「絶望の末に見える希望の光」キャンディ 百ももさんの映画レビュー(感想・評価)
絶望の末に見える希望の光
キャンディとダンという二人の男女が深く愛し合いながらも、ドラッグに溺れ徐々に破滅への道を歩むーー
ストーリーそのものはありがちで既視感を覚えた。しかし演出や描き方はうまく、なかなか見応えのある作品。
全てが黄金に輝いて見えた幸せな時期から、すれ違いが生じ、そして全てが崩れ落ちていく過程はよく描かれている。だが、そもそもなぜ二人があれほどまでに愛し合っているのかが描かれておらず、序盤は感情移入できなかった。
主演のヒース・レジャーの演技はさすが。どうしようもないダメ男ながら、キャンディへの愛情を深く瞳に携えたダンを演じていた。またキャンディ役のアビー・コーニッシュも、儚さと脆さと、そこから零れ落ちるキャンディ本来の美しさを見事に表現していた。
ラストはほのかな希望を感じさせると同時にどこかもの悲しさも。個人的には少し意外な展開だったが、救われた思いだった。
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