劇場公開日 2007年9月1日

「くだらなくていいのさ」デス・プルーフ in グラインドハウス あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0くだらなくていいのさ

2009年8月14日
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

怖い

興奮

「レザボアドッグス」ですごい人がいるもんだと思い、
「パルプフィクション」でこいつは本物と思い、
「ジャッキーブラウン」で巨匠の領域に入ったと思い、
「キルビル」はまったくついていけなかったのですが、

本作はついていけなさを通り越してやっぱりタランティーノはすごい!
と思った作品です。

他の人がレビューで、「タランティーノはビッチを集めるのがうまい」と書いておられましたが、まったくの同感。この映画、ビッチしか出てきません。そして、ここまで「ビッチ」をうまく描き、高尚な文化にまでしてるのですから、映画人としてこの人はやっぱり一級品なのです。

だって、普通に生きてたら、ここまで目を皿のようにしてビッチを描けないですよ。すこしでも道徳やら、常識やらといったものが頭をもたげたら、ここまでビッチを躍動させることなんて無理です。

この人の精神性そのものが、低俗にして高潔なのだと思います。本当に低俗文化を愛してるのだなと思います。どこまでも常識に対して挑発的な映画なのですが、この世界を受けいれられたら、心がもっと自由になるような気がしました。

あんゆ~る