エリザベス ゴールデン・エイジのレビュー・感想・評価
全38件中、21~38件目を表示
スケール感が物足りない
ケイト・ブランシェットら主演陣の演技はさすがに巧い。また、エリザベスの衣裳やカツラの豪華さには目を奪われる。
ただ、侍女ベスと知的な海賊ローリーを交えた三角関係や、女王暗殺を企む幽閉中のスコットランド王女メアリーなど話を膨らませすぎたせいか、女王がなぜ身も心も国に捧げていったのか、彼女の外交戦略も含めていまひとつ見えてこない。
また、この作品を歴史スペクタルとするなら、最後の見せ場であるスペインの無敵艦隊との海戦シーンは迫力がなさすぎる。
さらにスペイン軍の上陸に備えた兵士たちに向かってエリザベスが馬上からゲキを飛ばすシーンがあるが、ここでも兵士たちの隊列にまったく奥行きがなくショボい。ただ、馬のタテガミの美しさだけに見入るばかりで、なるほど、この作品の取り得は“美”だけか?と思ってしまう。
画面サイズもシネスコではなくビスタでスケール感が物足りない。
優柔不断は、弱さのあらわれです
映画「エリザベス:ゴールデン・エイジ」から。
(シェカール・カプール監督) [原題] Elizabeth Goldenage。
イギリスの映画らしく、言葉がシャレている気がする。
DVDが出たら、もう一度、映像を止めながらメモしたい、
そんな衝動に駆られた作品であった。
その中で、私たちの会話で使えそうな台詞を紹介したい。
エリザベス女王が、お婿さんのお相手選びをしている。
気乗りもしないのに、あの人もいいわね、この人も・・と
決めかねている女王に、侍従が横で呟いた。
「優柔不断は、弱さのあらわれです」
女王として、心の強さを求めているのかもしれない。
この台詞、いつも食べ物、飲み物で迷う私にはグサッときた。
今度、迷ったら、このフレーズを思い出そうっと。
そして私以上に「優柔不断」のあの人にも、教えてあげよう。(汗)
前作に比べたら遥かに劣る
イギリスの歴史をちょこっとでもかじったことのある人なら、この映画で描かれている時代があってこそ現代の世界があるというのがよ~く解ります。いわゆるスペインの無敵艦隊を破って、イギリスは海上の支配権を手に入れ、やがて世界の3分の1を支配することになるのですから。それがモノの流通につながり、まわりまわって日本にも及ぶわけです。
そんな重要な時代の伏線になる戦いを描くならもっときっちりと丁寧に大河ドラマばりのスケールでやってほしかったというのが本音。ストーリーは粗く、演出は脚色しすぎ。しかもエリザベス女王の人格造詣は妙にヒューマニスティックすぎる。あんなもろい人格から一転、スペインとの戦いの指揮をあたかもすべてとった風に演出されても、説得力なし。全体的にチープな中で、一級品のケイト・ブランシェットの演技はただ浮いているだけです。
女エリザベス
偉大なる黄金時代の女王になってるかと思いきや、描かれるのは未だに空閨に煩悶する「女」エリザベス。どろどろとした情念で迷走する話は辛気くさいが、捨て難い味があるのも事実。ケイトが上手いからでしょう。反面相手役のC.オーウェンは退屈な芝居。出番は少ないがフェリペ二世役のジョルディ・モリャが憎々しく上手い。見直した。
しかし、クライマックスの盛り下がりはどうにかならなかったのか。海戦はしょぼく、オーウェンはトロいし嘘臭い活躍ぶり、有名な女王の甲冑演説シーンは従う兵が少なすぎ!(『ブレイブハート』程度の人は集めろよ)
キャリア女性への讃歌☆
ルネサンス期の黄金期を創ったエリザベスの姿を一人の女性として描いた作品でした。ヴァージンクイーンとして結婚もせず、出産もせず、でも人民の母になる、という大義のために身を投じる姿が終始一貫して描かれていました。
そのため、ストーリー性には欠けていて前編の18歳から25歳くらいを描いたエリザベスとの連続性は10年間くらい空いていて、エリザベスの35歳から40歳くらいを描いています。スコットランド女王メアリは既に幽閉されていて、彼女とのバトルもなく、忠臣ウォルシンガムも老年にさしかかり、死にかけています。そんな中でも前作より遥かに成長して、女王としてキャリアを積んで困難にも一人で立ち向かえるエリザベスの姿は賞賛に値するものでした。
とくにアルマダの海戦で迫りくるスペイン艦隊を前に小国の女王として兵を鼓舞する姿は自分はイングランドと共に生き、イングランドのために終始尽くす、という彼女の皆へのメッセージでもあり、一国の君主として理想の姿でした。
