「物語の中に引きずり込れました」リトル・チルドレン ジェットさんの映画レビュー(感想・評価)
物語の中に引きずり込れました
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パトリック・ウィルソンの役に自分を重ねて、観ました。
司法試験に合格する努力もしていないのに望みだけは持ち続ける。でも中年半ば過ぎあたりから自分の限界に気づきはじめる。キャリアウーマン的なとびきり美人な妻そして、裕福そして厳格な祖母、そんな2人からの期待の中での胃が痛くなるような生活。唯一の安堵感が味わえる瞬間は、若者のスケボー鑑賞。そんな胸苦しい生活の中で、美人でもなく、スタイルも格別に良くもないが、屈託もなく平凡な一人の女性に引き込まれていく。そして、現実から逃げ出して彼女と一緒に逃げる決意をする。でも、結局は、別れの手紙も妻に渡す事もなく、逃げ出す事もやめてしまう。
そんな根性なし中年男に、自分を照らしあわせながら、観ました。やっぱり私もと言うか大抵の大人は、同じ事をしたと思う。いい歳をしてから、冒険は出来ないよねー。結局は今まで通りのヌルヌルした幸せな生活を選んじゃいます。
スクリーンを通してストーリーの中に吸い込まれる感じがして、不思議な高揚な気分を味わいながら、鑑賞しました。
キャスティングもいいよねー!ケイト・ウインレットは、体当たりの文句なしの演技だし、ジェニファー・コネリーはいつまで経っても美しいよね。食事のシーンで、夫の浮気を察する時のあの目つきには、一瞬ゾッとしました。それから、気色悪いサイコの役を演じたジャッキー・アール・ヘイリー。最高でした。あのキャラがなかったら、ただのオチの悪い不倫映画で終わるところでした。
何の不自由もないのに、不満に満ちた人生を送っている中年男性には、お勧めの映画です。
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