アフター・ウェディングのレビュー・感想・評価
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あんな素敵な男性二人に愛されて羨ましい💕
正直言うと、いつヨルゲンがやな人になるのかヒヤヒヤしながら見てました。ラストの死にたくない!って慟哭は胸を締め付けられましたね。もう少しヤコブの過去について深堀りして欲しかった感は否めないけど…(なぜ別れたか、とか、世界を救いたいという思いが強い不器用な人というような説明があったけれど、それでなぜにインド?今ひとつ彼のことがよくわからなかった。けどカッコ良いからヨシ)
急に目どアップ!とかカメラワークが独特だったけど、あれ以上そういうの多かったらちょっと引いちゃうかも。
重厚な人間ドラマ
マッツ・ミケルセン生誕60周年祭、にて観賞。
情報をシャットアウトして、マッツ・ミケルセンが出てること、ハリウッドがリメイクしたこと、それだけの情報で、あらすじ読まずに観ました。
タイトルからラブストーリーなのかと思ってたら、そうじゃない、重厚な人間ドラマ。
ラブストーリー?サスペンス?ヒューマン?
いい意味で予想を裏切られ、予想しない方へ予想しない方へ話が展開していって面白かった♪
脚本もだけど、演出とか、すごく才能を感じた。
この監督の他の作品も観たくなった。
皆さん演技が上手かった。
ヨゲル役は、外見も性格もトランプ大統領に似ていて笑ってしまった(笑)
アンナ役の女の子が可愛かった(笑)
2006年の映画で今まで全然しらなかったけど、出合えて良かった。
何も情報を入れないで観るのがオススメです。
マッツ60周年記念その2
不可解な展開をマッツとたどった後、最後には愛の原動力を感じるドラマ
2021年にジュリアン・ムーア、ミシェル・ウィリアムズ主演のリメイク版「秘密への招待状」を観ていましたが、あまり面白くなかった印象で、ストーリーは記憶からほぼ消えていました。
リメイク版でミシェル・ウィリアムズが演じていた役が本作のマッツに当たります(主要3人の性別を変えている)。
インドの貧民街を駆け回るマッツの日焼けした精悍な表情が魅力的です。子煩悩なイメージとはあまり結び付かなかったのですが、そこはさすが「北欧の至宝」、子供たちに大人気のヤコブ先生を生き生きと演じていました。高級ホテルでの戸惑いや予期せぬ披露宴で心がざわついたり、ナンパ女にイラっとする演技もいい。
映画の方は、子供への愛が随所にうかがえる美しすぎるお話しなのですが、富豪のヨルゲンの謎が明らかになる前後でテンポが緩くなり、登場人物達の感情の発露が多くてやや間延びした風に感じられました。
傑作「未来を生きる君たちへ」のビア監督なので、もう少しスピーディに展開してもよかったのではと思いましたが、もしかしたら私自身がせわしない日常のせいで、北欧のゆったりした時間感覚についていけなかったのかも知れません。
蛇足ですが、義理の息子、葬儀にも出てなかったし出禁になっちゃったんでしょうかね。それとも早々に退職&離婚させられた?まあ自業自得なのですけどね。
マッツもお話も素敵過ぎかな~
美しくも心がザワザワするお話。インドで孤児達のために働き、目をキラキラとさせた沢山の子どもに慕われ、可愛がり授業をするマッツはとても素敵だ。かなりスマートなマッツ。お金の補助をどこからか得ているからできている事業。カットされたら孤児達は路上へ。そうならないよう、よくわからないながらもマッツはデンマークに行かざるを得ない。
あまりに素晴らしい待遇に驚くマッツ。いつもインドの子どものことを考えているのに、どんどん訳が分からなく話が進む。そして彼の昔の恋人、その今の夫が現れる。インドの孤児院との関係が明らかになるにつれ自分の過去も絡まることで悩むマッツ!
映像のインパクトが大きかった。ある時は目と口元、ある時は手のアップが大きく映り、手持ちカメラの揺れと共に人物の心情と私達の気持ちが同期する。印象的だったのは、とてもリッチなデンマークの豪邸の雰囲気を広大な芝生の緑で表していたこと。美しい、でもどれだけ人の手がかかっているのか。一方でインドのシーンには緑も自然もなく町はゴチャゴチャ、でも人間はみな生き生きしている。「美しい自然」のその「自然」がいかに人工的なのかをつきつけられた。
変マッツ映画の大立者、アナス・トマス・イエンセンはこの映画では脚本に関わっている!
