ミス・ポターのレビュー・感想・評価
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【ピーターラビットの生みの親、ビアトリクス・ポターの自立心溢れる動物を愛し、擬人化した絵にする姿と初めて恋に落ちた男性との悲恋を描く。だが、その後彼女が新たな人生を生きる姿を高貴に描いた作品である。】
■1902年のロンドン。
上流階級の女性が働くことのなかったこの時代、ビアトリクス・ポター(レニー・ゼルウィガー)は湖水地方で出会った動物たちの絵に物語を添えて出版することを夢見ていた。
そんなある日、ポターの作品に惚れ込んだ初めて本の編集に携わることになった編集者・ノーマン(ユアン・マクレガー)の後押しで絵本が出版されることになる。
◆感想
・今作は、単なるビアトリクス・ポターの伝記映画ではない。その中には、彼女が幼少期から動物を愛し、その思いをスケッチする様が描かれている。
ー 彼女は富豪の娘であるが、父は彼女の行いを罰する事は無い。故に、ビアトリクス・ポターは幼少時から素敵な動物の絵を描いて来たのである。
親が子の才能を認めた最良の結果が、ピーター・ラビットシリーズなのが良く分かる。-
・彼女の初出版を後押ししてくれたノーマンとの関係性の描き方も品がある。
ー だが、ノーマンは病に倒れてしまう。そのショックを救ったのが、ノーマンの妹、ミリーである。人間の限りなき善性をサラリと描いている。-
<そして、故ノーマンの支えもありベストセラー作家になったビアトリクス・ポターが行った事。
それは、ピーター・ラビットたちが自由に生きる湖水地方の自然豊かな風景を残す事だった。
競売の際に、彼女は一歩も引けを取らず、大規模な湖水地方を手に入れ、第三次産業にするのではなく、農家として買い取った土地を使うのである。
今作は、一人の自立心ある女性が哀しき想いを経験しつつ、ピーター・ラビットの世界を守るために奮闘した気品溢れる作品なのである。>
彼女がいなかったら『ツバメ号とアマゾン号』は生まれなかった かも
ウィンダミア湖 こころの故郷って言っているが、僕にとってもこころのふる里だ。
でも、僕はピーターラビットシリーズは未読だ。
僕にとってこの地はアーサー・ランサムのツバメ号とアマゾン号の舞台となった地だからだ。
さて、アヒルの『ジマイマ』はヒュー・ロフティングのアヒルのガブガブに受け継がれる。そして、ドリトル先生シリーズは沼のほとりパドルビーが主な舞台。イギリス児童文学はこうやって継承している。
退屈な はなし
サラリとシンプルで、いい。
一言「もっと早く見てもよかったな」。
驚いたのが、ピーターラビットが生まれたのが1900年代初め。
その時代に、独身女性が絵本を作り出版したこと。
へーー。
主人公のポターは、「いいとこのお嬢さん」で。ちょっと不思議ちゃん。
自分の描いた絵と喋ったりとか。
でもこれをレニーが演じたことで、とてもキュート。
相手役で出版担当者が、ユアン・マクレガーって贅沢だ〜。
全体的にほのぼのイギリスな、テイストが感じられました。
家に引きこもってずっと絵を描いていたポターが。
自分で出版社に売り込みに行き、出版し。
いいことも悪いことも経験して、親離れしていく。
悲しみが彼女を大きくしたんだなあ。
ピーターラビットはちょろっと出てくるだけなので。
そこを期待すると、物足りないかも。
100分ほどで「児童文学空前のベストセラー作家」を知れました。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「誰かに愛されるチャンスを逃しちゃだめ」
自分の道を切り開くこと
映画公開当時に映画館で観て、今回、2回目の鑑賞。
ところどころ覚えていたが、ミス・ポターは一生独身だったと勘違いしてた。恋に落ちるところは覚えてたけど、何で別れたんだっけ?と思ってたら、悲しい理由だった…。
人間の記憶なんて曖昧だ。
イギリスの湖水地方は一度訪れたことがある。湖がいくつも点在していて、自然豊かな美しいイギリスのカントリーサイド。
その中のひとつ、ウィンダーミア湖のそばに、日本でも人気の、世界的に有名な絵本『ピーター・ラビット』の作者、 ビアトリクス・ポターが住んでいた家がある。 本当にキレイなところで、カメラのレンズでどこを切り取っても、 絵葉書のような風景が広がる。日本人観光客に人気のスポットでもある。
この映画は、ビアトリクス・ポターの実話に基づいたストーリー。イギリスは大好きなので、この映画の風景や小物、イギリス英語も全て大好き。
映画の感想は、15年前の公開当時に書いたものを。再度見ても同じ感想だったから。
時代は1900年初頭。この頃のインテリアや小物はとってもカワイイ。ストーリーも素敵で、私は好きな映画だった。
ロンドンの裕福な家庭に育ちながらも、自立して絵本を出版し、 自分で得た財産で子供の頃から夏を過ごした湖水地方のコテージを買い、その周りの農場や土地を開発から守るために次々と購入し、自然を守り続けた女性、ミス・ポター。
39歳で婚約したものの、いろんな事情で実際に結婚をしたのは47歳。 この時代でこの年齢は、かなりの晩婚の上、社会的にも風当たりは相当強かったと思う。
しかし、イキイキと自分の人生を生きていく、強くて可愛らしい主人公のミス・ポターに、とても気持ちがポジティブになった。
中でも印象的な言葉は、彼女が裕福な実家を出て独立しようとする時に父親に対して言うセリフ。
“I must make my own way.”