・・・でも海戦の見せ場はなく、スコットランドのメアリも自分をあまり主張せず、、、華やかな見せ場がなく、場面は急速に展開。。。
最後のオチが結婚も子供もいないけど人民の母になります、私。
というものだったのでエリザベス個人の人生を描いたものなんだと自分を納得させて帰りました。
貫禄ですね…。
何と、前作から10年ですか?!月日の経つのは早いもんですね~。
歴史が好きな人には、堪らん映画ですね~。吾輩も歴史好きなんですが、今回はあまり予習をせずに観に行ってしまったのが、少々残念だったかな~と。いや、充分面白かったんですが、この時代のことをもう少し予備知識として仕入れてから行っておけば、更に映画を楽しめたんじゃないかなあと思いましたので。
ケイト・ブランシェットは、前作に続いてホントに適役ですね。“ヴァージン・クイーン”を貫禄たっぷりに演じています。10年前に続いて、今回もこの役で“アカデミー賞・主演女優賞”にノミネートされています。前回の時はグウィネス・パルトロウに負けました(あの時、何でグウィネスだったのか、吾輩未だに理解デキんのですが…)が、今回はどうでしょうか?こうなってくると、「アビエイター」で、お茶濁し程度(吾輩は勝手にそう思ってます(^^;)に獲ってしまった“助演女優賞”ってのが、値打ち無くなってきますな~。
ところで以前、ウォルシンガム役のジェフリー・ラッシュが『このシリーズの第3作に出演する』って言ったらしいんですが、今回の終わり方なら…ムリじゃん!(^^;
世界史が苦手でも大丈夫です
う〜ん、なんとも壮大で素晴しい映画でした(^o^)
豪華な衣装や舞台セットも素晴しいのですが、お話自体もとても良く出来ていて、飽きる事なく観れました。
エリザベスの女王として、またひとりの女としての苦悩、渦巻く陰謀などが上手く描かれて、とても深みのある作品になっています。
歴史に疎い方でも充分に楽しめます(私も世界史は、イマイチ判ってません(*´Д`*))
そして何と言っても、エリザベス女王を演じるケイト・ブランシェットの素晴しさでしょう!
女王としての風格、知性溢れる姿を見事に演じています。
何処から見ても女王としか見えませんw( ̄O ̄)w
更に、ひとりの女性として恋に悩み苦しみ、そして嫉妬するという人間的な面も見事に表現されていました。
ケイト様!
とにかくケイトの演技が素晴らしいです!エリザベス女王って、実際にこんな人だったかもしれないと思うぐらいの説得力。
ただ、女王という立場上、誰かを100%信頼することや誰かを愛することはかなり難しいらしい、ということもわかってそこはちょっと女性としては寂しい生き方かと思いました。
ヴァージン・クイーンの悲哀?
1998年の映画『エリザベス』の続編に相当する作品。そのタイトルの通り、これ以降、エリザベス、そして大英帝国の黄金時代が幕を開きます。2008年のアカデミー賞で、主演のケイト・ブランシェットは主演女優賞にノミネートされた(惜しくも、受賞ならず)。また、衣裳デザイン賞を受賞している。
ケイト・ブランシェットが良い。ヴァージン・クイーンと言われたエリザベス1世の、女と国の総覧者としての狭間で揺れる心を、非常に上手く描いている。” ノブリス・オーブリジュ”そのままに、スペイン無敵艦隊との戦いにおいて、先頭に立って総員を鼓舞しているシーンがあるが、中々見応えがある。見応えがあるといえば、女王の衣装だが、豪華絢爛。アカデミー衣裳デザイン賞の受賞も納得です。
基本的には、歴史の出来事であり、特に物語を付ける必要があるはずも無いのですが、”事実は小説よりも奇なり”。当然、映画化する上での脚色はなされていると思いますが、ベースとなっている話だけでも、物語性は十分。エリザベス1世、ベス・スロックモートン、ウォルター・ローリーの関係をめぐる件は、中々ロマンチックですしね。
イギリスの歴史を知らなくても楽しめますが、知っていれば、より一層楽しむことが出来ます。歴史考証も、中々正確にしているので(食事の際、手づかみだとか)、そう言う意味でも、結構良い映画です。
S.モートンも同じくらい素晴らしい
見終わって1日経って思うのは、幽閉の身の陰の女王に、S.モートン、今をときめく陽の王国の女王にC.ブランシェットの対比がすごくいい!私はS.モートンが裏切りにあったときの表情に、思わず戦慄が走りました。処刑シーンの気高さにも、眼が釘づけです。ああまさしく女王メアリー、この人で良かったーと思いました。主役始め作品の良さは、あちこちで賞賛されているとおりです。機会ある方は自分の眼で確かめてください。
ケイトが二人?
