劇場公開日 2025年7月11日

「5拍子の When Your Mind's Made Up めっちゃ好き♪」ONCE ダブリンの街角で 島田庵さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 5拍子の When Your Mind's Made Up めっちゃ好き♪

2025年7月12日
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鑑賞方法:VOD

ワタクシは、5拍子の曲が大好物。
ミッション:インポッシブルしかり。
デイヴ・ブルーベックの「テイク・ファイブ」しかり。
ホルストの「火星」またしかり。

そしてこの映画の中の When Your Mind's Made Upも5拍子。
これ、めっちゃ好き♪

* * *

新宿ピカデリー他でリバイバル上映中。
最近、再上映が増えてるのは、新しい洋画が不作だからかなぁ、
などと思いつつ眺めてたら、
あれ? これ、観たと思ってたけど、観てないじゃん、と気づき。

でも上映時間が都合悪いな、と思ってたんだけど、
アマゾンでレンタルできることを知り、300円で借りて観た。

「はじまりのうた」「シング・ストリート」の監督の、出世作。

どっちも、大満足した作品。
そしてこの「ONCE」も、大満足。

* * *

まず、登場人物のキャラがいい。
主な2人はもちろん、
その父、母、楽器店の主人、スタジオのエンジニア、移民の同居人に至るまで、
冒頭のコソ泥若造を除いて、みな愛すべき人柄。
(その若造も、根っから悪い奴というわけではなさそう)

主人公が街頭で歌ってる姿を、手持ちカメラがはじめ遠目で、そしてだんだん近づき、うーん、これって誰かの視線かな、と思ってたら、再びカメラが遠ざかると若い女性がそこにいる。
上手い。

その女性が手に持ってるのは、失業者がそれを売って生活の足しにできるようにと販売されてる雑誌。
発音からしても、どうやら定職が見つからない移民らしい。

という始まり方が、ニクイ。

それから、細かいことは省くけど、主人公がいちおう家電の修理の仕事をしてる、と聞いて、修理してほしいと翌日持ってきた掃除機を、まるで散歩中のワンコみたいに引っ張って歩くのが、可愛くて笑えた。

で、未見の方はぜひご覧になってほしいんだけど、
ここから物語は、ある程度予想通り、でもかなりの程度は予期に反して、動いていく。
その予想の裏切り方もまた心地よい。

ちなみに、エンドロールで驚いた。
主役の男女の役名が、boyと、girl。
そういえば、1回も名前を呼んでなかったわ。

そして「once」にも、意味があった。
上手い。

* * *

それから何といっても、歌。
冒頭に挙げたほか、
オスカーを獲得した主題歌 Falling Slowlyなど、いい曲が目白押し。

それに、セッションは楽しいよね♪

ただ、chorusの字幕が「コーラス」になってたけど、そこは「サビ」でしょ。

島田庵
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