劇場公開日 2007年11月3日

「監督の新旧作を見比べて─」ONCE ダブリンの街角で SHさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0監督の新旧作を見比べて─

2019年4月5日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

興奮

begin againを見た後で、過去に見たこの作品を再観賞。作品の色が全く違っていて、更に楽しめた気がする。
新作は成功した人たちのお話で、これはこれから成功をもくろむ人の話。新は質的にお金をかけていると思えるけれど、こちらは低予算だということが一目瞭然。新は女性ボーカルで、こちらは男性ボーカル等々、その対比だけで面白い。
どちらも見て良かったなぁとは思えるけれど、ストーリー展開にどうしても納得いかないところがある。子持ちの女性から実は結婚していたと聞かされて驚く場面などは、え!?今更そんな驚き?など思ったり・・・
でも、設定は素晴らしいのでは。この作品でいえば、移民的な要素や、微妙な人間関係など、提示される要素だけでかなり興味がそそられた。
さらに新旧ともに楽曲にハマった。どんなに粗が見えようと、その音楽にすがってさえいれば最後までついて行ける気にさせてくれる。
ついでに言うと、小ネタなんかも良くて、例えば新作だったらランディー・ニューマンは本当の音楽家だという台詞とか、旧作だったら俺たちはシン・リジィしかやらないという台詞とか、ニンマリしてしまうところが色々あって、大枠の不満を覆すだけの要素が豊富な作品だ。

SH