K・ブランシェット主演:エリザベスの二作目。
前回すでに余裕の演技で女王を演じていた彼女なので、
今回もまったく危気ない演技力でしたが、ただ今回は
エリザベスご本人が延々…悶々とするハナシなので…^^;
中盤くらいまでは、こっちまで悶々としちゃいました。
スペインの無敵艦隊が目当てで観られた方は、
かな~り後半まで、おあずけ状態となりますね(汗)
でもこの作品って面白いなぁ~と思います。
英国女王・エリザベス一世を描いた作品なんですが、
監督がインド出身。主演がオーストラリア出身。で、
英国の女王作品を撮ったワケですよね。すごいなぁ。
大昔、イギリス女優のB・リーが米南部の女性を演じた
名作「風と共に去りぬ」のような感じですよね~。
あの時も米国では大論争となりビビアンは標的にされ、
なじられたものの、いざ公開されると絶賛の嵐!
今回のブランシェットも、女王そのものに見えます^^;
化粧といい、立ち居振る舞いといい、肖像画みたい。。
イギリス英語の発音もまずまずだったんじゃないかな・・・。
ただまぁ、前回と比べて今回は女王の恋。がメインで、
それも自分で体験出来ないもんだから^^;悶々しっぱなし。
女王としてはたいへん立派でも、一皮むけば普通の女、
イイオトコ(かなぁ^^;)を見れば、よーし♪となるワケね。
それで侍女を焚きつけるも、そっちが上手くいっちゃうと
それはそれで気に入らない。さらに自分も~♪と愛の炎が
止まることなく沸き出して…。大変ですよね、お察しします。
立場上、ヴァージンクイーンということですから…。
でもなんで彼女は、あそこまで頑なに男を拒んだのかしら。
ウォルシンガムの心配もすごく分かる気がしました、、^^;
そんな中盤までの悶々劇から一転、後半はスペクタクルへと
歴史が流れるように、ストーリーも流れ始めます。
やっと!?そういう映画を観に来た気分にさせられます!!
短いですが、お楽しみに♪(^-^)
(侍女がやたら豊満なK・ウィンスレット似だったのはナゼ?^^;)
実は愛に背を向けるキリスト教の怖い一面をかいま見る映画です
本当にこの作品の絢爛豪華さは、連続して西洋絵画の名画を見続けているようなカットの連続でした。
またストーリーについても、歴史物はどこかまとめきらず中途半端な終わり方をしがちです。ところがこの作品は、前半にエリザベスの信念と揺れる女心と平行して宮廷の陰謀術を描き、物語の舞台と登場人物のキャラクターを手短に見せた上で、後半のスペインとの戦いに立ち上がるシーンから海戦シーンを見せて、誰もがイギリスをゴールデンエイジへと導いたリーダーとして、納得できる仕上がりになっています。
「鉄の女」というのは、イギリスの伝統でしょうか。
この作品で細かく描かれているのは、エリザベス1世も、「バージン・クイーン」としての孤独・葛藤です。この頃のイングランドは、まだ小国で外患内憂に満ちていました。
その難局を女王として乗り切る代償の法則として、彼女は国家と結婚し、イングランド国教会のシンボルとして信仰と信念に生きる決意をしたのです。まさに修道女のような心境であったのでしょう。
この葛藤をケイト・ブランシェットが強烈にオーラを放った演技で魅せてくれます。
圧巻は、暗殺シーンです。暗殺者が銃口をエリザベスに向けたとき、彼女はたじろぐこともなく毅然と十字架を背に、まるでイエスさまの如く、手を拡げて暗殺者を包み込む仕草をします。その圧倒的な信仰心に、暗殺者もたじろいでしまいます。
そのときのケイト・ブランシェット演技には、光を見ました。神かがり的な演技であったと思います。
服を着ていれば女王。
脱いでしまえばただの女。
宮廷に出入りする一人の男に心が引かれ、キスまで交わすものの、「バージン・クイーン」としての立場が女心を押し殺してしまいます。
その結果、寵愛する臣下ベスに自分の代理として、代わりに愛させます。ところが、いざ自分に報告無く、ベスが勝手に妊娠してしまったこと聞いたとき、どうにも収まらぬ嫉妬心が、爆発してしまうのです。この「感情の揺れ」が、絢爛豪華な宮廷をステージにゴージャスに描かれていきました。