富と愛
優しいマッツ
「花婿は私の元カレなのよ」「実を言うと、花嫁は俺の娘なんだ」
『007/カジノ・ロワイヤル』にもル・シッフル役として出演していたマッツ・ミケルセン。デンマークということもあってか、ヴィゴ・モーテンセンにも似てるような気がしたし、なぜか大杉漣にも見えてしまいました。
インドで孤児たちを相手に英語を教えているヤコブ(ミケルセン)。英語ではジェイコブと発音するんだ・・・などと考えながら、救援事業も資金不足で大変だったようだ。そして彼の故郷デンマークの実業家ヨルゲンから巨額の援助の申し出があったため帰国するのだが、契約を交わす前に彼の娘の結婚式に参加することとなった。驚いたことに、ヨルゲンの妻はかつての彼の恋人だったのだ・・・それだけではない。花嫁であるアナ(スティーネ・フィッシャー・クリステンセン)が「ヨルゲンは実の父親でもないのに・・・」などと発言するのだ。
実は18年前に別れた恋人は妊娠していた。そんな人間ドラマを濃密に描いているのですが、娘アナの心は意外にも実の父親に会いたがっていたことで、確執なんて存在しないような大らかな人間関係が窺える。ヨルゲンは事業で大成功していて大富豪であることも違和感の要因であるのですが、ヨルゲンとヘレナの間にもうけられた双子のほうに愛情が注がれすぎてたのかもしれません。
“金満”などという言葉も使われているほど、最初はヨルゲンの態度も金持ちならではの嫌味がたっぷり。しかし、人間関係が明るみに出てからは、彼の性格に好感が持てるようになる。妻の元恋人、しかも娘の実父の出現というショッキングな出来事があったにも拘わらずなのです。そして、インドの孤児院に年間1200万ドルの寄付という、企業の儲けには全く関係のない慈善事業に投資しようというのだ。ミステリアス・・・これは何かある。
予想通りの展開で、ヨルゲンの投げやりとも思える資産をばらまく行為。なぜだかまたもや『象の背中』を思い出してしまいましたが、彼の風貌が象に似ているんじゃないかと感じてしまいました。若干、男のエゴも感じられる。しかし、残された人たちが全て幸せになるように仕組まれてもいたのです。
ストーリーよりも映像のほうに面白さがありました。登場人物の目がクロースアップとなるカットがとても多いのです。剥製の動物の目も映し出されるものだから、その意味も考えてしまいます。なんだったのでしょう・・・
主演はむしろ
最初はうさんくさいおじさんと思ってた大富豪が実は・・の展開。マッツ・ミケルセン目当てで観て、もちろんこういう役のマッツも素敵だったけど、主役はむしろ大富豪の実業家ではないか。この役を演じるロルフ・ラスゴード、幸せなひとりぼっちの主役のおじいさんと知ってなるほど素晴らしい俳優さんだと思った。ある決意を秘めた企みに翻弄される人々。いささか強引ではと思うが、彼らの幸せを考えぬいて、こうするのが一番と導いた筋書きは間違っていなかったなぁと納得できる。しんみりと心あたたまる作品。
演出力と演技力で魅せる作品
デンマーク発の難病物。
始めは貧困を訴える内容かと思っていたら全く違う内容なので少々面食らった。
主人公と思わしきボランティアを訴える男と、起業家らしき男の妻、2人の視線が交じり合い、それを見つめる夫、最高にサスペンスが盛り上がる仕掛けになっている。
一瞬、フランソラ・トリュフォーの秀作『隣の女』を思わせるが、ここから映画は意外な方向へと転がって行く。
監督の演出力と役者達の確かな演技力で見せる作品で、特に夫役の俳優の演技力には目を見張った。正直を言うと中盤辺りで何度となく罵り合いになるところが、ちょっと観ていて辛いのですが、終盤になって真実が解って来ると「嗚呼、そうだったのか!」と感じて来ます。
その真実が唐突な感じなのと、貧困に関する面が内容とマッチしていないのが気になるところですが…。
(2007年11月3日シネカノン有楽町二丁目/スクリーン2)
登場人物たちの立場や想いをじわじわと浮き彫りにする
総合:70点
ストーリー: 65
キャスト: 70
演出: 75
ビジュアル: 75
音楽: 70
偶然を装っていたけれど実は偶然ではなく、仕組んだなと問い詰められてもまだ偶然を装う。せっかく撮影してきたインドの慈善事業のビデオもろくに見ようともしないのは、既に下調べが済んで結論が出ていたということなのだろう。金の力で相手を言いなりにさせるのは傲慢ではあるが、それでもヨルゲンにとっては残される家族の幸せが何よりも大切。そのためには手段を選ばず、その決意のほどが伝わってくる。
派手さはないが、全体的にや暗さのある落ち着いた雰囲気の中で人が語りかけ想いを告白する。それぞれの心理が交錯していく様を描く演出で、やや平凡な物語は登場人物の関係が浮き彫りにされることによってじわじわと盛り上がりを見せる。
最後はどうなのだろう。愛情のある育ての親よりも慣れ親しんだ環境を選択することによって、主人公の罪悪感が減る効果を狙ったのだろうか。とにかくこれでインドの施設も安泰だし心残りなくデンマークに戻れることになる。
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