「【”そして、私は生きている。”心に傷を負った多数の女性患者が収容された精神病院閉鎖病棟での出来事をブラックシニカルユーモアテイスト満載で描いた作品。怖くて笑えて少し沁みます。】」クワイエットルームにようこそ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”そして、私は生きている。”心に傷を負った多数の女性患者が収容された精神病院閉鎖病棟での出来事をブラックシニカルユーモアテイスト満載で描いた作品。怖くて笑えて少し沁みます。】
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■佐倉明日香(内田有紀)は仕事のスランプや家庭でのトラブルで睡眠薬を過剰摂取しオーバードーズのため、意識を失ってしまう。
目覚めてみるとそこは精神病棟だった。
自殺願望者と診断され入院させられたのだ。女性専用の病棟で、様々な症状を抱える女性たちに明日香は出会う。
◆感想<Caution!内容にやや触れています。>
・正直に書くと、松尾スズキさんの映画作品は余り得意ではない。今作も前半の展開には没入出来なかった。
・だが、中盤以降描かれる摂取障害のミキ(蒼井優:矢張り、圧倒的な存在感である。)やどこかが壊れてしまっている西野を演じた大竹しのぶの怪演には、引き込まれる作品である。
・特に、冷たい看護婦長江口をりょうさんの演技は絶品である。
ー りょうさんの出演映画は結構観ているが、ここまでインパクトある役は初めてではないかな。彼女がミキの退院が決まった時に見せる優しい笑顔。-
<今作は、シニカルブラックコメディタッチで、主人公の明日香が入院してからの2週間を描いているが、他の媒体を観ると実際の精神病院閉鎖病棟はもっと過酷らしい。
それを(多分知りながら)松尾スズキさんは、自ら本を執筆し更に映画化したのではないかな、と深読みしてしまった作品である。
ひょんなことで、精神病院閉鎖病棟に入院させられた女性が、そこに収容されていた孤独な心を抱えつつ生きる人たちの姿を見て、人生の再出発を決意するラストシーンが印象的な作品でもある。>
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