ONCE ダブリンの街角でのレビュー・感想・評価
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監督の新旧作を見比べて─
begin againを見た後で、過去に見たこの作品を再観賞。作品の色が全く違っていて、更に楽しめた気がする。
新作は成功した人たちのお話で、これはこれから成功をもくろむ人の話。新は質的にお金をかけていると思えるけれど、こちらは低予算だということが一目瞭然。新は女性ボーカルで、こちらは男性ボーカル等々、その対比だけで面白い。
どちらも見て良かったなぁとは思えるけれど、ストーリー展開にどうしても納得いかないところがある。子持ちの女性から実は結婚していたと聞かされて驚く場面などは、え!?今更そんな驚き?など思ったり・・・
でも、設定は素晴らしいのでは。この作品でいえば、移民的な要素や、微妙な人間関係など、提示される要素だけでかなり興味がそそられた。
さらに新旧ともに楽曲にハマった。どんなに粗が見えようと、その音楽にすがってさえいれば最後までついて行ける気にさせてくれる。
ついでに言うと、小ネタなんかも良くて、例えば新作だったらランディー・ニューマンは本当の音楽家だという台詞とか、旧作だったら俺たちはシン・リジィしかやらないという台詞とか、ニンマリしてしまうところが色々あって、大枠の不満を覆すだけの要素が豊富な作品だ。
エピソード・ゼロ
正直ストーリーはさほど盛り上がらず、ありきたりだし。
時間も短く、登場人物に名前もほぼないシンプルさ。
歌は心の内面を打ち出した、いい歌だけどそれ以外は普通・・・。
だけど「はじまりのうた」「シング・ストリート」の監督出世作と聞けば、あの2作を作るためのエピソード・ゼロと頷ける。
人が歌を作って歌うのは、なぜだろう。
それはメロディにのせることで、より自分の気持ちを誰かに伝えたい。伝わって欲しい。
そういう「歌の原点」を思い起こさせる作品。
ボーイ・ミーツ・ガールな側面もあるけど、それをさらりと描き。
それが余計、リアルさを感じさせます。
そう簡単に男女がうまく結ばれるわけないし。
終盤の主人公と父親の会話。
「さあ行ってこい!」って背中を押すところ、父さんいいね!。
ラストの終え方も、男らしいギターの「ジャカジャーン」な音色が聞こえてきそうでした。
まあ、これだけ見たら。ちょっと大衆的ではないかな。あの2作を見てからの方がいい。
はじまり
普通にいそうなwanna be ストリートミュージシャンとチェコ移...
切ない爽やかな映画
去ってしまった彼女のことが忘れられないで音楽を作り続ける男とひとりのチェコからやってきた女性のお話。
と言ってもいいのかわからないぐらいには音楽が軸となって進む物語。
想いを馳せる相手に一生懸命気持ちを届けようと生きている二人は見ていて綺麗でした。
ほとんどハンディカムで撮影しているからか良い意味で「映画」らしくなくて。
写真や動画とはまた違う思い出の記録媒体である音楽というものは歌い方や歌詞を通して制作者の心情がダイレクトに伝わってきて、素人(映画の中では)が作っている曲は心に沁みるなぁ、そこがうまくこちら側に伝わる撮り方をされていたように思いました。
ドライブ先でのチェコ語の会話は、意味を知った時鳥肌ものでした、、
あとはエンドロールでもふたりに名前がないことが衝撃で。
名前なんてただの記号で相手のことを知る時には何ら関係のないことなんだなと痛感。
少し秋葉原文化に通じるところがある気がします。
元カノが忘れられない未練の気持ちはありつつ、良い感じの女性がいると誘ってしまう男、
男に好意はあるけれど子どもや母親のことを考えると自分なりの正しい行動をとる女。
女性は強くてかっこいいなと惚れ惚れしてしまいました(笑)
ラブストーリーなんだろうけどキスさえしない素敵な映画。
ふたりが幸せな今後を歩むことを祈ってしまう、そんなラストでした。
「はじまりのうた」をまだ観れていないので近いうちに観たいな思います!
Miluju tebe
音楽を通して、心を通わせるけども
結ばれない二人のミュージシャンの
お話。
一線は越えないけども、
牽かれ合う描写が、もどかしい
大人の恋愛作品。
音楽を奏でる楽器に氏名がないように、
演者も楽器の一部のように、
名前が設定せれずに、guy、girlに
なっていました。
見終わった後で気付きました
初めの出会いから、girlは、
グイグイ興味津々って
話してきて、顔見知りになる。
知り合い、友達、恋人の
線引きをがどこなのかを探るのが
本作のもどかしいところ。
節度ある対応を最後は守るんだけど、
名前がなかったり、
関係性の発展が行き止まりの中の
心のゆらぎが
サッパリしているのは、
あくまでも、
作中にたくさんでてくる楽曲を
際立たせるスパイスにするため
なのかな。
バイクデートの海岸で
別居中の夫を愛してるかと
聞かれた時の返しを
チェコ語で伝わらないように
返事するシーンは、
罪な小悪魔な笑顔で、
憎めないけど、
恋人にしたいとして
相手にこれを言われたら
どうしょうもないなー
Miluju tebeは
私はあなたがすきよという意味
だもの。
旅立ち前の
guyと父親とのやり取りは
好きなシーンです。
息子の作品をファンタスティックって
表現するのが、
お洒落。
見たかったダブリン3作品の
最後の鑑賞でした。
個人的には、
「はじまりの歌」 のテイストが
大好きなので
あの感じが、好みかな。
楽曲もストーリーも。
素敵な作品だけど、
他の2作品を知ってしまうと
物足りない…
はじける感じやワクワク感が
少なくて、しっとりしてる。
というか、
テイストが違いますね。
心を通わせても、結ばれない、
結ばれてはいけない。のが
見ていて苦痛じゃなければ
たのしめるかも。
ジョン・カーニー監督3部作
ジョン・カーニー監督のミュージックラブストリー3部作の一作目!
「はじまりのうた」「シング・ストリート 未来へのうた」その後に見てしまったけれど、いやいややっぱり楽曲にジ~~ンと来ますね。
順番に見ることをお薦めます。
名もない男女のすれ違いの恋と、夢の物語
低予算で…
ジョン・カーニー監督作はシングストリートに続き本作が2作目。
ストーリーは音楽を通して男女が心を通わせていくというもの。
ストーリー、脚本はシンプルでひねりは特になく、わかりやすい。彼らの音楽もゆったりとしたバラード調の曲が多く、そのムードとストーリーは完璧にマッチしている。
外のシーンが多いが基本的に曇り空で作品全体に切なくて、鬱屈した雰囲気が漂う。ハンドカメラで撮っており画質が悪いことからも低予算で作られた映画であることはわかるが、それがリアリティを生み出し、鑑賞者の心に寄り添うものとなっている。
キャストには俳優を使っていないようだが、特に演技が下手だとは思わなかったし、アーティストならではの演奏が聴けたので良かった。
特にこだわった演出はないが、演出が少ないからこそ良い意味で映画っぽくないっていうか、見ていてスッと心に染みる気がした。
個人的にはシングストリートよりも楽しめた。あの作品はパワフルでハッピーな映画だから全くテイストは違うけど、楽曲とストーリーを本作の方がより楽しめた。
はじまりのうたも早く鑑賞したい。
切ない、そして、歌が最高。
ジョンカーニー好きだと確信した一本
楽曲がいい
これほど曇り空の合う街があるだろうか
歌うまい
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