これに父は、
“You must. Yor must.”
と送り出してくれるところ。
自分の人生は自分で切り開いて行かなければならない。
当たり前の事なんだけど、力強いこのセリフは私の心に響いたのだ。
ちょっと元気がない時に観たい映画。
今の私はちょっと元気ないから、観て良かった。
ピーター・ラビットの誕生とビアトリクス・ポターの生き方
ビアトリクス・ポター(1866−1943)の伝記的作品。
服装やインテリア、風景、ポター嬢の生き方がとても素敵だった。
また、実家を出て行くことをめぐる父娘のやり取りがエモかった。レニー・ゼルヴィガーさんの演技が光っていた。
可愛い
ハリー・ポッター作者の伝記映画だと思ってた・・・
ピーター・ラビット生誕の地とでも言うべきイングランド湖水地方。豊かな自然と広大な農場、余生はこんな場所で過ごしてみたいと思わせる映像でした。1902年、イギリスは産業革命の影響で次々と開発による自然破壊が進んでいた時代。ビアトリクス・ポターの第二の夢でもある自然保存がナショナル・トラストによって守り続けられたおかげで、こうした映像を撮ることができたのでしょう。
絵に描いたピーター・ラビットと仲間たちが動き出す。それはビアトリクスが物語を創作中であったり、悩んでいるときなどに可愛らしく動くのです。普通ならば人間嫌いの孤独な女性かと捉えてしまうのですが、彼女はそうではない。随分と社交的だし、自らの夢を追求するためには妥協なんてしない性格。動物は友達なのです。ビアトリクスが乗り移ったかのように、レニー・ゼルウィガーの演技が彼女の心を伝えてくれるかのようでした。
ユアン・マクレガーもエミリー・ワトソンもまぁ良かったのですが、ミス・ウィギンを演じた人も気になる存在。ビアトリクスの監視役であるかのような女中さんでしたが、独身同盟を貫いたのでしょうか。その後が気になってしょうがないのです。そして、昆虫採集が趣味だった弟バートラムが大人になってから登場しないのも気になったのです。まだ続けていたのでしょうか・・・
ポターについては何も知らなかったけど、封建的な時代なのに身分違いの恋を貫こうとする姿勢や、主義主張を曲げない自立した女性の先駆的存在だったこともわかりました。なにより、自然を愛するテーマは今年の映画にとても多いし、今日的なテーマを彼女は一世紀も前から頑張ってたんですよね~
〈2007年9月映画館にて〉
のほほんとした話と思いきやドラマチックでした
かわいいピーターラビット
1年前くらいに、Bunkamuraのピーターラビット展に赴いた。
ピーターラビットはもちろん知っていたし、家に食器もあるのでイラストはよく目にする。
でも作者のビアトリクス・ポターについては、その時その生涯を始めて知った。
その時も映画ミス・ポターを観たいと思ったものの、タイミングがなくて今回、ピーターラビットの実写映画の予告編を見て、そういえば見ていなかったと思い出し、観賞に至った。
1900年代初期のロンドンの上流階級の暮らしやファッションは興味深く、見ていて楽しい。
当時の独身女性は、今よりもっと風当たりが強かっただろう。
自分の個性を見失うことなく、経済的にも自立したポターだったが、出版者の男性と恋に落ちるところは、共感でき微笑ましい。
可愛らしい二人だからこそ、その後に待ち受ける悲劇には、人生の非情を感じ涙するしかない。
その後はイギリスの湖水地方の保護活動にも取り組み、結婚もしたポター。
彼女の精神は女性として、また一人の人間としてただただ尊厳すると共に、(映画として多少の改変はあるにしても)淡々と彼女の半生を描き切った本作を評価したい。
リネー・ゼルヴィガーも、決して華美ではないが、それがまた自然を愛するミス・ポターとマッチしていたように思う。
ところどころ命があるかのように動き出す彼女の「友達たち」も、とっても愛くるしい。
湖水地方に魅せられる
ピーターラビットの世界
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