天然コケッコーのレビュー・感想・評価
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ちょっと昔の田舎の青春ラヴストーリー
『ひぐらしのなく頃に』の怖さと不思議さの部分を取り除いたような作品。
田舎町の雰囲気が、懐かしい記憶を蘇らせてくれる。自分の思い出と共通する箇所が僅かしかないというのに。
原作漫画の絵の雰囲気と実写化された雰囲気は随分印象が違う。
実写映画ならではの良さや魅力がある。
コミックの土俵とは違っていることをわきまえていて、それぞれ棲み分けされている成功例だと思う。
夏帆さんが扮する右田そよ視点で爽やかで楽しいのもあるが、岡田将生さんが魅力的な転入生の大沢広海にキャスティングされたことが大きな功績であった。
ファンタジー要素はゼロだが、そよの父親(佐藤浩市)の浮気疑惑もあって面白い。
ちゅーしたり初々しい恋愛もちょっとあって、ほのぼのした素敵な雰囲気を定期的に観たい。
心地良い
修学旅行が東京
夏帆ちゃんがサイコーに繊細。人が写っていない自然のシーンが素晴ら...
夏帆ちゃんがサイコーに繊細。人が写っていない自然のシーンが素晴らしい。子どもたち、さちこちゃんも素晴らしい。
岡田くんの掴みどころのない感じもうまい。最後に坊主頭が出てきたときに感動した。少しぶっきらぼうだけど彼も繊細。石を砕いて彼女に渡すシーンは素晴らしい。
森校に向かう電車の中のシーン。
東京。
先生も素晴らしいし。
【田舎の分校に東京からやって来た男子と、方言丸出し少女の淡い恋を描いた作品。若き、夏帆さんの豊かな演技力に驚いた作品でもある。岡田将生さんも、大成したなあ。】
■小中学生あわせても全校生徒が6人という田舎町の分校に、東京からイケメンの転校生・大沢広海(岡田将生)がやってくる。
中学2年の右田そよ(夏帆)は、初めての同級生に心ときめかせるのだが、広海はどこかよそよそしい。そんなある日、そよたちは海水浴に行くことになり…。
◆感想
・作品の背景を彩る島根の浜田の美しい風景の中、中学生男女の恋を、虚飾なく描いた作品。
取り分け驚かされるのが、お下げ髪の夏帆さんのの可愛らしさと、豊かな演技である。
ー ぶっきら棒な、大沢の言動に振り回される姿や、自分自身の性格に悩む姿を、ナレーションを含め、絶妙に演じている。-
・若き、岡田将生さんも存在感を放っている。
ー 初見時には、知らなかった俳優さんであった・・。-
・少し残念だったのは、そよのお父さん(佐藤浩市)と、広海のお母さんとの関係性が、巧く描かれていなかったところかな・・。
<今作は、何ら、大袈裟なストーリー展開がある訳ではないが、島根県の浜田の美しい風景を背景に、中学生男女の仄かな恋を描いた作品。
今にして思うと、夏帆さんも、岡田将生も今や邦画を代表する若手俳優である。
この作品を鑑賞すると、その理由が良く分かると思った作品でもある。>
田舎の全校生徒わずか6人しかいない分校に転校生が東京からやって来る...
朝ドラみたいな優しい映画、ノスタルジーさも楽しんで
朝ドラを観ているような優しさとマッタリ感。何も起きないからこそ良く写ったり、ちょっと合わない部分もあったり。
夏帆の透明感が半端じゃない。ドが付くほどの田舎の中学生で、天然が故に友達を傷つけてしまうような節もある女の子。そんな彼女が出会うのは、ちょっとよくわからないようなシティボーイ。岡田将生が今も変わらなくてビックリ。ただ、自分が悪いのだが、年齢と関係を把握しきれなかったが故に、夏帆のポジションが掴み難かった。最年長にしては立ち振る舞いが弱いし、真ん中にしてはちょっとむずかしいという難しいというか。その辺がクッキリするとまた違って写った気がする。
映画の公開は2007年。まだ小学生低学年だった私からすれば、あの年代の東京もかなり新鮮。メモリー的な要素も含んでいるから、なんだか観てて面白い。田舎よりも都会派なのであっちの暮らしに憧れはしないけども。それでも、あの居心地の良さを知っていると都会は行きにくいんだろうなと思った。街に出るだけでも発見があるわけで。と言っても、浮気はあったり、郵便局員がバリバリのロリコンだったり、その細かな役周りはいるかと言われると…って感じ。あえて事件が起きないという点ではいいのかもしれないけど。とにかく、ノスタルジーを諸々感じた点では、映画館では味わいにくい体験だったのかなと思う。ちょっと得した気分。
それにしても主演のふたりが今も一線にいることが凄い。そんなふたりの初々しさと眩しさを堪能できた。引き続きドラマに映画に観たい。そう思える1本だった。
岡田将生のルーツを辿る、シリーズその1
スリリングで端整な仕上り。
雰囲気を楽しむ作品です。余韻が心地よいです。
夏帆16歳
さわやか~
心に残る名作です 大好きな作品の一つになりました
心洗われるとはこの事
素晴らしい映画に出会えた幸せを感じます
本作の主人公は、もちろん夏帆が演じるそよです
でも、本当の主人公は別にいます
それは島根県の美しい田舎の光景、田舎の人々、田舎の言葉です
それを抜群に上手いカメラが丁寧に撮影しています
序盤の真夏のシーンからもう感嘆しました
あれだけの強烈な夏の日射しの中で撮影しているのに、被写体が黒つぶれせずにハッキリと明るく色彩感豊かに撮影できているのですから!
