「あの、名曲が…。」未来予想図 ア・イ・シ・テ・ルのサイン mori2さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0あの、名曲が…。

2007年10月8日

単純

寝られる

あのドリカムの歌が映画に!青春時代(吾輩にも、あったのだよ!)よく聞いた、あの“名曲”の世界が果たしてどんな風に映像化されているのか?かなり期待を抱いて観に行きました。
 公開前日に放送されたTV特番で、主演の松下奈緒チャンが『この曲のリアルタイムな頃は、まだ幼稚園児だった(?!)ので…』てな事を、のたもうておりました。そうですこの曲「未来予想図」と「未来予想図Ⅱ」は、今やJ・POPラブバラードのスタンダード・ナンバーになったと言っても過言ではないでしょう。当然、映画の中で2曲とも使われてますし、それを聞いて改めて『イイ曲だな~』と再認識させられました。
 で、肝心の映画の方なんですが、何でこんなにストーリーが薄っぺらいの??スペインロケまで敢行してるというのに!一応“1組の男女の10年間に渡るラブ・ストーリー”ってことなんですけれど、そんな重みをまったく感じさせられなかったです。何と申しますか『え?何でそんな風になる??』『え~?どうしてそんな風に考える??』と、ツッコミを入れたくなるシーンの連続で、全然話に感情移入が出来ませんでした。10年間を追っ掛けて、キスシーンの1つも無いなんて、リアリティ無さすぎますよね!作中『♪~バイクのメット、5回ぶつけてた~♪』『♪~ブレーキランプ5回点滅~♪』と言った歌詞を再現したシーンも出てくるのですが、ただそれだけなんですよね。もっと歌の世界を映画に反映させてほしかったのに、それが充分にストーリーに活かしきれていない。そんな印象を持ってしまいました。後、さやかの母親役を松坂慶子さんが演じておられるのですが、この人の存在(“やたら浮き上がった博多弁”をしゃべるんです)が、この映画を“若者向けのオシャレなラブ・ストーリー”にするのか“古き良き時代の日本恋愛映画”するのか非常に方向性を曖昧にさせてしまっているような気がしました。
 実は最後(エンド・ロールがながれた後、ホントに最後の最後)に、この映画の主題歌「ア・イ・シ・テ・ルのサイン ~わたしたちの未来予想図~」が流れ、それと共にとても重要なシーンがスクリーンに映し出されるのですが、それだけでもよかったような…極論で言うと、そこへ至るまでのストーリー(2時間ほどあるんですが)端折ってもイイかも…とまで思ってしまいました。素材がイイだけに、とても期待していたのですが、これは非常に残念な映画となってしまったような気がします。
 但し、何度も言いますがドリカムの曲は、とても素晴しいです。コレは映画を観て今回改めて再認識させられました。うん、“グッ”と来ますね。

mori2