「低予算で…」ONCE ダブリンの街角で ジンジャー・ベイカーさんの映画レビュー(感想・評価)
低予算で…
ジョン・カーニー監督作はシングストリートに続き本作が2作目。
ストーリーは音楽を通して男女が心を通わせていくというもの。
ストーリー、脚本はシンプルでひねりは特になく、わかりやすい。彼らの音楽もゆったりとしたバラード調の曲が多く、そのムードとストーリーは完璧にマッチしている。
外のシーンが多いが基本的に曇り空で作品全体に切なくて、鬱屈した雰囲気が漂う。ハンドカメラで撮っており画質が悪いことからも低予算で作られた映画であることはわかるが、それがリアリティを生み出し、鑑賞者の心に寄り添うものとなっている。
キャストには俳優を使っていないようだが、特に演技が下手だとは思わなかったし、アーティストならではの演奏が聴けたので良かった。
特にこだわった演出はないが、演出が少ないからこそ良い意味で映画っぽくないっていうか、見ていてスッと心に染みる気がした。
個人的にはシングストリートよりも楽しめた。あの作品はパワフルでハッピーな映画だから全くテイストは違うけど、楽曲とストーリーを本作の方がより楽しめた。
はじまりのうたも早く鑑賞したい。
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