暑さ、湿気、海風の心地よさ
そういうスクリーンの向こう側の世界の肌で感じるものが映像だけで感じ取れる撮影なのです
それはやがて、秋、冬、春、また1年と季節の移り変わり毎の、温もりや、冷気や、微風がそれぞれのシーンでも展開されるのです
カメラは近藤龍人
その名前を記憶したいと思います
独特のゆったりとした田舎のテンポが、夏帆のもつナチュラルな雰囲気と渾然一体となって没入感が半端ないレベルに達してしまいます
だからこんなゆったりとした映画なのにあっという間に終わってしまいました
終盤に近づき、そよが黒板にキスして教室を出た後の薄暗い誰もいない教室をカメラがゆっくりとパンして見渡していきます
やがて白いカーテンにカメラが止まります
そのカーテンがそよいで、外の陽光の明るさ、温かかさ、心地よい薫風と共に桜の花びらが幾つか吹き込んできます
ああ終わってしまう!もっと観ていたい!と願うほどです
天然コケッコーのタイトルは原作の少女漫画のまま
映画ではエンドロールが全て終わった最後の最後にニワトリ小屋と主要登場人物が映ります
何も事件らしい事件は無いようで、郵便局の窓口で、そよの母と、大沢の母が隣合わせになり、一言二言言葉を交わす緊迫感の凄いこと!
さらにさよと母が、あっちゃんの床屋に向かう手前でのスローモーションのシーンは息を呑みます
さよの表情が一変すると同時に、さよの母の顔も一瞬そちらに向いているのです
そして次のカットでは何事もなく床屋の椅子に座っているのですから圧巻です
しかし何事も無かったように一見何の変化も起きていない母の顔に、確かに感情が吹き出ているように見えるのです
ものすごい演出力と演技力でした
心に残る名作です
大好きな作品の一つになりました
山下敦弘監督の実力や恐るべし!
このような田舎がいつまでもあるからこそ、日本は日本でいられるのだと思います
あれからもう13年
さっちゃんももう成人式を済ませているのです
あの小学校中学校はやっぱり廃校になってしまったのでしょうか?
田舎が無くなってしまったら、日本人は日本人でいられるのでしょうか?
そんな無言のメッセージが込められていたように思いました
やっぱり夏帆はいい俳優。
もう戻れない時
なつかしい思いにさせる映画
まだ中学生だった頃
村の大人たち
村の子どもたち
村の道を歩けば、親の名やおじいちゃんの名前まですべて知られている。
なにか事件が起これば、半日もしないうちに村中に知られる。
買いたいものがあれば、遠くの街までバスで出かけなければならない。
「ああ、いやだこんなところ」と思っていた
「東京ってどんなところなのだろう・・・」
魅力的ないろいろな物に溢れ、魅力的で不思議ないろいろな人が活躍しているのだろう・・・、そんな風に思っていたのだが。
山手線の通勤電車の中で、東京駅の雑踏の中で、もう何年も前の瀬戸内海岸の故郷の村をふと思い出す。
金色に輝いた田んぼの中の通学路
色鉛筆を買いに行った雑貨屋のおばあちゃん
「手が冷たいじゃろ」と手袋を貸してくれた高校生のお姉ちゃん
あのお姉ちゃんはそよちゃんだったのか。
夏になれば、海岸で遊んでいた。
瀬戸内の強烈な陽の光は、真っ白なシャツが良く似合っていた。
そんな風に、懐かしい思いにさせる映画だった。
あの時は、ほんとうは豊かな時間だったのかもしれない。
そよちゃんは、そのささいなことの輝きに、気が付いていたのだろう。
子供の頃エキストラで出た作品
過疎の村の7人の子どもたち
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