「自分の道を切り開くこと」ミス・ポター yumekoさんの映画レビュー(感想・評価)
自分の道を切り開くこと
映画公開当時に映画館で観て、今回、2回目の鑑賞。
ところどころ覚えていたが、ミス・ポターは一生独身だったと勘違いしてた。恋に落ちるところは覚えてたけど、何で別れたんだっけ?と思ってたら、悲しい理由だった…。
人間の記憶なんて曖昧だ。
イギリスの湖水地方は一度訪れたことがある。湖がいくつも点在していて、自然豊かな美しいイギリスのカントリーサイド。
その中のひとつ、ウィンダーミア湖のそばに、日本でも人気の、世界的に有名な絵本『ピーター・ラビット』の作者、 ビアトリクス・ポターが住んでいた家がある。 本当にキレイなところで、カメラのレンズでどこを切り取っても、 絵葉書のような風景が広がる。日本人観光客に人気のスポットでもある。
この映画は、ビアトリクス・ポターの実話に基づいたストーリー。イギリスは大好きなので、この映画の風景や小物、イギリス英語も全て大好き。
映画の感想は、15年前の公開当時に書いたものを。再度見ても同じ感想だったから。
時代は1900年初頭。この頃のインテリアや小物はとってもカワイイ。ストーリーも素敵で、私は好きな映画だった。
ロンドンの裕福な家庭に育ちながらも、自立して絵本を出版し、 自分で得た財産で子供の頃から夏を過ごした湖水地方のコテージを買い、その周りの農場や土地を開発から守るために次々と購入し、自然を守り続けた女性、ミス・ポター。
39歳で婚約したものの、いろんな事情で実際に結婚をしたのは47歳。 この時代でこの年齢は、かなりの晩婚の上、社会的にも風当たりは相当強かったと思う。
しかし、イキイキと自分の人生を生きていく、強くて可愛らしい主人公のミス・ポターに、とても気持ちがポジティブになった。
中でも印象的な言葉は、彼女が裕福な実家を出て独立しようとする時に父親に対して言うセリフ。
“I must make my own way.”
これに父は、
“You must. Yor must.”
と送り出してくれるところ。
自分の人生は自分で切り開いて行かなければならない。
当たり前の事なんだけど、力強いこのセリフは私の心に響いたのだ。
ちょっと元気がない時に観たい映画。
今の私はちょっと元気ないから、観て良かった。