「逃げ場のない恐怖の環境に生きるには自分の心を殺すしかないのか。」パンズ・ラビリンス 孔明さんの映画レビュー(感想・評価)
逃げ場のない恐怖の環境に生きるには自分の心を殺すしかないのか。
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「ハリポタ」に代表されるような夢一杯・ワクワクの大冒険とは一線を画したファンタジー。
フランコ政権下のスペイン。
少女・オフェリアの母親の再婚相手はフランコに心酔し、反乱者たちを冷酷無比に鎮圧していく大尉。
もうすぐ大尉の子であるオフェリアの弟が生まれるのだが、母親の体調は良くない。
森の中の軍の駐屯地に大尉らと共に寝起きするオファリアと母親。
けれど、残虐な事件が身近で起き、冷酷な大尉は自分の後継者の誕生にしか興味がなく、オフェリアも母親さえも大切には思っていなかった。
逃げ出したいのに逃げられない・・・・・。
辛い現実を前に人一倍想像力が豊かなオフェリアの心は過酷な現実から逃避するかのように空想の世界へと飛ぶ。
少女が受ける数々の試練。それを乗り越えれば少女は王女として元の暮らしていた世界へと戻れるのだ。
第2の試練で怪物が動き出すことが直前に壁画の内容を見て想像が付いていながら・・・オフェリアよ・・・なぜテーブルの上の果物を口に入れてしまう???(唖然)。
↑この怪物が迫りくる様は確かに恐ろしい!手に目があるデザインが・・・・。
やがて難産の末に弟が生まれたが、無理を重ねてきた母親の身体は持たず亡くなる。
オフェリアを守ってくれる者はもう誰もいない。
弟を連れて脱出を試みるが、冷酷な大尉に見付かり森の奥の迷宮に追い詰められる。
オフェリアが受ける最後の試練・・・・・。
果たして少女の魂は「安住の地」を得たのか?
逃げ場がない状況の中でも弱い者を守ろうと闘ったオフェリアの魂のやすらかならんことを祈りたい。
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