「金を出して買いたかったんだよ」ミス・ポター shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
金を出して買いたかったんだよ
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映画「ミス・ポター」(クリス・ヌーナン監督)から。
久しぶりに、上品なトーンの画面で癒され、
「ピーターラビット」の生みの親、ビアトリクス・ポターの
人生に相応しい言葉でスタートした。
「物語の最初の言葉を書き下ろす甘美な喜び、
その先は、未知の旅に出て、私はここに来た。」(心の故郷)
この作品で気になったのは、ポターと恋人との関係ではなく、
母と娘、父と娘の関係であった。
どちらも、娘の幸せを願うことには変わりがないが、
結婚に幸せを求め、縁談ばかりすすめる母、
それに引き換え、娘のやりたい事に理解を示そうとする父。
そんな父親の気持ちを表現していたのが、
「金を出して買いたかったんだよ」
(親の反対を押し切って)出版した娘の本の評判を友人たちから聞き、
「父親として、1冊買わなくてはと、本屋に寄って買い求めた」と告白。
彼女は「(そんなことしなくても)贈呈本があるのに・・」と返すが、
そんな台詞をさえぎるように「金を出して買いたかったんだよ」。
そして「お前は私の『誇り』だ」と抱きしめるシーン。
分かるなぁ、この気持ち・・とメモをした。
本来ならずっと一緒にいたいのに「私に道を選ばせて・・」と言われ、
娘の独立を見守る父親に、熱いものを感じた。
監督の伝えたかったものとは違うことは承知の上で、採り上げてみた。
ピーターラビットの本、急に読みたくなったので、
早速、地元の図書館で借りてこなくちゃ。
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