ベスの子供を祝福しようと、エリザベスが抱きかかえるとき、床にたたきつけるのでは無いかとハラハラしました。
女王の心理に比重が置かれたため、戦争スペクタルとしては長さ的にややもの足りず、史劇としてのこの時代のところももう少し描いて欲しかったと思います。
けれどもこの衣装、演出、そして細かい作りこみは、近年希に見る歴史ものとして傑作です。2時間程度ではもったいないと感じましたね。
●キリスト教原理主義と寛容さの戦い
当時は、まだヨーロッパ諸国のほとんどはカトリックであり、なかでも列強盟主たるスペインのフェリペ2世は、「異端者に君臨するくらいなら命を 100度失うほうがよい」と述べているほど、世界中をカトリック信仰で覆い尽くし、万民を帰依させることを全身全霊で神に誓っているほどの強烈なキリスト教原理主義者でした。
カトリックによる国家統合を理想とし、フランスのユグノー(プロテスタント)戦争にも介入し、カトリック側を支援したり、1559年に禁書目録が公布され、指定された大学以外の大学でスペイン人が学ぶことも、一時的にではあるが禁止するなど、異端に対して不寛容的な政策を行いました。
それに対し、1558年にプロテスタントのエリザベスが王位に就いたとき、イングランドの約半数はカトリックでした。しかし彼女は、罪を犯したものは処罰するが、犯さぬものは保護する。行いで民を罰しても、信念では罰しない」と国民に対して好きなように信仰して良いが、まず女王の臣下であれと諭しました。
この戦いは、同じキリスト教でありながら、不寛容と寛容さの戦いであったと言えます。もしイングランドが敗れていたら、中世の魔女狩りが近世まで続くことになっていたでしょう。
しかし、スコットランド女王マリーの処刑シーンにしても、敬虔なクリスチャン同志が何故裁きあい、血を流し続けるのか、その一点に理不尽さを感じました。
現実のキリスト教は、愛と許しの教えでなく、裁きと血と恐怖が支配する歴史を綴ったのです。イエスさまの悲しみはさぞかし深かったでしょう。
スペインの没落とイギリスのゴールデンエイジ。そのきっかけとなった海戦では、無敵艦隊に対して、劣勢のイギリスに神風が味方し、勝利しました。
この変化は、主の御心はどちらにあるかという点で、現代の宗教対立にも繋がるテーマであると思います。
豪華絢爛!
女性向きの映画って多いけど、これもとっても女性向き。
どんだけお金かかってるんだろーと思うようなゴージャスな衣装に目を奪われます。
それにケイト・ブランシェットの女王ぶりは素晴らしい!!
前世はきっと本物の女王だったに違いない!と思えるくらい。
神々しいのです。
ストーリー展開事態は正直そんなに引き込まれるほどではないけど
女王として、またひとりの女性としての心の葛藤とか孤独、悲しみなど
そういう様々な心理が細かく描かれていて、とても共感しました。
この映画の良さを分かる男性は、女心が分かる人です。
エリザベスばんざ~い♪
いい仕事しているね
ケイト・ブランシェットの演技は品があってすばらしいね。でももっとも感心したのは映像。CGを多用しているのだろうか。CGかどうかわからなかったけれど映像にしびれた。映像の展開(編集)もダイナミックですばらしかった。
残酷なシーンもあるけれど、宗教戦争があり、非情な処刑が行われていたことは事実だからね。本当なら目をそむけてはいけないのかもしれない。
主演女優が見事!
華やかな表のドラマの背後で進行する暗殺計画と,
宗教の対立は,水面下すぎて見えてこず分かりにくい。
なかなか進まないストーリーと,
退屈な縁談話に眠気。
それら細部の不満を吹き飛ばすのは,
背景,美術,衣装,音楽と,
強さと脆さを垣間見せる侍女のベス,
そして,エリザベス。
ケイト・ブランシェットが,
勇ましさと,弱さを抱えた女王のON・OFFの表情,
恋に迷う葛藤を,ほぼ一人芝居で熱演。
恋を吹っ切って,国を思うに至る
スペイン無敵艦隊を破る終盤の展開にカタルシス!
全38件中、21~38件目を表示