プラネット・テラー in グラインドハウス : 映画評論・批評

2007年9月18日更新

2007年9月22日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ、みゆき座にてロードショー

「デス・プルーフ」以上に徹底したB級マニアぶりを見せつける

突如発生したゾンビの群れ。アナログな武器を手にし、死地に飛び込む男と女。自作の音楽をフィーチャーしたロックンロールなノリも含め、ジョン・カーペンターの「ゴースト・オブ・マーズ」を彷彿とさせる無頼活劇である。しかし愚直なまでにオールド・ファッションゆえに偉大なカーペンターに比べ、20歳も若いロドリゲスははるかに器用な監督だ。「スパイキッズ」「シン・シティ」といった映像様式も観客層も異なるフィルモグラフィがその点を裏付ける。そんなロドリゲスだけに“グラインドハウスへのオマージュ”という企画の趣旨も外さない。タランティーノほどB級映画館の洗礼を受けていないにもかかわらず、「デス・プルーフ」以上にグラインドハウス的なごった煮快作を作り上げた。

片脚にマシンガンを装着したダンサー、さすらいの早撃ち野郎といった曲者キャラの面白さ。むろんユーモアありお色気ありで、ベッド・シーンが始まったとたん“一巻消失”のテロップの挿入タイミングも完璧だ。さらにゾンビ(正確には生物兵器の感染者)をウェットな“イタリアン風”に設定し、血と膿をドバーッとまき散らす汚物描写のしつこさに、苦手な人はたまらずオェーッとなろう。

これまでロドリゲスの器用さをネガティブな意味で捉えてきた筆者も、こうも徹底したB級マニアぶりを見せつけられたら考えを改めざるをえない。「つべこべ言わず、楽しみやがれ!」。そんなゾンビとアウトローどもの雄叫びに、ごもっともと頷くしかないのだ。

高橋諭治

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