劇場公開日 2007年9月1日

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 : 特集

2007年8月30日更新

「エヴァンゲリオン」12年の歩み~新世紀に生まれ変わる新劇場版

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■新世紀に“サードインパクト”発生!?=「新劇場版」誕生

先述の劇場版で完結を迎えた「エヴァ」。気がつけば時は流れて、21世紀。正真正銘の「新世紀」に突入した後も、コミック連載(現在も継続中)やゲーム、最近ではパチスロの大ヒットなども含め、「エヴァ」は脈々と生き続けていた。そして「THE END OF EVANGELION」公開から10年目を迎える07年に、新生「エヴァ」が始動する。

物語の出発点は同じだが、中身は別物になる?
物語の出発点は同じだが、中身は別物になる?

06年10月、「エヴァンゲリオン新劇場版 REBUILD OF EVANGELION(仮題)」として新劇場版が発表される。「REBUILD(再建する)」が示すとおり、ゼロから物語を作り直すもので、原作者であり監督の庵野秀明は「映像制作者として、改めて気分を一新した現代版のエヴァンゲリオン世界を構築する」と所信表明で語っている。

そして現在、タイトルを「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」と正式決定し、前編を「序」、中編を「破」、後編を「急」として製作が進行中(完結編については、現在のところ「?」とされている。ちなみに「序破急」とは日本の雅楽、能楽、舞楽などの古典芸能における典型的構成とされる3つの楽章を指す)。「序」は今年9月1日に公開され、「破」が08年公開、そして最後に「急」+完結編がまとめて公開される予定だ(公開時期は未定)。

■ところで「新劇場版」はどこが違う?

カラーリングなど細部がTV版と異なるメカデザイン
カラーリングなど細部がTV版と異なるメカデザイン

基本的な世界観や設定はTV版と同じだが、細部に修正が加えられる。エヴァや使徒のデザインなどもリファインされ、新キャラクターも登場するという。監督が「誰もが楽しめるエンターテインメント映像を目指します」と語っているように、かつての破滅的な結末とは異なり、ハッピーエンドになるのではとも言われているが、物語については詳細がベールに包まれたまま。

「序」ではまず、主人公シンジがエヴァのパイロットになり、TV版第六話で描かれた使徒との戦闘「ヤシマ作戦」(日本中の電力を全て集めた陽電子砲で使徒を打ち抜くため、日本列島全てが停電するという大規模な作戦)までが描かれ、TV版の序盤と同様の展開を見せそうだ。そして「破」からは新しいエヴァ、新しいキャラクターも登場するという。「破」以降どのように展開していくかは、全く予測がつかない。

ちなみに、TV版では「ヤシマ作戦」の段階でメインキャラクターのひとり、アスカはまだ登場していなかった。そのためか、発表されている「序」のポスターにはアスカが描かれていない。しかし、TV版では第弐拾四話から登場し、わずかな出番ながら強い印象を残したカヲルがすでに描かれ、予告編にも映っているため、新劇場版では彼が序盤から登場するようだ。発表されている情報は少ないが、そんな憶測をしてみるのも楽しみのひとつだろう。

人気キャラの渚カヲルが序盤から姿を見せる?
人気キャラの渚カヲルが序盤から姿を見せる?

主題歌は宇多田ヒカルが担当。新曲「Beautiful World」がテーマソングになるほか、彼女が歌う「Fly Me To The Moon(In Other Words) -2007 MIX-」(99年発売のシングル「Wait & See ~リスク~」に収録された「Fly Me To The Moon (In Other Words)」のリミックス)が予告編第1弾に使用されている。「Fly Me To The Moon」といえば、TVアニメ版のエンディングテーマとしてファンにはおなじみだ。

ブームから10年以上がたち、いまだ熱狂的なファンを持つこの作品が、21世紀にどのようなかたちで再構築されるのか? TV版、旧劇場版に続く3度目のインパクトを引き起こせるか? 世紀の瞬間はもうすぐそこに迫っている。

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