸元によって『北京原人 Who are you?』を思い出す方もいるのかもしれない・・・いや、小澤征悦ならば思い出していたに違いない・・・
映画そのものも面白かったし、原作もかなり面白いのでしょう。特に6年前の事件の被疑者をずっと張り込みしていたという刑事の執念には驚かされたし、部下からの篤い信頼を受けていることや津田(笹野高史)という見事な人選にも巻島の魅力を感じてしまいます。残念だったのは6年前に難産だった妻(松田美由紀)が助かったのかどうか(てっきり妹だと思っていた)が不鮮明だったし、一部フィルムの順番が間違っているんじゃないかと錯覚してしまったこと(自分の勘違い)。
小澤征悦はこの後石橋凌をどう陥れていくのだろうか?放っておいたら自分は足柄署に左遷されるのだから、全く何もしないなどとは考えられない・・・
タイトルなし
推理作家 雫井侑介のベストセラー小説
を映画化
主演 誘拐事件を追う刑事役に豊川悦司
.
『犯人に告ぐ 今夜は震えて眠れ』.
.
このセリフ
トヨエツが言うから格好いい
トヨエツの渋さ光る
トヨエツ好きにはたまらない映画
.
原作に忠実で分かりやすい
原作読んだのが随分前ですが、それでも基本的にそれを踏襲してますね。また、原作の主人公巻島にトヨエツがとてもハマってます。事件モノですがさして難しい展開もなく単純に愉しめました。原作は続編がありますが、これはどうかな。初回からちょっと年月を経てるから、現実的ではないかも。でも続編があったら必ず観ると思います。
誘拐事件より警察内部の暗部を描いた作品
豊川悦治演じる主人公のキャラは現実味が無いとしても
脚本家は中々ひねったアイデアで勝負している。
犯人を追いつめるディテールは迫力があり
展開も面白い。
ただ、その分落ちや今後の展開を匂わす
最後は少し中途半端だったかも。
地道な地元警察の捜査とそれを手柄や出世の
道具としか見ない官僚主義。
まさに手柄は上司、落ち度があれば部下の
責任と言う巨大官僚組織の腐敗ぶりを
描いては有るが、テーマが犯人との
駆け引きに絞った方が良かったかも。
内部の暗躍が絡むとテーマがぼける。
配役は可もなく不可もなくベテランが
脇を添えていてドラマとしては
完成度が高いが映画として観ると
どうなのか?
ドラマの延長感がぬぐえず、
もう少し良く仕上れたのに残念。
後半の緊迫感が、すごい!!
闇に葬り去られそうになった少年殺人事件を追う、刑事のお話。
暗い画面と低いトーンで、前半はちょっと退屈。
でも後半、煮詰まった操作が一気に進み出す感覚と、息が止まりそうな緊張感に、引き込まれます!!
あくまでも人が死んでいるのだと、ハッピーエンドではないのだと伝えてくれるラストにも注目。
いい作品でした‼︎
「養其拙」其の拙を養ふ(その素朴さを養う)
映画「犯人に告ぐ」(瀧本智行監督)から。
最近「禅語」に興味があるからか、
ストーリーよりも、小道具と言うべきか、
掛け軸や表装された額などに書かれて文字が気になる。
主人公の配属それた警察署の部屋に飾ってあった額に
「拙其養」の文字発見。
たぶん「養其拙」という言葉だろうと見当をつけて調べたら
「養其拙」其の拙を養ふ(その素朴さを養う)
「拙」はつたない、という意味で、
飾り気のなさ(気持ち)を養う、という意味があることを知った。
素朴な心を持ち続ける=上手く世渡りしない、と解釈すると、
この物語の主人公の気持ちに合致して、この作品の根底を流れる
制作者の想いが浮かび上がってくる。
画家がちょっとした遊びで、自分を絵画の中に登場させるように、
たぶん、監督もさりげなくこの作品の中に、その想いを登場させた、
そう考えてもおかしくない。
こんな視点で、映画やドラマを観察するのは、とても楽しいし、
それを発見した時、私の心の中で「み〜つけた」と叫ぶ喜びがある。
これからも、こんな視点で映画を観続けたい。
豊川悦司のトーンを殺した渋い語りの中に、どれだけの巻島の挫折した過去の悔しさと犯人逮捕への情熱を秘めていたことでしょう。
『犯人に告ぐ!・・・今夜は震えて眠れ!』
異例のテレビ局のニュース番組から、連続児童殺人犯「BADMAN」へ主人公の警視・巻島は、挑戦状をたたきつけたこのワンシーンに痺れました。
豊川悦司のトーンを殺した渋い語りの中に、どれだけの巻島の挫折した過去の悔しさと犯人逮捕への情熱を秘めていたことでしょう。
本作は、前代未聞の“劇場型捜査”をテーマにしつつ、その伏線として冒頭に、6年前に犯人を取り逃がしてしまった起こった児童誘拐殺人事件を描きます。
この伏線は重要です。6年前の捜査当時に置かれた巻島の状況は、その後の警察上層部の無責任さや巻島の「BADMAN」に逮捕に対する執念を強調する意味で効果的でした。
また当時巻島の妻が臨月を迎えていて、母体の危機に面していたのに、誘拐事件の専従となっていけなかったという夫としての罪悪感も伏線となっています。
捜査を通じて、いつも犠牲にされる巻島の家族との関係。しかし、彼の家族愛の深さはラストで感動を呼ぶストーリーを醸し出すのです。
さらに6年前とその後をつなぐシーンの演出もよかったです。
臨月で死にかけていた妻の膝枕の上で、ゆっくり目を覚ます巻島の姿に、思わず6年前屈辱は夢幻のごとく感じられました。
その後山奥の警察署で悠々自適に暮らしていた巻島であったのですが、田舎に飛んでも優秀な検挙率を残す巻島に目をつけたのが県警本部。またしてもしくじったらトカゲのしっぽ切り要員として、巻島を「BADMAN」捜査の責任者に祭り上げました。
何かあったらまた責任を取らされることは分かっていつつも、責任者のポストを受ける巻島の信念には惚れ惚れしましたね。
あと、「BADMAN」捜査をあたかも進展しているかのように自作自演で、「BADMAN」を名乗った手紙を捜査本部に送りつける県警本部長に、「これは俺の事件だ、余計な手出しをしないでくれ」と詰め寄る巻島が格好良かったです。
ちょっと結末が時間切れであっけなかったものの、最後のシーンまで、とことん豊川悦司はトヨエツ臭く決めてくれております。
刑事物と言うよりも、一人の男の生き様を綴った作品といえるでしょう。ちゃらちゃらした刑事物に飽き飽きしている人なら、ぜひ本作でハードボイルドに痺れてほしいと思います。
『映画ファンに告げる! 今夜は震えて眠れ!』
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