劇場公開日 2007年9月22日

「目新しさはないが見応えはある」キャンディ Casaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0目新しさはないが見応えはある

2007年10月11日

悲しい

ドラッグに溺れる若い男女の無軌道な青春と、結婚生活が破綻していくまでを描いたラブストーリー。話は陳腐だが、オーストラリアでは高名だという国際的な舞台演出家でもあるニール・アームフィールド監督(日本でいうところの蜷川幸雄といったところ?)の演出が確かで見応えはある。

痛々しく苦々しい登場人物は共感できるものではないが、お互いだけが全てのような恋の始まりから、やがてすれ違いが生じていき、恋が終わっていく(その様子を本作では天国 heaven・地上 earth・地獄 hellの3章に分けて描いている)――その様子は切なく儚い。何かを取り返したいと思っても、もう取り返しがつかないところまで堕ちていく。悲惨な物語だが、ラストにはかすかな希望も感じられる。

主人公のヒース・レジャーや、共演のジェフリー・ラッシュもいいが、何よりもヒースの相手役でタイトルロールを演じたアビー・コーニッシュは、次期ボンドガールとして名前も挙がっているのもうなずける魅力だ。今回はかなり破滅的で汚れな役だが、もっと輝くような役も見てみたい。第2のニコール・キッドマンになれるか?

Casa