KIDSのレビュー・感想・評価
全4件を表示
爽やかなので、汚れちまった大人向けではない
最近のだめカンタービレを読んでいて、玉木宏さんを思い出していたのと、Amazon primeでもう少しで配信か終わってしまうとのことで鑑賞。
主演の3人が今でもご活躍ですし、今の自分にはなんだか小っ恥ずかしくなってしまう内容でしたが、子供の頃に観ていたら、玉木宏のイケメンぶりに恋してしまったでしょうし、アサトくんの優しさにもグッときたのかもしれません。
コロナでマスクに慣れすぎて、途中まで栗山千明さんのマスクに気付いていなくて、自分ヤバいと思いました(笑)
学校で時々、映画教室ってあったな(体育館で学年ごとに映画鑑賞する)と、思い出しました。
夏休み子供映画として良作なんではないでしょうか。
個人的には、斉藤由貴さんの暗いシーン最高。
あと、泉谷しげるさんも大好き。
この出会いがそれぞれの運命を変えた
私が当時まだ小学1、2年の頃にリアルタイムで鑑賞した作品ですが、幼い頃に見た作品なのに凄く衝撃的で鮮明に覚えています。
私は栗山千明さんはバトルロワイヤルを鑑賞していたので知っていましたが、小池徹平さんと玉木宏さんはこの作品で知りました。
他人の傷を自分に移すことができる不思議な力を持った青年アサト(小池徹平)と喧嘩ばかりに明け暮れ前科持ちの青年タケオ(玉木宏)、そしてダイナーで働き人前では絶対にマスクを外さない少女シホ。
それぞれ心と体に傷を抱えた三人の出会いが運命を変えていく。
この作品、有名なので知っている方も多いかと思いますが、作品を知らない今の若い世代の人にも是非見てほしい大好きな作品です。
乙一がいくら和製スティーヴン・キングと称されているからといって、冒頭から「スタンド・バイ・ミー」をかけるとは・・・
冗談なのか、本当に和製スティーヴン・キングとして祭り上げたいのか理解しにくいところでしたが、最終的には男の友情を感じる作品になっていました。男2人と女1人が中心になってることや、栗山千秋が最初からずっとマスクをしているので、また薬剤師の役?と、最初は違う映画まで思い出してしまい、そのマスクの下が気になりつつ物語は進んでいきます。
ある日荒んだ町にやってきたアサト(小池徹平)はタケオ(玉木宏)の目の前で超能力(=テレコキネシス)を使ってしまいます。それに興味を持ったタケオは不良に絡まれているアサトを助けた際、人の傷を自分に移す能力まで持ってることがわかる。物を動かすことが出来るんだから傷くらいお茶の子さいさいです。だけど、アサトは能力を悪いことに使おうとはしない・・・喧嘩に明け暮れているタケオだったが、なぜかピュアなアサトに惹かれていくのです。
タケオも傷害で捕まったこともあったのですが、なんとアサトも母親を刺した罪により保護観察中。そして顔に傷を負ったシホとの関係が絶妙なタッチで描かれる。単純なプロットのようでもあり、親子の確執、そして復讐の連鎖など、考えさせられることが多いのです。また、顔の傷を治すことも簡単なのに、その治療がもたらす結果とか。全ては3人の友情に絡んでくる。なにしろ3人とも「初めて友だちができた」のですから・・・なかなか考え付かないです。
クライマックスの交通事故のシーンはさすがに胸が熱くなってきて、火災が起こった瞬間にこちらまで息苦しくなってくるほど。なんだか『パッション』を思い起こすほどの痛々しさだったのです。そして、斉藤由紀の一言がきつい!グサっときました。なんだかアサトの心の傷が観客席まで移ってしまうような・・・ちくしょー、超能力使いやがったな・・・てな感じでした。最後はちょっと好きじゃなかった。もっとキングキングしてほしかったです。
半分こできる幸せ。
乙一の短編小説「傷 -KIZ/KIDS-」を映画化したファンタジー。
この人の小説は読んでないけど、映画化されたものはみんな好き。
ミステリーとファンタジーが融合しながら、異常に切ない世界観、
さらに今の社会的な現実に則した描き方をしてくる。
今回の話も、幼児虐待・いじめ・暴力という暗い題材をあげながら、
それを上から説教して見せるのではなく、何がそうさせてきたかを
親子関係を軸に、ジリジリと生傷のように焙りだしていく描き出し。
それが痛く辛い想い出であるほど、乗り越える力は予想を超えるが、
誰かと半分こで分け合えるんだよという事を温かく示唆してくれる。
肉親との温かい関係が薄れつつある今、その反動なのか、
アカの他人のために奉仕をする人間が増えているのだそうだ。
今作で描かれるアサト(原作では小学生?ぐらいの設定らしい)も
母親への思慕と悔恨の狭間で苦しみ、自分を傷め続けることで
精神のバランスをとっている。そんな彼と出逢うタケオも実は、
彼とまったく同じところに位置している青年。誰かに愛されたい、
せめて、生まれてきて良かったと思える場所に身を置きたいと、
幼少期からそんな想いを抱えている子供達…なんて、画面上で
観ているだけでも異常に辛いものだ。なんて世の中だとも思う。
でも、意外にそれが現実だったりするのだ。
その二人に、シホという傷のある女の子が絡み、三人の穏やかな
日々が続いていく。同じ傷を抱える者同士、やっぱり仲良くなれる。
ただ人間は(というか、若い時は誰でもそうだな)もっと違う世界を
経験したくなるものだ。もし自分に「見える過去」さえなかったら…
違う未来が拓けてくるかもしれない。シホの願いは私も理解できる。
いったん旅立った鳥が、同じ土地に戻って巣を作るかどうか、は
むろん個人の意志や価値観によるものなので、どうにもならない。。
さまざまな傷を自分に移すことで、自身を安定させるアサトが、
自分を大切に想う存在に出逢い、成長し、もっと生きてみようと
前向きな笑顔を取り戻す後半が(ちょっとムダに長い気もするけど)
素晴らしい~。そしてタケオの真の思いやりにも涙があふれた。
これを観て、子供達がどれだけ親の愛情を切望しているかを
感じない大人はいないと思う。親子の縁は、やはりすさまじい。
だから題名は「傷」と「キッズ(子供)」をかけているのだな…と。
この乙一さんは、まさか虐待などされていなかっただろうけど^^;
ここまで気持ちを汲み取ることができるのが、すごく不思議だ。
異常に重々しい映画かというとそんなことはなく、ホッとできる
シーンもある。全体的にゆったりとしたイメージが漂い、
私ならどうするだろう…と考える時間の余裕をくれる佳作。
(小池くんは童顔だけど上手いなぁ。天才子役になれるぞ?^^;)
全4件を表示