ミス・ポターのレビュー・感想・評価
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彼女がいなかったら『ツバメ号とアマゾン号』は生まれなかった かも
ウィンダミア湖 こころの故郷って言っているが、僕にとってもこころのふる里だ。
でも、僕はピーターラビットシリーズは未読だ。
僕にとってこの地はアーサー・ランサムのツバメ号とアマゾン号の舞台となった地だからだ。
さて、アヒルの『ジマイマ』はヒュー・ロフティングのアヒルのガブガブに受け継がれる。そして、ドリトル先生シリーズは沼のほとりパドルビーが主な舞台。イギリス児童文学はこうやって継承している。
自分の道を切り開くこと
映画公開当時に映画館で観て、今回、2回目の鑑賞。
ところどころ覚えていたが、ミス・ポターは一生独身だったと勘違いしてた。恋に落ちるところは覚えてたけど、何で別れたんだっけ?と思ってたら、悲しい理由だった…。
人間の記憶なんて曖昧だ。
イギリスの湖水地方は一度訪れたことがある。湖がいくつも点在していて、自然豊かな美しいイギリスのカントリーサイド。
その中のひとつ、ウィンダーミア湖のそばに、日本でも人気の、世界的に有名な絵本『ピーター・ラビット』の作者、 ビアトリクス・ポターが住んでいた家がある。 本当にキレイなところで、カメラのレンズでどこを切り取っても、 絵葉書のような風景が広がる。日本人観光客に人気のスポットでもある。
この映画は、ビアトリクス・ポターの実話に基づいたストーリー。イギリスは大好きなので、この映画の風景や小物、イギリス英語も全て大好き。
映画の感想は、15年前の公開当時に書いたものを。再度見ても同じ感想だったから。
時代は1900年初頭。この頃のインテリアや小物はとってもカワイイ。ストーリーも素敵で、私は好きな映画だった。
ロンドンの裕福な家庭に育ちながらも、自立して絵本を出版し、 自分で得た財産で子供の頃から夏を過ごした湖水地方のコテージを買い、その周りの農場や土地を開発から守るために次々と購入し、自然を守り続けた女性、ミス・ポター。
39歳で婚約したものの、いろんな事情で実際に結婚をしたのは47歳。 この時代でこの年齢は、かなりの晩婚の上、社会的にも風当たりは相当強かったと思う。
しかし、イキイキと自分の人生を生きていく、強くて可愛らしい主人公のミス・ポターに、とても気持ちがポジティブになった。
中でも印象的な言葉は、彼女が裕福な実家を出て独立しようとする時に父親に対して言うセリフ。
“I must make my own way.”
これに父は、
“You must. Yor must.”
と送り出してくれるところ。
自分の人生は自分で切り開いて行かなければならない。
当たり前の事なんだけど、力強いこのセリフは私の心に響いたのだ。
ちょっと元気がない時に観たい映画。
今の私はちょっと元気ないから、観て良かった。
ピーターラビット!
「あなたが住む僕の心を僕は大切にしたいと思う」これは、離れて遭えないポターにあてた最期のラブレター。ピーターラビット誕生の裏には初出版を手がけてくれたノーマンとの素敵な出会いと悲恋があったのですね。彼自身、彼女のお友達(ピーターや登場する動物達)をとても愛してくれ、彼女の創作を後押してくれたのがよくわかりました。ポターは彼との別れを乗り越え、両親の元を離れ「心の故郷」と呼ぶ湖水地方へ移り住み、自然保護に積極的に貢献、水長るる如くの自然な生き方を全うしたと思います。観終わったあと、清々しい心にさせてくれた作品です。
金を出して買いたかったんだよ
映画「ミス・ポター」(クリス・ヌーナン監督)から。
久しぶりに、上品なトーンの画面で癒され、
「ピーターラビット」の生みの親、ビアトリクス・ポターの
人生に相応しい言葉でスタートした。
「物語の最初の言葉を書き下ろす甘美な喜び、
その先は、未知の旅に出て、私はここに来た。」(心の故郷)
この作品で気になったのは、ポターと恋人との関係ではなく、
母と娘、父と娘の関係であった。
どちらも、娘の幸せを願うことには変わりがないが、
結婚に幸せを求め、縁談ばかりすすめる母、
それに引き換え、娘のやりたい事に理解を示そうとする父。
そんな父親の気持ちを表現していたのが、
「金を出して買いたかったんだよ」
(親の反対を押し切って)出版した娘の本の評判を友人たちから聞き、
「父親として、1冊買わなくてはと、本屋に寄って買い求めた」と告白。
彼女は「(そんなことしなくても)贈呈本があるのに・・」と返すが、
そんな台詞をさえぎるように「金を出して買いたかったんだよ」。
そして「お前は私の『誇り』だ」と抱きしめるシーン。
分かるなぁ、この気持ち・・とメモをした。
本来ならずっと一緒にいたいのに「私に道を選ばせて・・」と言われ、
娘の独立を見守る父親に、熱いものを感じた。
監督の伝えたかったものとは違うことは承知の上で、採り上げてみた。
ピーターラビットの本、急に読みたくなったので、
早速、地元の図書館で借りてこなくちゃ。
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