「人生は喜劇だ」ザ・マジックアワー てぃちさんの映画レビュー(感想・評価)
人生は喜劇だ
まず、俳優陣の豪華さには舌を巻きます。
ちょい役でも出演している人がすごすぎ。
各プロットごとに笑えるところがあって、細かいところでもくすくす笑える。他の三谷作品を観ている人はさらに笑えるよう配慮されてる。
前半はちょいネタとスリリングな展開、その所々に布石がバァーと並んで、後半は仕掛けられた爆弾が一気に爆発するように劇場を笑いの渦に巻き込んでいく。
やっぱり三谷幸喜の作品は面白い。
きになったことは、他の映画でもたまにあることだけど、あのエンドロール。
舞台セットを製作しているところを映しちゃうこと。
ああいうのは僕は好きではないんだけど、どういうつもりでつくっているんだろう。
一つの世界を提供するのがエンターテインメントではないのか。
制作の過程を見せてしまったら世界観が壊れてしまうのに。
でもあえてそれをしたということは、何らかの意図が隠れているはずで、例えば作品をプレテクストだと考えると、最後に撮影の過程を映すことで、「この物語はフィクションです。」って宣言したのだと思う。
作中で綾瀬はるかが「この街は映画のセットみたい。」って言うんだけど、まぁその通りなわけで、というかそこが面白いところなわけで。
この映画はそもそも(売れない)役者が主役な訳だし。
でも登場人物は自分が映画になっていることに気がつかない。そこが喜劇なのだと思う。
つまりこの映画を通して三谷幸喜は、人生は喜劇だって言いたかったのかもしれない。
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